「ドリフト拡散モデル」の版間の差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
編集の要約なし
編集の要約なし
編集の要約なし
16行目: 16行目:


==ドリフト拡散モデルとは==
==ドリフト拡散モデルとは==
[[Image:DDMの概要.png|thumb|<b>図1.ドリフト拡散モデルにおける反応と反応時間の生成過程</b>]]<br>
ドリフト拡散モデルは,刺激呈示から反応が起こるまでの経過時間(反応時間)と反応選択の分布を説明するモデルである。ドリフト拡散モデルは,Ratcliff (1978) が提案し,心理学や神経科学における反応時間のモデリングにおいて,幅広く用いられている <ref><pubmed> 26952739 </pubmed></ref>。
ドリフト拡散モデルは,刺激呈示から反応が起こるまでの経過時間(反応時間)と反応選択の分布を説明するモデルである。ドリフト拡散モデルは,Ratcliff (1978) が提案し,心理学や神経科学における反応時間のモデリングにおいて,幅広く用いられている <ref><pubmed> 26952739 </pubmed></ref>。


22行目: 25行目:
ドリフト拡散モデルにおけるエビデンスの蓄積過程は,開始点<math>z</math>から始まり,一定のドリフト率に従ってエビデンスが蓄積される(図1)。そして,境界の<math>a</math>もしくはその反対側の境界までエビデンスが蓄積されると反応が出力される。図1の場合,<math>a</math>に到達すると反応Aが出力され,0に到達すると反応Bが出力される。開始点と境界(a)との距離が遠いほど,エビデンスの蓄積にかかる時間が長くなる。また,開始点から境界までの蓄積過程における速度は,ドリフト率にも依存する。ドリフト率が大きいほど,境界まで到達する時間は短くなる。開始点,ドリフト率,境界,そして非決定時間がドリフト拡散モデルの主なパラメータである。
ドリフト拡散モデルにおけるエビデンスの蓄積過程は,開始点<math>z</math>から始まり,一定のドリフト率に従ってエビデンスが蓄積される(図1)。そして,境界の<math>a</math>もしくはその反対側の境界までエビデンスが蓄積されると反応が出力される。図1の場合,<math>a</math>に到達すると反応Aが出力され,0に到達すると反応Bが出力される。開始点と境界(a)との距離が遠いほど,エビデンスの蓄積にかかる時間が長くなる。また,開始点から境界までの蓄積過程における速度は,ドリフト率にも依存する。ドリフト率が大きいほど,境界まで到達する時間は短くなる。開始点,ドリフト率,境界,そして非決定時間がドリフト拡散モデルの主なパラメータである。


[[Image:DDMの概要.png|thumb|320px|<b>図1.ドリフト拡散モデルにおける反応と反応時間の生成過程</b>]]<br>


==モデルの定式化==
==モデルの定式化==
135

回編集

案内メニュー