「MAGUKS with Inverted domain structureファミリー」の版間の差分

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 MAGI1/BAP1は、1997年にK-Rasを細胞膜にリクルートする分子として、さらに1998年にADGRB1 (Adhesion G Protein-Coupled Receptor B1)/BAI1(Brain specific angiogenesis inhibitor 1)の細胞内領域と結合する分子として相次いで報告された<ref name=Dobrosotskaya1997><pubmed>9395497</pubmed></ref> [1] <ref name=Shiratsuchi1998><pubmed>9647739</pubmed></ref> [2]。またMAGI2/S-SCAM(synaptic scaffolding molecule)はPostsynaptic density (PSD)においてDLGAP1(Discs Large Associated Protein 1)/SAPAPと結合する分子として<ref name=Hirao1998><pubmed>9694864</pubmed></ref> [3]、MAGI3はPTENのPTB domain binding siteに結合する分子として<ref name=Wu2000><pubmed>10748157</pubmed></ref> [4]それぞれ同定された。これら3つの遺伝子は、細胞膜の裏打ちタンパク質として機能する上位のMAGUK (Membrane-Associated Guanylate Kinases)ファミリーに属するが、後述するように特徴的なドメイン構造を持つことから、MAGIサブファミリーとしてまとめられている。
 MAGI1/BAP1は、1997年にK-Rasを細胞膜にリクルートする分子として、さらに1998年にADGRB1 (Adhesion G Protein-Coupled Receptor B1)/BAI1(Brain specific angiogenesis inhibitor 1)の細胞内領域と結合する分子として相次いで報告された<ref name=Dobrosotskaya1997><pubmed>9395497</pubmed></ref> [1] <ref name=Shiratsuchi1998><pubmed>9647739</pubmed></ref> [2]。またMAGI2/S-SCAM(synaptic scaffolding molecule)はPostsynaptic density (PSD)においてDLGAP1(Discs Large Associated Protein 1)/SAPAPと結合する分子として<ref name=Hirao1998><pubmed>9694864</pubmed></ref> [3]、MAGI3はPTENのPTB domain binding siteに結合する分子として<ref name=Wu2000><pubmed>10748157</pubmed></ref> [4]それぞれ同定された。これら3つの遺伝子は、細胞膜の裏打ちタンパク質として機能する上位のMAGUK (Membrane-Associated Guanylate Kinases)ファミリーに属するが、後述するように特徴的なドメイン構造を持つことから、MAGIサブファミリーとしてまとめられている。


[[ファイル:Tabata MAGI Fig1.png|サムネイル|'''図1. MAGI1のドメイン構造'''<br>N末端側から1個のPDZドメイン、GuKドメイン、2つのWWドメイン、5つのPDZドメインが連なる。]]
== 構造 ==
== 構造 ==
 MAGIファミリー分子はN末端側から1個のPDZドメイン、GuKドメイン、2個のWWドメイン、5個のPDZドメインが連なる細胞内足場タンパク質で(図1)、細胞接着やシグナル伝達の場で様々な分子と相互作用する。MAGIファミリーは、それが属するより上位のMAGUKファミリーの他の分子と比較して、以下の2つの特徴がある。(1)MAGUKファミリー分子は一般的にN末端側にタンデムに並ぶPDZドメイン、C末端側にGuKドメインが配置するが、MAGIではこれが逆転している。(2)他のMUGUKファミリーにはGuKドメインとPDZドメインの間に1個のSH2ドメインがあるが、MAGIにはそれが無く、代わりにWWドメインが存在する(図1)。PDZドメインとWWドメインは他のタンパク質との結合部位となっている。GuKドメインは酵母のグアニル酸キナーゼとの相同性から名付けられたが、MAGUKファミリーの同ドメインには酵素活性は無く、やはり他のタンパク質との結合部位となっている<ref name=Zhu2011><pubmed>22117215</pubmed></ref> [5]。
 MAGIファミリー分子はN末端側から1個のPDZドメイン、GuKドメイン、2個のWWドメイン、5個のPDZドメインが連なる細胞内足場タンパク質で、細胞接着やシグナル伝達の場で様々な分子と相互作用する。MAGIファミリーは、それが属するより上位のMAGUKファミリーの他の分子と比較して、以下の2つの特徴がある('''図1''')。
#MAGUKファミリー分子は一般的にN末端側にタンデムに並ぶPDZドメイン、C末端側にGuKドメインが配置するが、MAGIではこれが逆転している。
#他のMUGUKファミリーにはGuKドメインとPDZドメインの間に1個のSH2ドメインがあるが、MAGIにはそれが無く、代わりにWWドメインが存在する。
 
 PDZドメインとWWドメインは他のタンパク質との結合部位となっている。GuKドメインは酵母のグアニル酸キナーゼとの相同性から名付けられたが、MAGUKファミリーの同ドメインには酵素活性は無く、やはり他のタンパク質との結合部位となっている<ref name=Zhu2011><pubmed>22117215</pubmed></ref> [5]。


== サブファミリー ==
== サブファミリー ==

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