「マルチノッチ細胞」の版間の差分

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=== 局所神経回路における役割 ===
=== 局所神経回路における役割 ===
[File:Miyamoto Fig2.png|thumb|right '''図2. 2シナプス性抑制'''<br>PC: 錐体細胞、MC: マルチノッチ細胞]
[[File:Miyamoto Fig2.png|thumb|right| '''図2. 2シナプス性抑制'''<br>PC: 錐体細胞、MC: マルチノッチ細胞]]
 第V層のマルチノッチ細胞は、同じく第V層[[錐体細胞]]から[[興奮性]]入力を受けて活性化し、近傍の錐体細胞の遠位樹状突起における活動を抑制する。この2つのシナプスを介した抑制様式を2シナプス性抑制 (disynaptic inhibition) と呼ぶ('''図2''')錐体細胞の細胞体に連続発火を引き起こす樹状突起スパイクも2シナプス性抑制を介して抑制される<ref name=ref9><pubmed>19151696</pubmed></ref>。この錐体細胞-マルチノッチ細胞間のフィードバック抑制の役割として、大脳皮質が異常興奮した際における皮質活動の正常化が考えられる<ref name=ref8><pubmed>17329212</pubmed></ref>。また、生きた[[マウス]]の[[感覚野]]5層錐体細胞の遠位樹状突起から活動を記録した研究において、後肢への刺激強度(入力)と樹状突起活動(出力)との間に正比例の入出力関係が報告されている。この入出力関係はマルチノッチ細胞の活動により維持されている事が明らかになっている<ref name=ref9 />。
 第V層のマルチノッチ細胞は、同じく第V層[[錐体細胞]]から[[興奮性]]入力を受けて活性化し、近傍の錐体細胞の遠位樹状突起における活動を抑制する。この2つのシナプスを介した抑制様式を2シナプス性抑制 (disynaptic inhibition) と呼ぶ('''図2''')錐体細胞の細胞体に連続発火を引き起こす樹状突起スパイクも2シナプス性抑制を介して抑制される<ref name=ref9><pubmed>19151696</pubmed></ref>。この錐体細胞-マルチノッチ細胞間のフィードバック抑制の役割として、大脳皮質が異常興奮した際における皮質活動の正常化が考えられる<ref name=ref8><pubmed>17329212</pubmed></ref>。また、生きた[[マウス]]の[[感覚野]]5層錐体細胞の遠位樹状突起から活動を記録した研究において、後肢への刺激強度(入力)と樹状突起活動(出力)との間に正比例の入出力関係が報告されている。この入出力関係はマルチノッチ細胞の活動により維持されている事が明らかになっている<ref name=ref9 />。


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