「眼球運動」の版間の差分

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=== 電気的測定法 ===
=== 電気的測定法 ===
 代表的なものは眼電図法(electro-oculogram、EOG)とサーチコイル法である。眼電図法は、眼球の角膜側がプラスに網膜側がマイナスに帯電している(この電位を角膜網膜電位とよばれる)ことを利用して、片方の目尻と鼻の付け根または両端の目尻に電極を貼り付け、2つの電極間の電位差から眼球の回転角度を求める方法である。この方法は取り扱いが容易であり、閉眼時でも計測できるので睡眠中の眼の動きを測定することが可能となる。しかし、他の方法に比べ精度は低く、信号が小さいため電磁ノイズなどの影響をうけやすい。また、回旋方向の眼球運動は測定できない。サーチコイル法は、被験者の周辺に磁場を作り、眼球にコイルを装着させることで眼の動きによってコイルが磁場を横切るときに生じる電位をもとに眼球の動きを測定する方法である。ヒトではコイルを組み込んだコンタクトレンズを装着させ、動物では強膜にコイルを慢性的に装着させるなど実験の準備にやや手間がかかるが、眼球運動の測定法では最も優れた方法である。
 代表的なものは[[眼電図法]]([[electro-oculogram]], [[EOG]])と[[サーチコイル法]]である。
 
====眼電図法====
 眼球の角膜側がプラスに網膜側がマイナスに帯電している(この電位を[[角膜網膜電位]]とよばれる)ことを利用して、片方の目尻と鼻の付け根または両端の目尻に電極を貼り付け、2つの電極間の電位差から眼球の回転角度を求める方法である。この方法は取り扱いが容易であり、閉眼時でも計測できるので睡眠中の眼の動きを測定することが可能となる。しかし、他の方法に比べ精度は低く、信号が小さいため電磁ノイズなどの影響をうけやすい。また、回旋方向の眼球運動は測定できない。
 
==== サーチコイル法 ====
 被験者の周辺に磁場を作り、眼球にコイルを装着させることで眼の動きによってコイルが磁場を横切るときに生じる電位をもとに眼球の動きを測定する方法である。[[ヒト]]ではコイルを組み込んだ[[コンタクトレンズ]]を装着させ、動物では[[強膜]]にコイルを慢性的に装着させるなど実験の準備にやや手間がかかるが、眼球運動の測定法では最も優れた方法である。


=== 光学的測定法 ===
=== 光学的測定法 ===
 代表的なものは強膜反射法と角膜反射法である。強膜反射法は角膜と強膜で光の反射率が異なることを利用する方法で、眼球に円形の赤外光を照射した状態で眼球が動いたときの反射光量(強膜:多い、角膜:少ない)の変化をCCDカメラ等で撮影し、眼球運動を測定する。外部光の影響を受けやすいので、光が入らない状況で測定すると精度良く測定できる。一方、角膜反射法は角膜に赤外光を当てたときの反射像(プルキンエ像)が、眼球の回転中心と角膜の曲率中心の違いにより、眼球運動に伴って平行に移動することをCCDカメラ等で検出し、眼球運動を測定する。この方法では頭部の動きやカメラのずれによって測定誤差が生じるため、角膜反射法と同じ原理で瞳孔の中心も同時に検出することで測定誤差を少なくする瞳孔-角膜反射法もある。
 代表的なものは[[強膜反射法]]と[[角膜反射法]]である。
 
==== 強膜反射法 ====
 [[角膜]]と強膜で光の反射率が異なることを利用する方法で、眼球に円形の[[赤外光]]を照射した状態で眼球が動いたときの反射光量(強膜:多い、角膜:少ない)の変化を[[CCDカメラ]]等で撮影し、眼球運動を測定する。外部光の影響を受けやすいので、光が入らない状況で測定すると精度良く測定できる。
 
==== 角膜反射法 ====
 角膜に赤外光を当てたときの反射像([[プルキンエ像]])が、眼球の回転中心と角膜の曲率中心の違いにより、眼球運動に伴って平行に移動することをCCDカメラ等で検出し、眼球運動を測定する。この方法では頭部の動きやカメラのずれによって測定誤差が生じるため、角膜反射法と同じ原理で[[瞳孔]]の中心も同時に検出することで測定誤差を少なくする]]瞳孔-角膜反射法]]もある。


==関連項目==
==関連項目==