「サイクリックAMP応答配列結合タンパク質」の版間の差分

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== リン酸化による制御 ==
== リン酸化による制御 ==
 CREBは様々なタンパク質リン酸化酵素によってリン酸化修飾を受けることにより、転写活性が制御されている。特にKID内に存在する複数のセリン残基がリン酸化されることによりCREBと他のタンパク質との相互作用は正または負に制御される<ref name=Altarejos2011/>[2]。中でも133番目のセリン残基(Ser133)は転写活性を促進するために最も重要な部位である。発見後初期の1990年代ではSer133はcAMP依存的タンパク質キナーゼ(PKA)によってのみリン酸化されると考えられていたが、その後の研究により神経細胞においてはカルシウム・カルモジュリンタンパク質キナーゼIVやMAPキナーゼファミリーに属するMSK1/2, RSK1/2などによってもSer133はリン酸化されることが明らかになり、複数の細胞内シグナル経路によって制御されていることが明らかになった<ref name=Lonze2002/><ref><pubmed>12909086</pubmed>[11, 12]。生体において、どのタンパク質リン酸化酵素がCREB Ser133の主要なリン酸化酵素であるかについては組織や細胞の種類、刺激の種類などの要因によって異なる。CREBのSer133はKID領域内に存在し、そのリン酸化は他のタンパク質との相互作用のスイッチとなる。KID領域にはSer133以外にも複数のセリン残基があり(Ser111, Ser121, Ser142/133など)、これらもリン酸化修飾を受けることからCREBに対する巧妙なリン酸化制御機構の存在が示唆されている<ref name=Altarejos2011/>[2]。
 CREBは様々なタンパク質リン酸化酵素によってリン酸化修飾を受けることにより、転写活性が制御されている。特にKID内に存在する複数のセリン残基がリン酸化されることによりCREBと他のタンパク質との相互作用は正または負に制御される<ref name=Altarejos2011/>[2]。中でも133番目のセリン残基(Ser133)は転写活性を促進するために最も重要な部位である。発見後初期の1990年代ではSer133はcAMP依存的タンパク質キナーゼ(PKA)によってのみリン酸化されると考えられていたが、その後の研究により神経細胞においてはカルシウム・カルモジュリンタンパク質キナーゼIVやMAPキナーゼファミリーに属するMSK1/2, RSK1/2などによってもSer133はリン酸化されることが明らかになり、複数の細胞内シグナル経路によって制御されていることが明らかになった<ref name=Lonze2002/><ref><pubmed>12909086</pubmed></ref>[11, 12]。生体において、どのタンパク質リン酸化酵素がCREB Ser133の主要なリン酸化酵素であるかについては組織や細胞の種類、刺激の種類などの要因によって異なる。CREBのSer133はKID領域内に存在し、そのリン酸化は他のタンパク質との相互作用のスイッチとなる。KID領域にはSer133以外にも複数のセリン残基があり(Ser111, Ser121, Ser142/133など)、これらもリン酸化修飾を受けることからCREBに対する巧妙なリン酸化制御機構の存在が示唆されている<ref name=Altarejos2011/>[2]。


 一方、CREBの脱リン酸化による制御に関してはタンパク質フォスファターゼ1(PP1)やPP2Aの関与が示されているが不明な点が多い。
 一方、CREBの脱リン酸化による制御に関してはタンパク質フォスファターゼ1(PP1)やPP2Aの関与が示されているが不明な点が多い。

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