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=== '''微小管(微細管)'''=== | === '''微小管(微細管)'''=== | ||
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;線維のサイズ:直径25nm | |||
;線維の特徴:中空の管状の線維。極性あり(重合の早い側がプラス) | |||
;構成成分:GTP結合蛋白であるチュブリン(tubulin)α、βの2量体(50kd) | |||
;結合・関連蛋白:タウtauは遺伝性アルツハイマー病の原因遺伝子である。MAP2は樹状突起と細胞体のマーカーとなる。この上を走るモーター分子にキネシン、ダイニンおよびその類縁蛋白がある。 | |||
;細胞内分布と機能:一般的な細胞では、中心体から放射状に細胞質全体に放射するほか、精子の鞭毛や、分裂細胞の紡錘糸の主要成分である。 | |||
;神経細胞での特徴:軸索や樹状突起の中心部分を何本かの束をつくって突起に平行に走行し、微小管上のモーター分子キネシンやダイニンによるオルガネラや小胞輸送のためのレールの役割を果たしている。軸索輸送に重要な役割を果たす。 | |||
結合・関連蛋白:タウtauは遺伝性アルツハイマー病の原因遺伝子である。MAP2は樹状突起と細胞体のマーカーとなる。この上を走るモーター分子にキネシン、ダイニンおよびその類縁蛋白がある。 | ;その他:中空なのでこの中を何かが運ばれるという考えがあるが、根拠が少ない。 | ||
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=== '''中間径フィラメント''' === | === '''中間径フィラメント''' === | ||
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;線維のサイズ:直径10nm | |||
;線維の特徴:極性がない。 | |||
;構成成分:細胞の種類によって蛋白の種類が異なる細胞骨格蛋白質(40-180kD)。非神経では、keratin, vimentin, desmin,glial filamentなどが構成成分となっているが、神経では、幹細胞ではnestin, 発生の段階でinternexin、その後neurofilament H, M, Lが発現する。 | |||
;重合脱重合:他の線維に比べ、安定である。 | |||
;細胞内分布:上皮細胞では細胞間接着のデスモゾームに結合し、細胞の構造的補強を行っている。 | |||
;神経での特徴:3つの異なるサブユニットが重合し、フィラメント間に多くの架橋構造を形成するのが特徴的である。H鎖はリン酸化のターゲット分子であり神経細胞では軸索の遠位部で強くリン酸化されていて、リン酸化抗体は軸索のマーカー分子として使われる。細胞の構造的補強以外の機能は不明である。 | |||
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=== '''アクチンフィラメント(微細繊維、マイクロフィラメント)''' === | === '''アクチンフィラメント(微細繊維、マイクロフィラメント)''' === | ||
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;線維のサイズ:直径7nm <br> | |||
;線維の特徴:極性あり。細胞膜についているほうが、プラス端。<br> | |||
;構成成分:アクチン(45kd) <br> | |||
;結合・関連蛋白:ミオシンを始め、数多い。<br> | |||
;細胞内分布と機能:細胞膜と強く関連し、細胞運動で重要な役割を果たす。一般的細胞では細胞膜直下に多く、細胞膜が分化した構造、微絨毛や接着結合, 分裂時の収縮輪等に多く、培養細胞のストレスファイバーの主成分である。<br> | |||
;神経細胞での特徴:神経細胞では細胞膜直下のほか、樹状突起のスパインや、PSD(post synaptic density) 、ランヴィエの絞輪、成長円錐に多い <br> | |||
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Manfred Schliwa The cytoskeleton an introductory survey 1986 <br>Springer-Verlag/Wien<br>Jonathon Howard Mechanics of Motor Proteins and the cytoskeleton 2001 <br>Sinauer Associates, Inc/Sunderland Massachusetts<br>Bruce Alberts et al. Molecular Biology of the Cell 3rd ed.1994Garland <br>Publishing Inc. NewYork CF 4th ed 2002<br>Alan Peters, Sanford L. Palay, Henry DEF. Webster The fine structure of <br>the nervous system Oxford University Press 3rd edition 1991<br> | |||
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(執筆者:中田隆夫、担当編集委員:) | |||
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