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== | == 小胞体ストレス応答 == | ||
小胞体ストレス応答は、酵母から哺乳類まで広く保存されたシステムである。小胞体ストレスが発生すると、細胞は以下の3つの応答を示す。1)小胞体内に新たなタンパク質が輸送されないようにmRNAの翻訳を抑制する<ref><pubmed> 11106749 </pubmed></ref>、2)タンパク質の折りたたみ効率を上げるように小胞体分子シャペロンの転写を誘導する<ref><pubmed> 10866666 </pubmed></ref><ref><pubmed> 9837962 </pubmed></ref>、3)折りたたみ不全タンパク質自体を分解する小胞体関連分解(ER-associated degradation; ERAD)を活性化する<ref><pubmed> 10893258 </pubmed></ref><ref><pubmed> 10847680 </pubmed></ref>。哺乳細胞において、折りたたみ不全タンパク質の小胞体内への蓄積は主に3つの小胞体ストレスセンサー(PERK<ref><pubmed> 9930704 </pubmed></ref>、IRE1<ref><pubmed> 10650002 </pubmed></ref><ref><pubmed> 11069889 </pubmed></ref>、ATF6<ref><pubmed> 10866666 </pubmed></ref><ref><pubmed> 9837962 </pubmed></ref>)によって感知され、上述の応答が各ストレスセンサーから発信されるシグナルによって引き起こされる。以下に各ストレスセンサーの経路について述べる。 | 小胞体ストレス応答は、酵母から哺乳類まで広く保存されたシステムである。小胞体ストレスが発生すると、細胞は以下の3つの応答を示す。1)小胞体内に新たなタンパク質が輸送されないようにmRNAの翻訳を抑制する<ref><pubmed> 11106749 </pubmed></ref>、2)タンパク質の折りたたみ効率を上げるように小胞体分子シャペロンの転写を誘導する<ref><pubmed> 10866666 </pubmed></ref><ref><pubmed> 9837962 </pubmed></ref>、3)折りたたみ不全タンパク質自体を分解する小胞体関連分解(ER-associated degradation; ERAD)を活性化する<ref><pubmed> 10893258 </pubmed></ref><ref><pubmed> 10847680 </pubmed></ref>。哺乳細胞において、折りたたみ不全タンパク質の小胞体内への蓄積は主に3つの小胞体ストレスセンサー(PERK<ref><pubmed> 9930704 </pubmed></ref>、IRE1<ref><pubmed> 10650002 </pubmed></ref><ref><pubmed> 11069889 </pubmed></ref>、ATF6<ref><pubmed> 10866666 </pubmed></ref><ref><pubmed> 9837962 </pubmed></ref>)によって感知され、上述の応答が各ストレスセンサーから発信されるシグナルによって引き起こされる。以下に各ストレスセンサーの経路について述べる。 | ||
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== | == 小胞体ストレスと疾患 == | ||
小胞体ストレスが関わる神経系疾患について下に示す。 | 小胞体ストレスが関わる神経系疾患について下に示す。 | ||
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== | == 参考文献 == | ||
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