「電流源密度推定法」の版間の差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
編集の要約なし
編集の要約なし
編集の要約なし
1行目: 1行目:
電流源密度推定法(current source density estimaiton, CSD estimation, CSD
電流源密度推定法(current source density estimaiton, CSD estimation, CSD analysis, CSD method)
analysis, CSD method)




27行目: 26行目:


式(1)が式(2)の解となっていることは、直接代入により容易に確認できる。
式(1)が式(2)の解となっていることは、直接代入により容易に確認できる。
式(2)が意味するのは、式(1)に従って発生した電位の空間分布が与えられれば、
式(2)が意味するのは、式(1)に従って発生した電位の空間分布が与えられれば、その原因である電流源の密度分布は、与えられた電位の空間分布に微分操作を施すことで得られるということである。
その原因である電流源の密度分布は、与えられた電位の空間分布に微分操作を施すことで得られるということである。
この原理に基づき、実験的に測定された LFP信号の空間分布から、神経活動に由来する電流源の分布を推定するのが電流源密度推定法である。
この原理に基づき、実験的に測定された LFP信号の空間分布から、神経活動に由来する電流源の分布を推定するのが電流源密度推定法である。


39行目: 37行目:


すなわち、膜電流は膜電位の瞬間的な値(抵抗性成分:右辺第1項)と変化率(容量性成分:右辺第2項)によって決まる。
すなわち、膜電流は膜電位の瞬間的な値(抵抗性成分:右辺第1項)と変化率(容量性成分:右辺第2項)によって決まる。
神経細胞においては、シナプス後電位と活動電位が膜電位の主要な構成成分であるが、 それぞれが生起する膜電位変化のサイズ・変化率は異なるため、それらが式(3)
神経細胞においては、シナプス後電位と活動電位が膜電位の主要な構成成分であるが、 それぞれが生起する膜電位変化のサイズ・変化率は異なるため、それらが式(3)に従って誘起する膜電流の大きさは様々である。
従って誘起する膜電流の大きさは様々である。
また、実際にLFP信号として測定されるのは電極近傍に存在する多数の神経細胞からの 総体的な寄与であるため、各成分の時間的・空間的な配置によって、LFP信号に対する寄与の強めあい・打ち消しあいが生じうる。
また、実際にLFP信号として測定されるのは電極近傍に存在する多数の神経細胞からの 総体的な寄与であるため、各成分の時間的・空間的な配置によって、LFP信号に対する寄与の強めあい・打ち消しあいが生じうる。
これらの要因を考慮に入れた Mitzdorf(1985)による推定では、活動電位に由来する膜電流はLFP信号にほとんど反映されず、またシナプス後電位に関しては、興奮性・抑制性のシナプスからの寄与の割合はおよそ5:1であるとされている。
これらの要因を考慮に入れた Mitzdorf(1985)による推定では、活動電位に由来する膜電流はLFP信号にほとんど反映されず、またシナプス後電位に関しては、興奮性・抑制性のシナプスからの寄与の割合はおよそ5:1であるとされている。
33

回編集

案内メニュー