「受容野」の版間の差分

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 感覚受容器に始まり大脳皮質の高次連合野へと至る感覚処理経路では、前段階の出力が収斂と分散を繰り返しながら次段階へと送られていく。このため一般に経路の初期段階では、狭く単純な構造の受容野がみられるのにたいし、高次の段階になると広く複雑な構造の受容野がみられる。とくに、初期段階では、受容野内部に複数の刺激が呈示されても、その信号は単純に線形加算されるだけの場合が多い。このような特性をもつ受容野は線形受容野と呼ばれ、その構造は単純な空間フィルターとして表すことができる。一方、高次の段階では、受容野内部での信号の加算の仕方は非線形なものとなり、その受容野構造を線形受容野のような単純な関数で表することは困難になる。このような構造は、複数の空間フィルターや整流機構などを縦列、並列に組み合わせた複雑な回路様の機構として記述される。
 感覚受容器に始まり大脳皮質の高次連合野へと至る感覚処理経路では、前段階の出力が収斂と分散を繰り返しながら次段階へと送られていく。このため一般に経路の初期段階では、狭く単純な構造の受容野がみられるのにたいし、高次の段階になると広く複雑な構造の受容野がみられる。とくに、初期段階では、受容野内部に複数の刺激が呈示されても、その信号は単純に線形加算されるだけの場合が多い。このような特性をもつ受容野は線形受容野と呼ばれ、その構造は単純な空間フィルターとして表すことができる。一方、高次の段階では、受容野内部での信号の加算の仕方は非線形なものとなり、その受容野構造を線形受容野のような単純な関数で表することは困難になる。このような構造は、複数の空間フィルターや整流機構などを縦列、並列に組み合わせた複雑な回路様の機構として記述される。


上記の網膜神経節細胞の受容野構造は一様な光よりも明暗のコントラストを照射したときに強い興奮を細胞に引き起こすので、このような細胞は明暗コントラストの伝達に適していると解釈できる。このように受容野構造を明らかにすることは、感覚経路の各段階の細胞がどのような刺激情報を伝達しうるのかを知るための強い手がかりを与える。
 上記の網膜神経節細胞の受容野構造は一様な光よりも明暗のコントラストを照射したときに強い興奮を細胞に引き起こすので、このような細胞は明暗コントラストの伝達に適していると解釈できる。このように受容野構造を明らかにすることは、感覚経路の各段階の細胞がどのような刺激情報を伝達しうるのかを知るための強い手がかりを与える。


==視覚系の受容野==
==視覚系の受容野==
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