「知的障害」の版間の差分
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英:intellectual disability 独:Geistige Behinderung 仏:Retard mental | 英:intellectual disability 独:Geistige Behinderung 仏:Retard mental | ||
同義語:精神遅滞(mental retardation) | 同義語:精神遅滞(mental retardation) | ||
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==定義== | ==定義== | ||
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知的機能は、知能検査によって測定されるが、全体的な能力の評価に基づいて行うべきである。IQ(intelligence quotient:知能指数)は、標準化され、地域の文化的基準が組み込まれ、個別的に施行される知能テストで決めるべきである。また、IQは、およそ5程度の誤差を認めるため、70であれば、65-75くらいと認識しておくとよい。 | 知的機能は、知能検査によって測定されるが、全体的な能力の評価に基づいて行うべきである。IQ(intelligence quotient:知能指数)は、標準化され、地域の文化的基準が組み込まれ、個別的に施行される知能テストで決めるべきである。また、IQは、およそ5程度の誤差を認めるため、70であれば、65-75くらいと認識しておくとよい。 | ||
なお、「[[学習障害]] | なお、「[[学習障害]]」という用語もあるが、知的障害は上述のように全体的であるが、学習障害は[[wikipedia:JA:書字|書字]]・[[wikipedia:JA:読字|読字]]・[[wikipedia:JA:計算|計算]]などの学習に焦点があるという点で区別される。 | ||
適応機能は、[[バインランド適応行動尺度]]のような標準化された尺度を用いることで測定できる。知的障害の最も著名な支援組織である[[wikipedia:American Association on Intellectual and Developmental Disabilities|American Association on Intellectual and Developmental Disabilities]] | 適応機能は、[[バインランド適応行動尺度]]のような標準化された尺度を用いることで測定できる。知的障害の最も著名な支援組織である[[wikipedia:American Association on Intellectual and Developmental Disabilities|American Association on Intellectual and Developmental Disabilities]](AAIDD)では、適応機能を知的機能と別に考え、遂行機能に必要な「サポート」の程度を定義づけようとしている<ref name=ref5>American Association on Intellectual and Developmental Disabilities: Mental Retardation: Definition, Classification, and Systems ff Supports.<br>Washington, DC: 2002. </ref>。また、IQ75までを軽度知的障害とし、より多くの人が援助を受けられるようにしている。「サポート」の量を定めるには困難さが伴うが、その視点には実生活に役立ちやすい利点がある。 | ||
==重症度== | ==重症度== | ||
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=== 重度知的障害=== | === 重度知的障害=== | ||
知的障害のおよそ4%を占め、3-6歳の知能に発達し、簡単な会話が可能となる。訓練により、自分の身の周りのことができる。成人期には、決まった行動や、簡単な繰り返しが可能であり、常に監督や保護が必要である。ほぼ、[[wikipedia:JA: | 知的障害のおよそ4%を占め、3-6歳の知能に発達し、簡単な会話が可能となる。訓練により、自分の身の周りのことができる。成人期には、決まった行動や、簡単な繰り返しが可能であり、常に監督や保護が必要である。ほぼ、[[wikipedia:JA:器質的病因|器質的病因]]がある。 | ||
=== 最重度知的障害=== | === 最重度知的障害=== | ||
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==経過== | ==経過== | ||
まず、フェニルケトン尿症、[[ | まず、フェニルケトン尿症、[[メープルシロップ尿症]]などの先天代謝異常は、[[wikipedia:JA:新生児スクリーニング|新生児スクリーニング]]が行われている。他の知的障害は、合併症があったり重症であったりするほど早く気づかれる。遅れを認めた場合、周囲が意識して関わるようにし、療育センターなどを利用しながら、程度に応じて集団生活への移行を検討する。就学時には、教育委員会などによる就学相談により、普通学級、[[wikipedia:JA:特別支援|特別支援]]学級、[[wikipedia:JA:特別支援学校|特別支援学校]]のうち適切な場所を検討する。知的レベルの検査、本人の他の状況、保護者の希望、学校の体制などにより、総合的に判断するが、その選択は簡単ではなく、就学後もより適切な教育を受けられるよう、またより快適に過ごせるよう、検討を重ねていくことが多い。 | ||
また、生涯にわたり、知的障害者の多くが、心理的社会的な支援を必要としている。幼少期より周囲への適応が困難で、遅れをとることから、失敗や落胆を繰り返し、自尊心の低下をみとめ、更に適応が困難となったり、種々の精神症状や不適切な行動がみられたりする。これらの2次的な問題を予防するために、それぞれに見合った環境の提供や、QOLの改善を図るような注意や工夫が必要である。 | |||
== 関連項目 == | == 関連項目 == | ||
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* [[学習障害]] | * [[学習障害]] | ||
* [[発達障害]] | * [[発達障害]] | ||
== 参考文献 == | == 参考文献 == | ||
<references /> | <references /> | ||
(執筆者:船曳康子 担当編集委員:加藤忠史) | |||