「内側視索前野」の版間の差分

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===歩行===
===歩行===
 発情期の雌ラットは運動量が増す。エストロゲン結晶の局所投与により輪回し行動の増加が見られることから、この効果は内側視索前野を介している<ref name=Takeo1995><pubmed>7792083</pubmed></ref><ref name=Fahrbach1985><pubmed>4095192</pubmed></ref>。歩行の開始とステッピング(リズム取り)は中脳楔状核と脚橋被蓋核吻側に同定されている中脳歩行領域により制御されており <ref name=SHIK1966>SHIK, M. L., SEVERIN, F. V. & ORLOVSKII, G. N. 1966. Control of walking and running by means of electrical stimulation of the midbrain. Biofizyka (English translation), 11, 756-65.</ref>(Shik et al., 1966)、森ら<ref name=MORI1982>MORI, S., MATSUYAMA, K., KOHYAMA, J., KOBAYASHI, Y. & TAKAKUSAKI, K. 1992. Neuronal constituents of postural and locomotor control systems and their interactions in cats. Brain Dev., 14 Suppl., S109-S120.</ref>は視索前野から中脳歩行領域に至る下行性の歩行調節軸の存在を示した。視索前野へのグルタミン酸やピクロトキシンの注入により麻酔下のラットに歩行運動を起こすことができる<ref name=Sinnamon1987><pubmed>2880639</pubmed></ref>。Sinnamonの名付けた「視索前野の歩行領域<ref name=Sinnamon1992><pubmed>1407556</pubmed></ref>」の電気刺激により、麻酔下のラットが微弱な電流で歩行を開始し、電流強度の増加に伴うステッピング頻度の上昇が起こる。一方、内側視索前野最内側の室傍領域へのカルバコール注入など、アセチルコリン受容体の刺激は歩行運動抑制する<ref name=Brudzynski1986><pubmed>3719372</pubmed></ref>。武尾らはラット外側視索前野内側部と内側視索前野のそれぞれから中脳歩行領域への投射を示し、前者がエストロゲンにより興奮性を増すのに対し、後者は抑制されることを見ている<ref name=Takeo1993><pubmed>8511198</pubmed></ref>。  
 発情期の雌ラットは運動量が増す。エストロゲン結晶の局所投与により輪回し行動の増加が見られることから、この効果は内側視索前野を介している<ref name=Takeo1995><pubmed>7792083</pubmed></ref><ref name=Fahrbach1985><pubmed>4095192</pubmed></ref>。歩行の開始とステッピング(リズム取り)は中脳楔状核と脚橋被蓋核吻側に同定されている中脳歩行領域により制御されており <ref name=SHIK1966>SHIK, M. L., SEVERIN, F. V. & ORLOVSKII, G. N. 1966. Control of walking and running by means of electrical stimulation of the midbrain. Biofizyka (English translation), 11, 756-65.</ref>、森ら<ref name=MORI1982>MORI, S., MATSUYAMA, K., KOHYAMA, J., KOBAYASHI, Y. & TAKAKUSAKI, K. 1992. Neuronal constituents of postural and locomotor control systems and their interactions in cats. Brain Dev., 14 Suppl., S109-S120.</ref>は内側視索前野から中脳歩行領域に至る下行性の歩行調節軸の存在を示した。この部位へのグルタミン酸やピクロトキシンの注入により麻酔下のラットに歩行運動を起こすことができる<ref name=Sinnamon1987><pubmed>2880639</pubmed></ref>。Sinnamonの名付けた「視索前野の歩行領域<ref name=Sinnamon1992><pubmed>1407556</pubmed></ref>」の電気刺激により、麻酔下のラットが微弱な電流で歩行を開始し、電流強度の増加に伴うステッピング頻度の上昇が起こる。一方、内側視索前野最内側の室傍領域へのカルバコール注入など、アセチルコリン受容体の刺激は歩行運動抑制する<ref name=Brudzynski1986><pubmed>3719372</pubmed></ref>。武尾らはラット外側視索前野内側部と内側視索前野のそれぞれから中脳歩行領域への投射を示し、前者がエストロゲンにより興奮性を増すのに対し、後者は抑制されることを見ている<ref name=Takeo1993><pubmed>8511198</pubmed></ref>。  


==病態==
==病態==
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