「脳波」の版間の差分

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=== 入力インピーダンス ===
=== 入力インピーダンス ===
脳波計測では、脳を生体電源として抵抗をかませた回路をつくり、オームの法則から抵抗の前後における電位差を測る。しかし実際には生体内部で合計数十キロΩにもなる抵抗が生じる。これは変動する可能性があり、測定はできない。これによって回路内に用意した抵抗にかかる電圧が生体電源電圧と等しくならず、正しい計測ができない。この生体内のインピーダンスを無視するために、回路に組み込んだ抵抗、つまり脳波計の入力端子間における入力インピーダンスを高くする必要がある(10MΩ以上)。生体側のインピーダンスよりも入力インピーダンスが十分に高ければ、抵抗の両端で生じる電位差を脳で生じた電圧とほぼ等しいとみなすことができる。<br> 
脳波計測では、脳を生体電源として抵抗をかませた回路をつくり、オームの法則から抵抗の前後における電位差を測る。しかし実際には生体内部で合計数十キロΩにもなる抵抗が生じる。これは変動する可能性があり、測定はできない。これによって回路内に用意した抵抗にかかる電圧が生体電源電圧と等しくならず、正しい計測ができない。この生体内のインピーダンスを無視するために、回路に組み込んだ抵抗、つまり脳波計の入力端子間における入力インピーダンスを高くする必要がある(10MΩ以上)。生体側のインピーダンスよりも入力インピーダンスが十分に高ければ、抵抗の両端で生じる電位差を脳で生じた電圧とほぼ等しいとみなすことができる。<br> 
 生体信号の記録には、銀-塩化銀(Ag/AgCl)電極の電気特性が最も良いといわれている。Ag/AgCl電極では、数秒間にわたる緩やかな電位変化を記録することができる。ただし、脳波計の入力インピーダンスが十分に高ければ、電極の種類によらず歪のない計測ができるといわれている。電極を頭皮に接地する際には、頭皮との間に導電性のゲルを埋めて電気的に接触させる。この電極と頭皮における接触抵抗は、S/N比の高い脳波計測をするうえで非常に重要になってくる。接触抵抗が高いと信号が減衰してしまうため、頭皮の角質を落とすといった前処理で下げる必要がある。接触抵抗は電極間に交流電流を流した際の電極間インピーダンスとして計測が可能であり、これが一般的に言われる電極インピーダンスである。電極インピーダンスは5kΩ以下にすることが望ましいとされ、電極インピーダンスはできるだけ一様に下げることが望ましい。電極インピーダンスの値が揃っていれば差動増幅器(脳波計)の特性によって同相信号が除去されるため、電源ラインから混入する交流障害(ハム)の影響を少なくすることができる。<br> 
 生体信号の記録には、銀-塩化銀(Ag/AgCl)電極の電気特性が最も良いといわれている。Ag/AgCl電極では、数秒間にわたる緩やかな電位変化を記録することができる。ただし、脳波計の入力インピーダンスが十分に高ければ、電極の種類によらず歪のない計測ができるといわれている。電極を頭皮に接地する際には、頭皮との間に導電性のゲルを埋めて電気的に接触させる。この電極と頭皮における接触抵抗は、S/N比の高い脳波計測をするうえで非常に重要になってくる。接触抵抗が高いと信号が減衰してしまうため、頭皮の角質を落とすといった前処理で下げる必要がある。接触抵抗は電極間に交流電流を流した際の電極間インピーダンスとして計測が可能であり、これが一般的に言われる電極インピーダンスである。電極インピーダンスは5kΩ以下にすることが望ましいとされ、電極インピーダンスはできるだけ一様に下げることが望ましい。電極インピーダンスの値が揃っていれば差動増幅器(脳波計)の特性によって同相信号が除去されるため、電源ラインから混入する交流障害(ハム)の影響を少なくすることができる。<br> 
 入力インピーダンスは脳波計の性能次第であるが、接触インピーダンスは計測者の前処理によって下げる必要がある。ボルテージフォロワのような回路が仕込まれている電極では、電極ごとの接触インピーダンスに応じて入力インピーダンスを上げることができる。この電極を能動電極('''アクティブ電極''')とよび、対照的に回路が組み込まれていな電極を'''パッシブ電極'''と呼ぶ。<br>
 入力インピーダンスは脳波計の性能次第であるが、接触インピーダンスは計測者の前処理によって下げる必要がある。ボルテージフォロワのような回路が仕込まれている電極では、電極ごとの接触インピーダンスに応じて入力インピーダンスを上げることができる。この電極を能動電極('''アクティブ電極''')とよび、対照的に回路が組み込まれていな電極を'''パッシブ電極'''と呼ぶ。<br>


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