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 engrailed遺伝子
・研究の歴史
・要約
 Engrailed(En)遺伝子は、動物界で広く見られるホメオドメインタンパク質Enをコードする。Enは、転写因子としての機能を持つほか、古典的なシグナルペプチドを持たないにも拘わらずその一部は細胞外に分泌され、更に細胞外から他の細胞内へ移行できるという細胞間シグナル分子としての性質も有する。加えて、eIF4Eに結合し翻訳を促進するという翻訳調節因子としての側面も持つ。脊椎動物は、Engrailed-1(En1)およびEngrailed-2(En2)の2つのパラログを有しており、これらは中脳—後脳境界の形成、小脳および中脳の発生、神経回路の構築、神経細胞の分化や生存維持において重要な役割を果たす。EN2は自閉スペクトラム症(ASD)との関連が示されている一方、En1ヘテロ接合性マウスはパーキンソン病に特徴的なドーパミンニューロン減少と運動制御異常を示す。


・研究の歴史
 1920年代後半の研究により、ショウジョウバエの最初のengrailed(en)変異体が樹立された<ref name=Eker1929>NoPMID</ref>[1]。その後の研究により、enは翅原基の後部コンパートメント形成や<ref name=Morata1975><pubmed>1134551</pubmed></ref>[2]、セグメントポラリティー遺伝子の一つとして胚の体節化<ref name=NussleinVolhard1980><pubmed>6776413</pubmed></ref>[3]に関与することなどが明らかになった。1985年には、ショウジョウバエのen遺伝子のcDNA配列が決定され、それがホメオボックス遺伝子であることが判明した<ref name=Fjose1985><pubmed>2481829</pubmed></ref>[4]<ref name=Poole1985><pubmed>3917855</pubmed></ref>[5]。更に、脊椎動物を含む他の動物分類群においてen相同遺伝子の単離と解析が進んだ<ref name=Joyner1985><pubmed>2416459</pubmed></ref>[6]<ref name=Holland1990><pubmed>1980115</pubmed></ref>[7]<ref name=Holland1997><pubmed>9165120</pubmed></ref>[8]<ref name=Imai2002><pubmed>14516697</pubmed></ref>[9]
 1920年代後半の研究により、ショウジョウバエの最初のengrailed(en)変異体が樹立された<ref name=Eker1929><pubmed>NoPMID</pubmed></ref>。その後の研究により、enは翅原基の後部コンパートメント形成や<ref name=Morata1975><pubmed>1134551</pubmed></ref>、セグメントポラリティー遺伝子の一つとして胚の体節化<ref name=NussleinVolhard1980><pubmed>6776413</pubmed></ref>に関与することなどが明らかになった。1985年には、ショウジョウバエのen遺伝子のcDNA配列が決定され、それがホメオボックス遺伝子であることが判明した<ref name=Fjose1985><pubmed>2481829</pubmed></ref><ref name=Poole1985><pubmed>3917855</pubmed></ref>。更に、脊椎動物を含む他の動物分類群においてen相同遺伝子の単離と解析が進んだ<ref name=Joyner1985><pubmed>2416459</pubmed></ref><ref name=Holland1990><pubmed>1980115</pubmed></ref><ref name=Holland1997><pubmed>9165120</pubmed></ref><ref name=Imai2002><pubmed>14516697</pubmed></ref>。


・サブファミリー
・サブファミリー
 多くの無脊椎動物は単一のenを有する一方、ショウジョウバエには、enと隣接してそのパラログ遺伝子であるinvected(inv)が存在する。invを欠く個体は生存可能であり、表現型にも顕著な異常は見られないが、enとinvの二重変異体ではen単独変異の表現型が増強されることから、両者は機能的に冗長であると考えられる<ref name=Gustavson1996><pubmed>8849895</pubmed></ref>。
 
