「色覚」の版間の差分

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== 色名と色カテゴリー ==
== 色名と色カテゴリー ==
色弁別能を考慮すると人間は約数10万色を見分けることができると考えられるが、日常的に色を表現する際に用いる色名語はたかだか数十色名である。色名で色を表現する際には、微妙に異なる複数の色を1つのグループとして扱う「カテゴリー化」が行われている。ある言語の話者間で同じ色カテゴリー(color category)の指す色名のうち、大多数の人が共通して用いる単一色名語彙を基本色名(basic color terms)という(Berlin & Kay, 1969)<ref><pubmed></pubmed></ref>。基本色名は、一定以上成熟した言語では共通した11色(日本語では、赤、緑、青、黄、オレンジ、紫、ピンク、茶、白、灰、黒)と言われ、11色名に満たない言語でも、色名の発生順序に一定の規則性があることが大規模な研究プロジェクト(World Color Survey: Kay et al。, 2009)で確認されている。
色弁別能を考慮すると人間は約数10万色を見分けることができると考えられるが、日常的に色を表現する際に用いる色名語はたかだか数十色名である。色名で色を表現する際には、微妙に異なる複数の色を1つのグループとして扱う「カテゴリー化」が行われている。ある言語の話者間で同じ色カテゴリー(color category)の指す色名のうち、大多数の人が共通して用いる単一色名語彙を基本色名(basic color terms)という(Berlin & Kay, 1969)<ref>'''Berlin, B. & Kay, P.'''<br>Basic Color Terms: Their Universality and Evolution<br>''University of California Press'', Berkeley, 1969.</ref>。基本色名は、一定以上成熟した言語では共通した11色(日本語では、赤、緑、青、黄、オレンジ、紫、ピンク、茶、白、灰、黒)と言われ、11色名に満たない言語でも、色名の発生順序に一定の規則性があることが大規模な研究プロジェクト(World Color Survey: Kay et al。, 2009)<ref>'''Kay, P., Berlin, B., Maffi, L., Merrifield, W. R., & Cook, R.'''<br>The world color survey<br>''CSLI Publications'', Stanford, 2009</ref>で確認されている。
色名に依存せず、クラスター解析を応用した方法で基本色カテゴリーを導出する研究手法も報告されている(Lindsey & Brown, 2006; 2009; Kuriki et al。, 2017)<ref><pubmed></pubmed></ref><ref><pubmed></pubmed></ref><ref><pubmed></pubmed></ref>。この方法を用いると色名の語源や類似語などの影響を受けず、例えば日本語の「桃」と「ピンク」など、同様の色カテゴリーに複数の色名語が用いられた場合でも、色カテゴリーを抽出できる利点がある。
色名に依存せず、クラスター解析を応用した方法で基本色カテゴリーを導出する研究手法も報告されている(Lindsey & Brown, 2006; 2009; Kuriki et al。, 2017)<ref><pubmed> 17047032 </pubmed></ref><ref><pubmed> 19901327 </pubmed></ref><ref><pubmed> 28249298 </pubmed></ref>。この方法を用いると色名の語源や類似語などの影響を受けず、例えば日本語の「桃」と「ピンク」など、同様の色カテゴリーに複数の色名語が用いられた場合でも、色カテゴリーを抽出できる利点がある。


== ユニーク色 ==
== ユニーク色 ==

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