「スフィンゴミエリン」の版間の差分

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=== その他 ===
=== その他 ===
 aSMaseと酸性セラミダーゼ(aCDase)が、炎症性サイトカインTNF-やIL-1刺激に応じたIL-6やCC-chemokine ligand5 (CCL5)の産生を正に調節する一方で、スフィンゴシンキナーゼ(SphK2)は負に調節していることが示されている<ref name=Jenkins2011><pubmed>21335555</pubmed></ref>。すなわち、スフィンゴシンがCCL5の産生に重要であることが示唆されている。CCL5の過剰産生は、動脈硬化、喘息やがんを含む疾患に関連付けられている<ref name=Jenkins2011><pubmed>21335555</pubmed></ref>。臨床では、血清中のaSMaseレベルにより全身性の炎症進展のリスクがある患者の死亡率を予見しうることが報告されている<ref name=Kott2014><pubmed>25384060</pubmed></ref>。
 aSMaseと[[酸性セラミダーゼ]]([[aCDase]])が、炎症性[[サイトカイン]][[TNF-&alpha;]]や[[IL-1&beta;]]刺激に応じた[[IL-6]]や[[CC-chemokine ligand 5]] ([[CCL5]])の産生を正に調節する一方で、スフィンゴシンキナーゼ(SphK2)は負に調節していることが示されている<ref name=Jenkins2011><pubmed>21335555</pubmed></ref>。すなわち、スフィンゴシンがCCL5の産生に重要であることが示唆されている。CCL5の過剰産生は、[[動脈硬化]]、[[喘息]]や[[がん]]を含む疾患に関連付けられている<ref name=Jenkins2011><pubmed>21335555</pubmed></ref>。臨床では、血清中のaSMaseレベルにより全身性の炎症進展のリスクがある患者の死亡率を予見しうることが報告されている<ref name=Kott2014><pubmed>25384060</pubmed></ref>。


 Sgms2-ノックアウトマウスでは、スフィンゴミエリンレベルが減少するが、インスリン感受性が亢進し、高脂質食誘導の肥満に耐性を示した<ref name=Li2011><pubmed>21844222</pubmed></ref>。Sgms1-ノックアウトマウスでは、インスリン分泌の減少、白色脂肪組織での酸化ストレス誘導が観察され、白色脂肪細胞の破壊と機能不全を生じた<ref name=Yano2013><pubmed>23593476</pubmed></ref>。
 Sgms2-ノックアウトマウスでは、スフィンゴミエリンレベルが減少するが、インスリン感受性が亢進し、高脂質食誘導の肥満に耐性を示した<ref name=Li2011><pubmed>21844222</pubmed></ref>。Sgms1-ノックアウトマウスでは、インスリン分泌の減少、[[白色脂肪組織]]での[[酸化ストレス]]誘導が観察され、白色脂肪細胞の破壊と機能不全を生じた<ref name=Yano2013><pubmed>23593476</pubmed></ref>。


== 特異的標的毒素とその可視化技術への利用 ==
== 特異的標的毒素とその可視化技術への利用 ==

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