 多くの脊椎動物は2つのen相同遺伝子En1およびEn2を有する<ref name=Holland1990><pubmed>1980115</pubmed></ref>。ゼブラフィッシュでは、それぞれの遺伝子がさらに重複し、En1およびEn2が各2コピーずつ存在する<ref name=Force1999><pubmed>10101175</pubmed></ref>。
 多くの無脊椎動物は単一のenを有する一方、ショウジョウバエには、enと隣接してそのパラログ遺伝子であるinvected(inv)が存在する<ref name=Gustavson1996><pubmed>8849895</pubmed></ref>[10]。invを欠く個体は生存可能であり、表現型にも顕著な異常は見られないが、enとinvの二重変異体ではen単独変異の表現型が増強されることから、両者は機能的に冗長であると考えられる<ref name=Gustavson1996><pubmed>8849895</pubmed></ref>[10]
 En1遺伝子座にEn2をノックインしたマウスの解析によると、En1とEn2は機能的に冗長である<ref name=Hanks1995><pubmed>7624797</pubmed></ref>。一方、En1遺伝子座にショウジョウバエのenをノックインしたマウスでは、四肢の表現型のみが見られる<ref name=Hanks1998><pubmed>9778510</pubmed></ref>。このノックインマウスからさらに内在性En2を除去すると中脳と小脳の発生に異常が生ずる<ref name=Sgaier2007><pubmed>17537797</pubmed></ref>。これは、En2のみを欠くマウスが小脳に小さな欠損を呈するものの生存可能かつ生殖可能であるのと対照的である<ref name=Joyner1991><pubmed>1672471</pubmed></ref>。
 
 多くの脊椎動物は2つのen相同遺伝子En1およびEn2を有する<ref name=Holland1990><pubmed>1980115</pubmed></ref>[7]。ゼブラフィッシュでは、それぞれの遺伝子がさらに重複し、En1およびEn2が各2コピーずつ存在する<ref name=Force1999><pubmed>10101175</pubmed></ref>[11]
 
 En1遺伝子座にEn2をノックインしたマウスの解析によると、En1とEn2は機能的に冗長である<ref name=Hanks1995><pubmed>7624797</pubmed></ref>[12]。一方、En1遺伝子座にショウジョウバエのenをノックインしたマウスでは、四肢の表現型のみが見られる<ref name=Hanks1998><pubmed>9778510</pubmed></ref>[13]。このノックインマウスからさらに内在性En2を除去すると中脳と小脳の発生に異常が生ずる<ref name=Sgaier2007><pubmed>17537797</pubmed></ref>[14]。これは、En2のみを欠くマウスが小脳に小さな欠損を呈するものの生存可能かつ生殖可能であるのと対照的である<ref name=Joyner1991><pubmed>1672471</pubmed></ref>[15]


・遺伝子およびmRNAの構造
・遺伝子およびmRNAの構造
代表的な脊椎動物種のEn1およびEn2の多くは、2つのエキソンと1つのイントロンから成る<ref name=Logan1992><pubmed>1363401</pubmed></ref>。
 代表的な脊椎動物種のEn1およびEn2の多くは、2つのエキソンと1つのイントロンから成る<ref name=Logan1992><pubmed>1363401</pubmed></ref>[16]
 En1 mRNAの3'UTRには細胞質ポリアデニル化配列(CPE)が存在することから、その樹状突起への局在はCPE結合タンパク質により調節される可能性がある<ref name=DiNardo2007><pubmed>17399993</pubmed></ref>。in vitroにおけるEn1 mRNAの翻訳は、ポリアデニル化に依存して脱分極により増加し、この翻訳はラパマイシンにより阻害される。またEn2はmiR-212の標的である<ref name=Zhou2017><pubmed>28713997</pubmed></ref>。
 En1 mRNAの3'UTRには細胞質ポリアデニル化配列(CPE)が存在することから、その樹状突起への局在はCPE結合タンパク質により調節される可能性がある<ref name=DiNardo2007><pubmed>17399993</pubmed></ref>[17]。in vitroにおけるEn1 mRNAの翻訳は、ポリアデニル化に依存して脱分極により増加し、この翻訳はラパマイシンにより阻害される。またEn2はmiR-212の標的である<ref name=Zhou2017><pubmed>28713997</pubmed></ref>[18]


