76
回編集
細編集の要約なし |
細編集の要約なし |
||
19行目: | 19行目: | ||
モノアミンの合成と小胞輸送は従来、それぞれ独立した過程と考えられていたが、小胞内へのモノアミン輸送の効率化のため、VMATが他のタンパク質と複合体を形成するというモデルがある。例えば、シナプス小胞膜上のVMAT2は、ドーパミン合成酵素であるチロシンヒドロキシラーゼや芳香族アミノ酸脱炭酸酵素、シャペロンタンパク質であるHsc70と複合体を形成しており、合成されたドーパミンを素早く効率的に小胞内に取り込むというモデルが提示されている<ref><pubmed>21797260</pubmed></ref>。 | |||
== | ==依存性薬物とVMAT== | ||
覚せい剤であるコカイン、メチルフェニデート、メタンフェタミンは、モノアミントランスポーターを標的分子としている。コカインやメチルフェニデートが細胞膜モノアミントランスポーターの阻害により薬理効果を生じる一方、メタンフェタミンはシナプス小胞膜上のVMAT2にも作用する。 | |||
ドーパミン神経において、メタンフェタミンは、直接VMAT2に作用してシナプス小胞内への取り込みを阻害するだけでなく、貯蔵されているドーパミンを細胞質へ放出させることにより、小胞内のドーパミン量を減少させる。これは、メタンフェタミンが小胞膜を透過して小胞内に拡散しpHの勾配を減少させることで、モノアミン貯蔵に必要なエネルギーが失われるためである<ref><pubmed>17233532</pubmed></ref>。 | |||
==関連項目== | ==関連項目== |
回編集