「視蓋」の版間の差分

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832 バイト追加 、 2023年3月14日 (火)
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== 組織学的特徴 ==
== 組織学的特徴 ==
 [[哺乳類]]の[[上丘]]に相当する[[脊椎動物]]の脳部位で、[[中脳]]の背側に位置し、[[視覚]]、[[聴覚]]、[[体性感覚]]、[[前庭感覚]]の入力を受ける('''図1''')。
 [[哺乳類]]の[[上丘]]に相当する[[脊椎動物]]の脳部位で、[[中脳]]の背側に位置し、[[視覚]]、[[聴覚]]、[[体性感覚]]、[[前庭感覚]]の入力を受ける('''図1''')。
 
[[ファイル:Ohshima tectum fig1.jpg|サムネイル|'''図1. ゼブラフィッシュ稚魚の脳の背側からの観察図'''<br>左目の網膜神経節細胞からの投射は視交叉を経て右の視蓋(赤)へ至る。点線位置の断面が図2に示されている。]]
[[ファイル:Ohshima tectum fig2.jpg|サムネイル|'''図2. ゼブラフィッシュ成魚視蓋の層構造'''<br>RGCs:網膜神経節細胞、SM:帯状層、SO:視神経層、SFGS:浅線維層および浅灰白層、SGP:深灰白層、 SFP:深線維層、 PVL (PGZ):脳室周囲層(脳室周囲灰白層)]]
 層構造を有し、表層で[[網膜]]から視覚入力を受け、深層から[[後脳]]へ運動指令を送る。[[硬骨魚類]]の[[キンギョ]]<ref><pubmed>81216</pubmed></ref>と[[ゼブラフィッシュ]]<ref><pubmed> 21823204</pubmed></ref>を例にあげると、表面から深部に向かって以下のように区別される('''図2''')。
 層構造を有し、表層で[[網膜]]から視覚入力を受け、深層から[[後脳]]へ運動指令を送る。[[硬骨魚類]]の[[キンギョ]]<ref><pubmed>81216</pubmed></ref>と[[ゼブラフィッシュ]]<ref><pubmed> 21823204</pubmed></ref>を例にあげると、表面から深部に向かって以下のように区別される('''図2''')。
: '''[[帯状層]]'''(''stratum marginale''):[[縦隆起]](''torus longitudinalis'')からの投射を受ける。
: '''[[帯状層]]'''(''stratum marginale''):[[縦隆起]](''torus longitudinalis'')からの投射を受ける。
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 網膜から視神経を介して位置保存的な規則的投射があり、視蓋には[[網膜部位局在構造]]([[レチノトピー]])すなわち[[視野地図]]が形成されている。網膜鼻側部,側頭側部,背側部,腹側部に由来する視神経線維は各々,反対側視蓋の尾側部,吻側部,腹側部,背側部と連絡する。これにより、網膜上に結ばれた像が各部分の相対的な位置関係を保ったまま視蓋に再現されることになる(図3)。この規則的な軸索投射の形成には[[Eph]]-[[ephrin]]を介したメカニズム<ref><pubmed> 9530499</pubmed></ref>が働いている。
 網膜から視神経を介して位置保存的な規則的投射があり、視蓋には[[網膜部位局在構造]]([[レチノトピー]])すなわち[[視野地図]]が形成されている。網膜鼻側部,側頭側部,背側部,腹側部に由来する視神経線維は各々,反対側視蓋の尾側部,吻側部,腹側部,背側部と連絡する。これにより、網膜上に結ばれた像が各部分の相対的な位置関係を保ったまま視蓋に再現されることになる(図3)。この規則的な軸索投射の形成には[[Eph]]-[[ephrin]]を介したメカニズム<ref><pubmed> 9530499</pubmed></ref>が働いている。
[[ファイル:Ohshima tectum fig3.jpg|サムネイル|'''図3. ゼブラフィッシュ稚魚における網膜視蓋投射の視覚トポグラフィー'''<br>A:前方、B:後方、D:背側、V:腹側
]]


== 機能 ==
== 機能 ==

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