・タンパク質の構造 (図1)
・タンパク質の構造 (図1)
 Logan et al. (1992)<ref name=Logan1992><pubmed>1363401</pubmed></ref>は、ショウジョウバエのEngrailed(En)、マウス、ヒト、ニワトリのEn1, En2およびアフリカツメガエルのEn2のアミノ酸配列を比較することにより、Enタンパク質において進化的に保存されている5つの領域を同定し、それぞれをEH1〜EH5と名付けた。CATアッセイによると、このうちEH1とEH5はEngrailedの転写抑制活性に関わる<ref name=Tolkunova1998><pubmed>9566899</pubmed></ref>。
 Logan et al. (1992)<ref name=Logan1992><pubmed>1363401</pubmed></ref>[16]は、ショウジョウバエのEngrailed(En)、マウス、ヒト、ニワトリのEn1, En2およびアフリカツメガエルのEn2のアミノ酸配列を比較することにより、Enタンパク質において進化的に保存されている5つの領域を同定し、それぞれをEH1〜EH5と名付けた。CATアッセイによると、このうちEH1とEH5はEngrailedの転写抑制活性に関わる<ref name=Tolkunova1998><pubmed>9566899</pubmed></ref>[19]
 EH1は、Enを初めとするホメオドメインタンパク質やフォークヘッドタンパク質、Tボックスタンパク質、Znフィンガータンパク質などにおいても見られるアミノ酸モチーフであり<ref name=Smith1996><pubmed>8898227</pubmed></ref>、転写抑制補助因子であるGroucho(Gro)/Tleが結合する<ref name=Tolkunova1998><pubmed>9566899</pubmed></ref><ref name=Dasen2001><pubmed>11731482</pubmed></ref>。in vivoで、EH1のみに変異を入れるだけでEnの転写抑制活性が失われる<ref name=Smith1996><pubmed>8898227</pubmed></ref><ref name=Araki1999><pubmed>10529429</pubmed></ref>。ショウジョウバエのEnには、EH1とEH2の間(アミノ酸201〜205)に昆虫特有のGro結合部位(ehIFRPFモチーフ)が、EH1とは別に存在する<ref name=Hittinger2008><pubmed>18803772</pubmed></ref>。
 
 EH2およびEH3にはTALEホメオドメインタンパク質に属する転写補助因子Extradenticle(Exd)/Pbxが結合する<ref name=Peltenburg1996><pubmed>8698039</pubmed></ref>。特にEH2内の2つのトリプトファンの何れかをリジンに置換するとPbxと結合できなくなる<ref name=Erickson2007><pubmed>16959235</pubmed></ref>。また、この置換によりEnは、細胞外に移行できなくなる<ref name=Rampon2015><pubmed>25926358</pubmed></ref>。他のホメオドメインタンパク質と同様、EnはExd/Pbxの他、Homothorax(Hth)/Meisとヘテロ三量体を形成する。結合部位の詳細は不明であるが、Hth/MeisはEnに直接結合するとされる<ref name=Kobayashi2003><pubmed>12506004</pubmed></ref>。EH2のC末端の2つのアミノ酸とEH3全体は核移行シグナル(NLS)であると推定されている<ref name=Tolkunova1998><pubmed>9566899</pubmed></ref><ref name=Cardon2023><pubmed>37032404</pubmed></ref>。また、EH2中のシステイン残基は、酸化還元調節に応じたEn2の細胞間シグナル伝達の調節に関与する<ref name=Amblard2020><pubmed>32994473</pubmed></ref>。
 EH1は、Enを初めとするホメオドメインタンパク質やフォークヘッドタンパク質、Tボックスタンパク質、Znフィンガータンパク質などにおいても見られるアミノ酸モチーフであり<ref name=Smith1996><pubmed>8898227</pubmed></ref>[20]、転写抑制補助因子であるGroucho(Gro)/Tleが結合する<ref name=Tolkunova1998><pubmed>9566899</pubmed></ref>[19]<ref name=Dasen2001><pubmed>11731482</pubmed></ref>[21]。in vivoで、EH1のみに変異を入れるだけでEnの転写抑制活性が失われる<ref name=Smith1996><pubmed>8898227</pubmed></ref>[20]<ref name=Araki1999><pubmed>10529429</pubmed></ref>[22]。ショウジョウバエのEnには、EH1とEH2の間(アミノ酸201〜205)に昆虫特有のGro結合部位(ehIFRPFモチーフ)が、EH1とは別に存在する<ref name=Hittinger2008><pubmed>18803772</pubmed></ref>[23]
 EH4はホメオドメインであり、DNAへの結合に関わる<ref name=Kissinger1990><pubmed>1977522</pubmed></ref>。ホメオドメインを構成する3本のαヘリックスのうち第3ヘリックスと、ホメオドメインのN末端のヘリックスを構成しない数アミノ酸がDNAに結合する<ref name=Kissinger1990><pubmed>1977522</pubmed></ref>。SAAB法によるとEngrailed単独で最も高い親和性を示すDNA配列はTAATTAである<ref name=Ades1994><pubmed>8049221</pubmed></ref>。また、Exdとのヘテロ二量体化により、EnのDNA結合特異性が変化する<ref name=vanDijk1994><pubmed>7915200</pubmed></ref>。ショウジョウバエ胚におけるChIP解析によるとEnのコンセンサス結合配列はYAATYANBである<ref name=Solano2003><pubmed>12588842</pubmed></ref>。Enの結合親和性は、認識部位に隣接する、認識配列に類似した繰り返し配列を伴うDNA領域により増強される<ref name=Castellanos2020><pubmed>31992709</pubmed></ref>。
 
