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19野の一部。V3に隣接する領域。背側部(V4d)と腹側部(V4v)を合わせて一つのV4とする。背側部は上視野の垂直子午線に近い部分を表す。腹側部は上視野の水平子午線に近い部分を含む残りの視野を表す。新世界ザルの背外側野(DL)、マーモセットのVLAに相当する。V2(細い縞、淡い縞)、V3、V3Aから強い入力を受け、側頭葉(TEO、TE)、後頭頂葉(MT、MST、FST、V4t、DP、VIP、LIP、PIP)、前頭葉(FEF)へ出力する。V1、V2、V3にフィードバック投射を返す。中心視領域はV1から直接投射を受け<ref><pubmed>7690064</pubmed></ref>、側頭葉(TEO、TE)と強い結合を持つ。周辺視領域はV3、V5/MTから強い入力を受け、後頭頂葉からも広く入力を受ける。 | 19野の一部。V3に隣接する領域。背側部(V4d)と腹側部(V4v)を合わせて一つのV4とする。背側部は上視野の垂直子午線に近い部分を表す。腹側部は上視野の水平子午線に近い部分を含む残りの視野を表す。新世界ザルの背外側野(DL)、マーモセットのVLAに相当する。V2(細い縞、淡い縞)、V3、V3Aから強い入力を受け、側頭葉(TEO、TE)、後頭頂葉(MT、MST、FST、V4t、DP、VIP、LIP、PIP)、前頭葉(FEF)へ出力する。V1、V2、V3にフィードバック投射を返す。中心視領域はV1から直接投射を受け<ref><pubmed>7690064</pubmed></ref>、側頭葉(TEO、TE)と強い結合を持つ。周辺視領域はV3、V5/MTから強い入力を受け、後頭頂葉からも広く入力を受ける。 | ||
多くの領野と結合しており、多様な機能を持つ<ref><pubmed>22500626</pubmed></ref><ref><pubmed>32580663</pubmed></ref>。1970年代には、色に選択的なニューロンが多く、その一部が色恒常性を示すことから、V4が色表現の中枢であるとする説が提案された<ref name=ref7 /><ref><pubmed>4196224</pubmed></ref>。しかし、1980年代になると輪郭線の傾きに選択性を示すニューロンも多数あることが明らかにされた<ref><pubmed>418173</pubmed></ref><ref name=ref6 /><ref><pubmed>3803497</pubmed></ref>。近年、色と形のサブ領域(グロブ)に分かれることが示されている<ref><pubmed>21076422</pubmed></ref><ref><pubmed>17988638</pubmed></ref>。他にも、曲線(円弧、非カルテジアン図形(同心円、らせん、双曲線))<ref><pubmed10561421</pubmed></ref><ref name=ref71 /><ref name><pubmed>8418487</pubmed></ref>、曲線の曲率と傾きの組み合わせ<ref><pubmed>10561421</pubmed></ref><ref name=ref2 />、縞模様の空間周波数成分と傾きの組み合わせ、3次元方向の線の傾き<ref><pubmed>15987762</pubmed></ref>、受容野内外の相対的な奥行き(relative disparity)<ref><pubmed>3559704</pubmed></ref>、ドットパターンの印影方向<ref><pubmed>11404436</pubmed></ref>、自然画像に含まれる高次の統計量成分<ref><pubmed>21841776</pubmed></ref><ref><pubmed>23685719</pubmed></ref><ref><pubmed>25535362</pubmed></ref>などに選択性を示すニューロンがある。さらに、大局的な選択性(色恒常性、逆相関ステレオグラム)を示すもの、注意により強い修飾作用を受けるもの、複雑な輪郭線の形状に選択性を示すもの<ref><pubmed>8201425</pubmed></ref>、視覚刺激の位置、大きさ、刺激手がかりの変化に対して反応選択性の不変性を示すもの<ref><pubmed>27194333</pubmed></ref><ref><pubmed>16267116</pubmed></ref><ref><pubmed>8899641</pubmed></ref><ref | 多くの領野と結合しており、多様な機能を持つ<ref><pubmed>22500626</pubmed></ref><ref><pubmed>32580663</pubmed></ref>。1970年代には、色に選択的なニューロンが多く、その一部が色恒常性を示すことから、V4が色表現の中枢であるとする説が提案された<ref name=ref7 /><ref><pubmed>4196224</pubmed></ref>。しかし、1980年代になると輪郭線の傾きに選択性を示すニューロンも多数あることが明らかにされた<ref><pubmed>418173</pubmed></ref><ref name=ref6 /><ref><pubmed>3803497</pubmed></ref>。近年、色と形のサブ領域(グロブ)に分かれることが示されている<ref><pubmed>21076422</pubmed></ref><ref><pubmed>17988638</pubmed></ref>。他にも、曲線(円弧、非カルテジアン図形(同心円、らせん、双曲線))<ref><pubmed10561421</pubmed></ref><ref name=ref71 /><ref name><pubmed>8418487</pubmed></ref>、曲線の曲率と傾きの組み合わせ<ref><pubmed>10561421</pubmed></ref><ref name=ref2 />、縞模様の空間周波数成分と傾きの組み合わせ、3次元方向の線の傾き<ref><pubmed>15987762</pubmed></ref>、受容野内外の相対的な奥行き(relative disparity)<ref><pubmed>3559704</pubmed></ref>、ドットパターンの印影方向<ref><pubmed>11404436</pubmed></ref>、自然画像に含まれる高次の統計量成分<ref><pubmed>21841776</pubmed></ref><ref><pubmed>23685719</pubmed></ref><ref><pubmed>25535362</pubmed></ref>などに選択性を示すニューロンがある。さらに、大局的な選択性(色恒常性、逆相関ステレオグラム)を示すもの、注意により強い修飾作用を受けるもの、複雑な輪郭線の形状に選択性を示すもの<ref><pubmed>8201425</pubmed></ref>、視覚刺激の位置、大きさ、刺激手がかりの変化に対して反応選択性の不変性を示すもの<ref><pubmed>27194333</pubmed></ref><ref><pubmed>16267116</pubmed></ref><ref><pubmed>8899641</pubmed></ref><ref name=ref2 />などのニューロンがある。 | ||
サルのV4を破壊すると、①大きさの変化、遮蔽、色恒常性、主観的輪郭線に対応できなくなる、②混在している複数の刺激要素を区別することができなくなる、③同一物体の持つ奥行き,明暗,色,位置などの情報を同一物体のものとして関連付けることができなくなる<ref><pubmed>8466667</pubmed></ref><ref><pubmed>8338809</pubmed></ref><ref><pubmed>8782380</pubmed></ref><ref><pubmed>10412066</pubmed></ref>などの影響が生じる。 | サルのV4を破壊すると、①大きさの変化、遮蔽、色恒常性、主観的輪郭線に対応できなくなる、②混在している複数の刺激要素を区別することができなくなる、③同一物体の持つ奥行き,明暗,色,位置などの情報を同一物体のものとして関連付けることができなくなる<ref><pubmed>8466667</pubmed></ref><ref><pubmed>8338809</pubmed></ref><ref><pubmed>8782380</pubmed></ref><ref><pubmed>10412066</pubmed></ref>などの影響が生じる。 |
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