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Masahitoyamagata (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
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== モデル解析ニューロン == | == モデル解析ニューロン == | ||
''' | '''「モデル解析ニューロン」とは、おそらく「神経突起の自己回避」ということが先にあって、それを研究するモデルとして御説明されたようなニューロンが研究されたという意味だと思われますが、少しわかりにくいかもしれません。というより、私はむしろ「神経突起の自己回避」現象が明確に観察できる典型例として、実験システムとして研究されてきたような気がします。例えば、解析モデルとなるニューロン、神経突起自己回避が観察できるニューロンといった説明的なタイトルにした方がよいと思います。個人的にはモデルニューロン、モデルとして解析という表現がやや気になるのですが(研究している人にとってはモデルではない?)、これは好みの問題だと思います。ご検討いただければと思います。''' | ||
[[ファイル:Kurako Fig2.jpg|サムネイル|'''図2. 神経突起自己回避の解析モデルニューロン'''<br>ショウジョウバエ感覚ニューロン'''(A)'''、マウス網膜アマクリン細胞'''(B)'''、マウス小脳プルキンエ細胞'''(C)'''は高度に分岐した樹状突起をもつがそれらはなるべく交錯を回避した構造をとる。様々の細胞表面分子、あるいはその制御因子の欠失によって著しい自己交錯が起こる。]] | [[ファイル:Kurako Fig2.jpg|サムネイル|'''図2. 神経突起自己回避の解析モデルニューロン'''<br>ショウジョウバエ感覚ニューロン'''(A)'''、マウス網膜アマクリン細胞'''(B)'''、マウス小脳プルキンエ細胞'''(C)'''は高度に分岐した樹状突起をもつがそれらはなるべく交錯を回避した構造をとる。様々の細胞表面分子、あるいはその制御因子の欠失によって著しい自己交錯が起こる。]] | ||
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これまでにショウジョウバエや線虫、マウスなどのモデル生物において、神経突起の自己回避を直接制御する多くの細胞表面分子が同定されている。なかでも、ショウジョウバエのDSCAM1とマウスのプロトカドヘリンは、多様な細胞外ドメインからなる多くのアイソフォームをもつ巨大ファミリー分子で、これらが神経突起表面でのアイソフォームどうしのマッチングによって “自己”あるいは“非自己”を認識し、そして、同じアイソフォームの同種親和性結合を介して自己の突起の反発を引き起こす。 | これまでにショウジョウバエや線虫、マウスなどのモデル生物において、神経突起の自己回避を直接制御する多くの細胞表面分子が同定されている。なかでも、ショウジョウバエのDSCAM1とマウスのプロトカドヘリンは、多様な細胞外ドメインからなる多くのアイソフォームをもつ巨大ファミリー分子で、これらが神経突起表面でのアイソフォームどうしのマッチングによって “自己”あるいは“非自己”を認識し、そして、同じアイソフォームの同種親和性結合を介して自己の突起の反発を引き起こす。 | ||
''' | '''図3のDSCAM1の結合の図ですが、同じ細胞の表面上で結合するcis相互作用のような印象を受けるのですが、transで相互作用するのが神経突起自己回避のメカニズムだと思います。また、プロトカドヘリンについては、クラスター型プロトカドヘリンと正確に記載するべきだと思います。''' | ||
=== ショウジョウバエ === | === ショウジョウバエ === | ||
==== DSCAM1 ==== | ==== DSCAM1 ==== | ||
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カドへリンファミリーに属する接着因子Flamingoはその細胞内領域にLIMドメインタンパク質であるEspinasが結合することで反発作用を生み、感覚ニューロンの樹状突起の自己回避を促す<ref><pubmed> 21937715</pubmed></ref>[18]。細胞膜貫通タンパク質であるTurtleの変異体ショウジョウバエは感覚ニューロンの樹状突起自己回避に異常が起こる<ref><pubmed>19783736</pubmed></ref>[19]。Turtleによる樹状突起自己回避は、その細胞内領域を必要としないことからTurtleはリガンドあるいは共受容体として機能することで反発作用を生むと考えられる。がん抑制因子Hippoの変異体ショウジョウバエも感覚ニューロンの樹状突起自己回避に異常が起こることから、自己の樹状突起どうしの反発を引き起こす細胞内シグナルとしてはたらいていると考えられる<ref><pubmed>16906135</pubmed></ref>[20]。ただし、Hippoと樹状突起自己回避を制御する細胞表面分子との関係はわかっていない。 | カドへリンファミリーに属する接着因子Flamingoはその細胞内領域にLIMドメインタンパク質であるEspinasが結合することで反発作用を生み、感覚ニューロンの樹状突起の自己回避を促す<ref><pubmed> 21937715</pubmed></ref>[18]。細胞膜貫通タンパク質であるTurtleの変異体ショウジョウバエは感覚ニューロンの樹状突起自己回避に異常が起こる<ref><pubmed>19783736</pubmed></ref>[19]。Turtleによる樹状突起自己回避は、その細胞内領域を必要としないことからTurtleはリガンドあるいは共受容体として機能することで反発作用を生むと考えられる。がん抑制因子Hippoの変異体ショウジョウバエも感覚ニューロンの樹状突起自己回避に異常が起こることから、自己の樹状突起どうしの反発を引き起こす細胞内シグナルとしてはたらいていると考えられる<ref><pubmed>16906135</pubmed></ref>[20]。ただし、Hippoと樹状突起自己回避を制御する細胞表面分子との関係はわかっていない。 | ||
''' | '''接着因子は、接着分子とした方がよいと思います。がん抑制因子Hippoの変異体ショウジョウバエー>ショウジョウバエ変異体?変異ショウジョウバエ? | ||
がん抑制因子より、リン酸化酵素Hippoとした方が適切な情報を伝えることができると思います。''' | がん抑制因子より、リン酸化酵素Hippoとした方が適切な情報を伝えることができると思います。''' | ||