「スフィンゴミエリン」の版間の差分

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== 疾患との関連 ==
== 疾患との関連 ==
=== 神経疾患 ===
=== 神経疾患 ===
==== 脱髄疾患 ====
==== 髄鞘====
 哺乳動物ミエリン膜では、脂質の含量が約70%と非常に高く<ref name=DeVries1981><pubmed>7240954</pubmed></ref><ref name=Gent1964><pubmed>14238160</pubmed></ref><ref name=Norton1965><pubmed>14313516</pubmed></ref><ref name=Norton1973><pubmed>4754856</pubmed></ref><ref name=Svennerholm1992><pubmed>1390872</pubmed></ref>、特徴的な脂質組成を示す。コレステロールと[[ガラクトシルセラミド]]が、髄鞘において、27-28%、20-24%の割合で存在するのに対し<ref name=Garbay2000><pubmed>10727776</pubmed></ref><ref name=Norton1973><pubmed>4754856</pubmed></ref><ref name=Ozgen2016><pubmed>27141942</pubmed></ref>、スフィンゴミエリンは、中枢、末梢神経系のミエリンにおいて、それぞれ6%、13%を占める<ref name=Poitelon2020><pubmed>32230947</pubmed></ref>。SGMS1あるいはSGMS2の[[ノックアウトマウス]]では、ミエリンに障害は観察されないが、酸性スフィンゴミエリナーゼの遺伝・薬理的阻害は、[[cuprizone]]による[[脱髄]]マウスモデルにおいて、有意なミエリンの回復が見られ、スフィンゴミエリンのミエリン鞘における役割が示唆されている<ref name=Chami2017><pubmed>28582448</pubmed></ref>。
 哺乳動物ミエリン膜では、脂質の含量が約70%と非常に高く<ref name=DeVries1981><pubmed>7240954</pubmed></ref><ref name=Gent1964><pubmed>14238160</pubmed></ref><ref name=Norton1965><pubmed>14313516</pubmed></ref><ref name=Norton1973><pubmed>4754856</pubmed></ref><ref name=Svennerholm1992><pubmed>1390872</pubmed></ref>、特徴的な脂質組成を示す。コレステロールと[[ガラクトシルセラミド]]が、髄鞘において、27-28%、20-24%の割合で存在するのに対し<ref name=Garbay2000><pubmed>10727776</pubmed></ref><ref name=Norton1973><pubmed>4754856</pubmed></ref><ref name=Ozgen2016><pubmed>27141942</pubmed></ref>、スフィンゴミエリンは、中枢、末梢神経系のミエリンにおいて、それぞれ6%、13%を占める<ref name=Poitelon2020><pubmed>32230947</pubmed></ref>。SGMS1あるいはSGMS2の[[ノックアウトマウス]]では、ミエリンに障害は観察されないが、酸性スフィンゴミエリナーゼの遺伝・薬理的阻害は、[[cuprizone]]による[[脱髄]]マウスモデルにおいて、有意なミエリンの回復が見られ、スフィンゴミエリンのミエリン鞘における役割が示唆されている<ref name=Chami2017><pubmed>28582448</pubmed></ref>。
==== アルツハイマー病 ====
==== アルツハイマー病 ====
 [[アルツハイマー病]]において、スフィンゴミエリンとコレステロールレベルが、γ―セクレターゼの活性制御を通して、[[アミロイド&beta;前駆体タンパク質]]([[APP]])の[[アミロイド&beta;]]([[A&beta;]])への切断をコントロールすること、また異なる切断産物が代謝酵素の制御を通じて、スフィンゴミエリンとコレステロールレベルを変化させることが報告されている<ref name=Grimm2005><pubmed>16227967</pubmed></ref>。
 [[アルツハイマー病]]において、スフィンゴミエリンとコレステロールレベルが、γ―セクレターゼの活性制御を通して、[[アミロイド&beta;前駆体タンパク質]]([[APP]])の[[アミロイド&beta;]]([[A&beta;]])への切断をコントロールすること、また異なる切断産物が代謝酵素の制御を通じて、スフィンゴミエリンとコレステロールレベルを変化させることが報告されている<ref name=Grimm2005><pubmed>16227967</pubmed></ref>。

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