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細 (→病態生理 ) |
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担当編集委員:漆谷真 | 担当編集委員:漆谷真 | ||
英: | <div align="right"> | ||
<font size="+1">[https://researchmap.jp/read0073327 濱野 忠則]</font><br> | |||
''福井大学医学部第二内科・脳神経内科''<br> | |||
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2020年11月18日 原稿完成日:2020年11月XX日<br> | |||
担当編集委員:[http://researchmap.jp/read0141446/ 漆谷 真](滋賀医科大学 脳神経内科)<br> | |||
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英:trigeminal neuralgia 独:tridentaler Nervenschmerz 仏:douleur nerveuse tridentale | |||
同義語:有痛性チック、一次性三叉神経痛 | 同義語:有痛性チック、一次性三叉神経痛 | ||
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== 診断== | == 診断== | ||
典型的な症例の場合、診断は決して困難ではない。診断基準を表に示す('''表1''')<ref name=Barker1996><pubmed>8598865</pubmed></ref>[5] | 典型的な症例の場合、診断は決して困難ではない。診断基準を表に示す('''表1''')<ref name=Barker1996><pubmed>8598865</pubmed></ref>[5]。一側三叉神経支配領域、特に第2、3枝領域(口唇、頬、歯肉、下顎)に限局した数分の1秒~2分のピリッとした電撃痛を反復するものであり、中年期以降に発症し、女性に多い。鼻唇溝、オトガイの狭い領域に痛みの誘発点を有することが多い。洗顔、髭剃り、会話、歯磨きなどの些細な刺激で誘発される。痛みは、昼夜を問わず頻回に出現する。間歇期は無症状である。激痛のため、罹患側のしかめっ面をしばしば誘発する(有痛性チック)。典型的(特発性)三叉神経痛は、明らかな顔面感覚鈍麻はない。疼痛部位の検討では、三叉神経第2枝、第3枝合併例が最も多く33~36%、第3枝単独が15~19%、第2枝単独が17~18%、第1、第2枝合併が12~13%、第1枝単独は3~4%とまれである<ref name=Barker1996><pubmed>8598865</pubmed></ref>[5] <ref name=Maarbjerg2014><pubmed>25231219</pubmed></ref> | ||
[7]。第2枝、第3枝のtrigger point(口の周囲や鼻翼、頬など)の存在が診断上有用である('''図1''')<ref name=日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会2018>'''日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会 (2018).'''<br>13. 脳神経の有痛性病変およびその他の顔面痛. 国際頭痛分類第3版, 医学書院, 東京. pp166-87</ref>[6] <ref name=Garg2011><pubmed>22480095</pubmed></ref>[8]。 | [7]。第2枝、第3枝のtrigger point(口の周囲や鼻翼、頬など)の存在が診断上有用である('''図1''')<ref name=日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会2018>'''日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会 (2018).'''<br>13. 脳神経の有痛性病変およびその他の顔面痛. 国際頭痛分類第3版, 医学書院, 東京. pp166-87</ref>[6] <ref name=Garg2011><pubmed>22480095</pubmed></ref>[8]。 | ||
一方症候性三叉神経痛では、顔面感覚鈍麻を伴い、第1枝領域単独にも症状を呈しうる。角膜反射の低下など、他の脳神経障害を伴うことがある。若年発症の場合や、発作間歇期が短い場合は症候性三叉神経痛を疑う必要がある。 | |||
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== 検査 == | == 検査 == | ||
典型的三叉神経痛ではMRI、MRAにより橋の三叉神経根と上小脳動脈や前下小脳動脈などの血管との接触、圧迫を認める。FIESTA画像が診断に有用である('''図2''')<ref name=濱野忠則2020>'''濱野忠則 (2020).'''<br>神経痛 今日の診断指針, 永井良三編 第8版, 医学書院, 東京, pp622-625</ref>[9] | 典型的三叉神経痛ではMRI、MRAにより橋の三叉神経根と上小脳動脈や前下小脳動脈などの血管との接触、圧迫を認める。FIESTA画像が診断に有用である('''図2''')<ref name=濱野忠則2020>'''濱野忠則 (2020).'''<br>神経痛 今日の診断指針, 永井良三編 第8版, 医学書院, 東京, pp622-625</ref>[9]。症候性三叉神経痛では、三叉神経の走行路であるGasser神経節、正円孔(第2枝)、卵円孔(第3枝)、海面静脈洞(第1、第2枝)、上眼窩裂(1枝)を含む中頭蓋窩を中心にMRIで症候性三叉神経痛の原因となりうる悪性腫瘍や、副鼻腔炎を認める場合がある。また血液検査(炎症所見、自己抗体、ウイルス抗体)で炎症性疾患、自己免疫性疾患、帯状疱疹など症候性三叉神経痛の原因疾患を認める場合がある。 | ||
== 鑑別疾患 == | == 鑑別疾患 == |