 EH3の大部分とホメオドメインのN末端の一部を含む領域は、細胞表面のグリコサミノグリカン(GAG)との相互作用を通じて、Enの細胞外から細胞内への移行を制御する<ref name=Cardon2023><pubmed>37032404</pubmed></ref>。ホメオドメインのC末端側には、核外への移行シグナル配列(NES)/細胞外への分泌シグナルと、細胞外から細胞内への移行シグナル(膜透過ペプチド配列penetratin)が存在する<ref name=Joliot1998><pubmed>9705930</pubmed></ref><ref name=Maizel1999><pubmed>10375508</pubmed></ref><ref name=Dupont2007><pubmed>17242404</pubmed></ref>。細胞外から細胞内への移行はエンドサイトーシスと、エンドサイトーシスを介さない直接的移行の2つの様式により起こる<ref name=Dupont2007><pubmed>17242404</pubmed></ref><ref name=Jiao2009><pubmed>19833724</pubmed></ref>。Enの細胞内外への出入りには、ホスファチジルイノシトール4,5-ビスリン酸(PIP2)とコレステロールが必要である<ref name=Amblard2020b><pubmed>32434869</pubmed></ref>。EnのEH2ドメインのN末端側には高セリン領域が存在する。CK2によるこの領域のリン酸化は、EnホメオドメインのDNAへの結合を増強する一方<ref name=Bourbon1995><pubmed>7744743</pubmed></ref>、Enの細胞外分泌を阻害する<ref name=Maizel2002><pubmed>12117805</pubmed></ref>。
 EH2およびEH3にはTALEホメオドメインタンパク質に属する転写補助因子Extradenticle(Exd)/Pbxが結合する<ref name=Peltenburg1996><pubmed>8698039</pubmed></ref>[24] 。特にEH2内の2 つのトリプトファンの何れかをリジンに置換するとPbxと結合できなくなる<ref name=Erickson2007><pubmed>16959235</pubmed></ref>[25]。また、この置換によりEnは、細胞外に移行できなくなる<ref name=Rampon2015><pubmed>25926358</pubmed></ref>[26]。他のホメオドメインタンパク質と同様、EnはExd/Pbxの他、Homothorax(Hth)/Meisとヘテロ三量体を形成する。結合部位の詳細は不明であるが、Hth/ MeisはEnに直接結合するとされる<ref name=Kobayashi2003><pubmed>12506004</pubmed></ref>[27]。EH2のC末端の2つのアミノ酸とEH3全体は核移行シグナル(NLS)であると推定されている<ref name=Tolkunova1998><pubmed>9566899</pubmed></ref>[19]<ref name=Cardon2023><pubmed>37032404</pubmed></ref>[28]。また、EH2中のシステイン残基は、酸化還元調節に応じたEn2の細胞間シグナル伝達の調節に関与する<ref name=Amblard2020><pubmed>32994473</pubmed></ref>[29]
 
