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 主に海馬CA1シナプスを対象とした研究から、LTPは以下の3つの特性を示すことが明らかになっている<ref name=Levy1979><pubmed>487154</pubmed></ref><ref name=McNaughton1978><pubmed>719524</pubmed></ref>(4、5)。
 主に海馬CA1シナプスを対象とした研究から、LTPは以下の3つの特性を示すことが明らかになっている<ref name=Levy1979><pubmed>487154</pubmed></ref><ref name=McNaughton1978><pubmed>719524</pubmed></ref>(4、5)。


# 協同性(cooperativity):LTPが誘導されるためには、ある一定数以上の入力線維が同時に活性化されなければならない。
# 協同性(cooperativity): LTPが誘導されるためには、ある一定数以上の入力線維が同時に活性化されなければならない。
# 入力特異性(input-specificity):同一の細胞に複数の入力がある場合、刺激を受けた線維が形成するシナプスのみでLTPが誘導される。
# 入力特異性(input-specificity): 同一の細胞に複数の入力がある場合、刺激を受けた線維が形成するシナプスのみでLTPが誘導される。
# 連合性(associativity):LTPがおこらない程度の弱い高頻度刺激であっても、同時に別の強い入力が高頻度で加わった場合にはLTPが誘導されうる。
# 連合性(associativity): LTPがおこらない程度の弱い高頻度刺激であっても、同時に別の強い入力が高頻度で加わった場合にはLTPが誘導されうる。


 こうした特性を示すことから、LTPはヘブによって提唱された学習理論<ref name=Hebb1949>'''Hebb, D. O. (1949).'''<br>The Organization of Behavior:  A Neuropsychological Theory. New York, Wiley & Sons</pubmed></ref> (6)、すなわち、「記憶や学習が成立する際のシナプス強度の変化は、シナプス前細胞とシナプス後細胞とが同時に活性化された場合に引き起こされる」に相当する現象であるとみなされ、このようなタイプの可塑性を示すシナプスはヘブ型シナプス(Hebbian synapse)、また誘導されるLTPはヘブ型LTP(Hebbian LTP)と呼ばれている。
 こうした特性を示すことから、LTPはヘブによって提唱された学習理論<ref name=Hebb1949>'''Hebb, D. O. (1949).'''<br>The Organization of Behavior:  A Neuropsychological Theory. New York, Wiley & Sons</pubmed></ref> (6)、すなわち、「記憶や学習が成立する際のシナプス強度の変化は、シナプス前細胞とシナプス後細胞とが同時に活性化された場合に引き起こされる」に相当する現象であるとみなされ、このようなタイプの可塑性を示すシナプスはヘブ型シナプス(Hebbian synapse)、また誘導されるLTPはヘブ型LTP(Hebbian LTP)と呼ばれている。

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