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Yasuosakuma (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
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出力 | 出力 | ||
内側視索前野に電気泳動により投与したPHA-Lにより前脳・脳幹の構造が順行性に標識された。多くは内側視索前野への投射が知られている部位で、相互の支配が明らかである。視床下部の第三脳室周辺部には特に多くの投射があり、前腹側室周囲核(anteroventral periventricular nucleus, AVPV)、室傍核の小細胞領域、弓状核など神経内分泌調節に関わる部位、あるいは外側結合腕傍核・孤束核といった自律神経調節に関わる部位、腹内側核・背内側核など生殖・摂食といった行動調節に関わる部位が含まれる。 | 内側視索前野に電気泳動により投与したPHA-Lにより前脳・脳幹の構造が順行性に標識された。多くは内側視索前野への投射が知られている部位で、相互の支配が明らかである。視床下部の第三脳室周辺部には特に多くの投射があり、前腹側室周囲核(anteroventral periventricular nucleus, AVPV)、室傍核の小細胞領域、弓状核など神経内分泌調節に関わる部位、あるいは外側結合腕傍核・孤束核といった自律神経調節に関わる部位、腹内側核・背内側核など生殖・摂食といった行動調節に関わる部位が含まれる。 | ||
相互支配 | |||
逆行性・順行性双方に輸送されるHorseradish peroxidase(西洋ワサビ過酸化酵素, HRP)とwheat-germ agglutinin (小麦胚芽凝集素, WGA)の結合体であるWGA-HRPにより内側視索前野と外側中隔、分界条床核、扁桃核内側核、外側視床下部、室傍核、腹内側核、弓状核、乳頭上核、中脳中心灰白質、縫線核、結合腕傍核のそれぞれとの相互支配が示されている。大脳基底核(腹側線条体、側坐核、マイネルト基底核、視床下核を含む)、外側手綱、視床の内側諸核、正中隆起、乳頭体内側核、黒質、動眼神経核、赤核、背外側被蓋核、脳幹網様体、青斑核、迷走神経背側核へは投射が存在する。 | |||
==機能 == | ==機能 == | ||
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===排尿=== | ===排尿=== | ||
排尿中枢は古典的には脳幹の橋に存在する。橋排尿中枢の下行性コルチコトロピン放出ホルモン陽性ニューロンにはγアミノ酪酸(GABA)作動性内側視索前野ニューロンが投射しており、発情雄マウスの尿によるマーキング行動を起す<ref name=Hou2016><pubmed>27662084</pubmed></ref> (Hou et al., 2016)。 | 排尿中枢は古典的には脳幹の橋に存在する。橋排尿中枢の下行性コルチコトロピン放出ホルモン陽性ニューロンにはγアミノ酪酸(GABA)作動性内側視索前野ニューロンが投射しており、発情雄マウスの尿によるマーキング行動を起す<ref name=Hou2016><pubmed>27662084</pubmed></ref> (Hou et al., 2016)。シナプスを乗り越えて神経に感染するpseudorabies virus(PRV)による逆行性標識により内側視索前野から膀胱に至る下行性投射が示された(ラットとネコ)<ref name=de Groat1998><pubmed>9638955</pubmed></ref> (de Groat et al., 1998)。テンジクネズミとネコで、仙腰随から内側視索前野の前交連腹側に上行性の直接投射があり、排尿や生殖に関わる骨盤臓器からの下腹神経、骨盤神経、陰部神経からの感覚入力を伝えている<ref name=Klop2009><pubmed>19733632</pubmed></ref> (Klop et al., 2009) 。 | ||
===生殖内分泌調節=== | ===生殖内分泌調節=== | ||
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思春期が発来せず、低ゴナドトロピン性性腺機能不全を示すヒト症例がGnRHニューロン膜上のキスペプチン受容体であるGPR54の異常によることが二つのグループにより同時期に報じられ、ノックアウトマウスの作成で確かめられた<ref name=deRoux2003><pubmed>12944565</pubmed></ref><ref name=Seminara2003><pubmed>14573733</pubmed></ref> (de Roux et al., 2003; Seminara et al., 2003)。 | 思春期が発来せず、低ゴナドトロピン性性腺機能不全を示すヒト症例がGnRHニューロン膜上のキスペプチン受容体であるGPR54の異常によることが二つのグループにより同時期に報じられ、ノックアウトマウスの作成で確かめられた<ref name=deRoux2003><pubmed>12944565</pubmed></ref><ref name=Seminara2003><pubmed>14573733</pubmed></ref> (de Roux et al., 2003; Seminara et al., 2003)。 | ||
=== | ===バルデー・ビードル(Bardet-Biedl)症候群=== | ||
性腺機能低下に加え、肥満、知能障害、網膜色素変性症、慢性腎障害、多指症・合指症を6主徴とする常染色体劣性疾患。発症機転に間脳下垂体の関与が示唆されている。多くは小児期に診断される。 | 性腺機能低下に加え、肥満、知能障害、網膜色素変性症、慢性腎障害、多指症・合指症を6主徴とする常染色体劣性疾患。発症機転に間脳下垂体の関与が示唆されている。多くは小児期に診断される。 | ||
== 参考文献 == | == 参考文献 == | ||
<references /> | <references /> |
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