「ゴルジ染色」の版間の差分

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== ゴルジ染⾊法の原理 ==
== ゴルジ染⾊法の原理 ==
 ゴルジ染⾊とゴルジ・コックス染⾊は⽤いる化合物が異なっており、ゴルジ染⾊ではシンプルにオスミウム酸と⼆クロム酸カリウムで固定した脳を硝酸銀⽔溶液に漬けるのみであるが、ゴルジ・コックス染⾊では、⼆クロム酸に加えてクロム酸カリウムと塩化⽔銀で固定した脳をアンモニア⽔で発⾊(⿊化)させている(7, 8)。すなわちゴルジ染⾊ではクロム酸銀の沈着を、またゴルジ・コックス染⾊では、⽔銀とアンモニア⽔による反応で⾦属⽔銀の沈着を観察することとなる(9)。これらの⽅法はともに、ごくわずかの神経細胞をランダムに染⾊し、染⾊された神経は⿊く強調され、そのほかの細胞は全く染⾊されないという⾮常に⾼いシグナル/ノイズ⽐をもたらすが、この成因については未だ明らかにされていない(10)。コックスが論⽂の中で述べたゴルジ染⾊の特⾊を、萬年甫は⾃らの書籍の中で次のように紹介している。「化合物の化学的あるいは物理的組成が、おそらく細胞の⽣理的状態の違い、あるいは細胞の死と関連してこのような差異を⽣ずるに違いない」と(4, 11)。
 ゴルジ染⾊とゴルジ・コックス染⾊は⽤いる化合物が異なっており、ゴルジ染⾊ではシンプルにオスミウム酸と⼆クロム酸カリウムで固定した脳を硝酸銀⽔溶液に漬けるのみであるが、ゴルジ・コックス染⾊では、⼆クロム酸に加えてクロム酸カリウムと塩化⽔銀で固定した脳をアンモニア⽔で発⾊(⿊化)させている(7, 8)。すなわちゴルジ染⾊ではクロム酸銀の沈着を、またゴルジ・コックス染⾊では、⽔銀とアンモニア⽔による反応で⾦属⽔銀の沈着を観察することとなる(9)。
 
 これらの⽅法はともに、ごくわずかの神経細胞をランダムに染⾊し、染⾊された神経は⿊く強調され、そのほかの細胞は全く染⾊されないという⾮常に⾼いシグナル/ノイズ⽐をもたらすが、この成因については未だ明らかにされていない(10)。コックスが論⽂の中で述べたゴルジ染⾊の特⾊を、萬年甫は⾃らの書籍の中で次のように紹介している。「化合物の化学的あるいは物理的組成が、おそらく細胞の⽣理的状態の違い、あるいは細胞の死と関連してこのような差異を⽣ずるに違いない」と(4, 11)。


== ゴルジ染⾊の⽅法 ==
== ゴルジ染⾊の⽅法 ==

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