 EH4はホメオドメインであり、DNAへの結合に関わる<ref name=Kissinger1990><pubmed>1977522</pubmed></ref>[30]。ホメオドメインを構成する3本のαヘリックスのうち第3ヘリックスと、ホメオドメインのN末端のヘリックスを構成しない数アミノ酸がDNAに結合する<ref name=Kissinger1990><pubmed>1977522</pubmed></ref>[30]。SAAB法によるとEngrailed単独で最も高い親和性を示すDNA配列はTAATTAである<ref name=Ades1994><pubmed>8049221</pubmed></ref>[31]。また、Exdとのヘテロ二量体化により、EnのDNA結合特異性が変化する<ref name=vanDijk1994><pubmed>7915200</pubmed></ref>[32]。ショウジョウバエ胚におけるChIP解析によるとEnのコンセンサス結合配列はYAATYANBである<ref name=Solano2003><pubmed>12588842</pubmed></ref>[33]。Enの結合親和性は、認識部位に隣接する、認識配列に類似した繰り返し配列を伴うDNA領域により増強される<ref name=Castellanos2020><pubmed>31992709</pubmed></ref>[34]
 
 EH3の大部分とホメオドメインのN末端の一部を含む領域は、細胞表面のグリコサミノグリカン(GAG)との相互作用を通じて、Enの細胞外から細胞内への移行を制御する<ref name=Cardon2023><pubmed>37032404</pubmed></ref>[28]。ホメオドメインのC末端側には、核外への移行シグナル配列(NES)/細胞外への分泌シグナルと、細胞外から細胞内への移行シグナル(膜透過ペプチド配列penetratin)が存在する<ref name=Joliot1998><pubmed>9705930</pubmed></ref>[35]<ref name=Maizel1999><pubmed>10375508</pubmed></ref>[36]<ref name=Dupont2007><pubmed>17242404</pubmed></ref>[37]。細胞外から細胞内への移行はエンドサイトーシスと、エンドサイトーシスを介さない直接的移行の2つの様式により起こる<ref name=Dupont2007><pubmed>17242404</pubmed></ref>[37]<ref name=Jiao2009><pubmed>19833724</pubmed></ref>[38]。Enの細胞内外への出入りには、ホスファチジルイノシトール4,5-ビスリン酸(PIP2)とコレステロールが必要である<ref name=Amblard2020b><pubmed>32434869</pubmed></ref>[39]。EnのEH2ドメインのN末端側には高セリン領域が存在する。CK2によるこの領域のリン酸化は、EnホメオドメインのDNAへの結合を増強する一方<ref name=Bourbon1995><pubmed>7744743</pubmed></ref>[40]、Enの細胞外分泌を阻害する<ref name=Maizel2002><pubmed>12117805</pubmed></ref>[41]。また、Enは他のいくつかのホメオドメインタンパク質(Bicoid, Emx2, HoxA9, Prhなど)と同様に、真核生物翻訳開始因子4E (eIF4E)と結合するが<ref name=Nedelec2004><pubmed>15247416</pubmed></ref>[42]、それらのホメオドメインタンパク質とは異なり<ref name=Topisirovic2005>NoPMID</ref>[43]、EH1ドメインがeIF4E結合部位を兼ねることが推定されている(<ref name=Rhoads2009><pubmed>19237539</pubmed></ref>[44]、Alain Prochiantz、私信)。これとは別に、マウスのEn1のホメオドメインN末端に位置するリジンに点突然変異K313Eを導入すると、eIF4Eに結合しなくなる<ref name=Stettler2012><pubmed>22147955</pubmed></ref>[45]。Foxa2との相互作用には高セリン領域からホメオドメインにかけての領域が関与する<ref name=Foucher2003><pubmed>12642491</pubmed></ref>[46]

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