「カルモジュリン調節スペクトリン関連タンパク質」の版間の差分

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=== 神経細胞における機能 ===
=== 神経細胞における機能 ===
 神経細胞においては、CAMSAP1、CAMSAP2、CAMSAP3が協働的あるいは相補的に機能していると考えられている。分化段階における軸索および樹状突起への局在や、翻訳後修飾を受けた微小管の認識の違いなど、未解明の点が多く、確立された知見には至っていない<ref name=Yau2014><pubmed>24836505</pubmed></ref><ref name=Pongrakhananon2018><pubmed>30282738</pubmed></ref><ref name=Zhou2020><pubmed>32859741</pubmed></ref>[14, 15, 16]。神経細胞の発達において、CAMSAPファミリータンパク質は軸索の伸長および樹状突起の分枝形成に関与する。軸索の成長は微小管の伸張と極性に依存しており、CAMSAPが微小管のマイナス端に局在することで、成長円錐における微小管の安定化が促進される。
 神経細胞の発達において、CAMSAPファミリータンパク質は軸索の伸長および樹状突起の分枝形成に関与する。軸索の成長は微小管の伸張と極性に依存しており、CAMSAPが微小管のマイナス端に局在することで、成長円錐における微小管の安定化が促進される。このとき、CAMSAP1、CAMSAP2、CAMSAP3が協働的あるいは相補的に機能していると考えられているが、分化段階における軸索および樹状突起への局在や、翻訳後修飾を受けた微小管の認識の違いなど、未解明の点が多く、確立された知見には至っていない<ref name=Yau2014><pubmed>24836505</pubmed></ref><ref name=Pongrakhananon2018><pubmed>30282738</pubmed></ref><ref name=Zhou2020><pubmed>32859741</pubmed></ref>[14, 15, 16]。神経細胞の発達において、CAMSAPファミリータンパク質は軸索の伸長および樹状突起の分枝形成に関与する。軸索の成長は微小管の伸張と極性に依存しており、CAMSAPが微小管のマイナス端に局在することで、成長円錐における微小管の安定化が促進される。


  CAMSAP3のCKKドメインを欠損させた場合、初代培養したマウス海馬ニューロンにおいて複数の軸索が形成されるという異常が観察される[15]<ref name=Pongrakhananon2018><pubmed>30282738</pubmed></ref>が、同様の現象はCAMSAP2では確認されていない。このような神経細胞の極性形成の異常は、CAMSAP1のノックアウトにおいても報告されており、CAMSAP1はMARK2キナーゼによるリン酸化を介して制御されていることが示されている[16]<ref name=Zhou2020><pubmed>32859741</pubmed></ref>。
  CAMSAP3のCKKドメインを欠損させた場合、初代培養したマウス海馬ニューロンにおいて複数の軸索が形成されるという異常が観察される[15]<ref name=Pongrakhananon2018><pubmed>30282738</pubmed></ref>が、同様の現象はCAMSAP2では確認されていない。このような神経細胞の極性形成の異常は、CAMSAP1のノックアウトにおいても報告されており、CAMSAP1はMARK2キナーゼによるリン酸化を介して制御されていることが示されている[16]<ref name=Zhou2020><pubmed>32859741</pubmed></ref>。

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