「受容野」の版間の差分

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 細胞の受容野のサイズは高次の領域に向かうにつれて大きくなる。霊長類V1野で中心視野に受容野をもつ細胞の受容野は0.1~1度程度であるが、視覚経路の最終段階に位置するTE野では10度以上にもなる。ただし受容野サイズは偏心度にも依存し、中心視野では小さく、周辺視野ほど大きくなる。例えばV1野の周辺視野の受容野サイズは5度から10度程度である。またV1細胞の受容野位置は対側視野に限られるものが大部分であるが、視覚経路に沿って受容野サイズが大きくなるにつれて、同側視野も含むものが序々に増してくる。TE野では多くの細胞が同側視野を受容野に含む<ref><pubmed> 6470767 </pubmed></ref>。  
 細胞の受容野のサイズは高次の領域に向かうにつれて大きくなる。霊長類V1野で中心視野に受容野をもつ細胞の受容野は0.1~1度程度であるが、視覚経路の最終段階に位置するTE野では10度以上にもなる。ただし受容野サイズは偏心度にも依存し、中心視野では小さく、周辺視野ほど大きくなる。例えばV1野の周辺視野の受容野サイズは5度から10度程度である。またV1細胞の受容野位置は対側視野に限られるものが大部分であるが、視覚経路に沿って受容野サイズが大きくなるにつれて、同側視野も含むものが序々に増してくる。TE野では多くの細胞が同側視野を受容野に含む<ref><pubmed> 6470767 </pubmed></ref>。  


 受容野特性は、階層をあがるにつれて序々に複雑な刺激特徴を適刺激とするものが増してくる。たとえばV2野-&gt;V4野-&gt;TEO野-&gt;TE野と向かう腹側経路では、V2野に折れ線に反応する細胞<ref><pubmed> 15056711 </pubmed></ref> 、V4野にテクスチャー、パターン、曲率や凹凸の情報を伝える細胞<ref><pubmed> 8418487 </pubmed></ref><ref><pubmed> 10561421 </pubmed></ref>TEO野には物体の部分的特徴、TE野に至っては顔などの極めて複雑な特徴の情報を伝える細胞が存在する<ref><pubmed> 6470767 </pubmed></ref><ref><pubmed> 1448150 </pubmed></ref>。さらに、これらの細胞の多くは、受容野内部で刺激の位置、向き、あるいは形の手がかりを変えても特徴選択性を維持する<ref ><pubmed> 8833438 </pubmed> </ref>。  
 高次の段階に向かうにつれて、複雑な刺激特徴を適刺激とするような受容野が増してくる。たとえばV2野-&gt;V4野-&gt;TEO野-&gt;TE野と向かう腹側経路では、V2野に折れ線に反応する細胞<ref><pubmed> 15056711 </pubmed></ref> 、V4野にテクスチャー、パターン、曲率や凹凸の情報を伝える細胞<ref><pubmed> 8418487 </pubmed></ref><ref><pubmed> 10561421 </pubmed></ref>TEO野には物体の部分的特徴、TE野に至っては顔などの極めて複雑な特徴の情報を伝える細胞が存在する<ref><pubmed> 6470767 </pubmed></ref><ref><pubmed> 1448150 </pubmed></ref>。さらに、これらの細胞の多くは、受容野内部で刺激の位置、向き、あるいは形を定義する手がかり(明るさの違いや色の違いなど)を変えても特徴選択性を維持する<ref><pubmed> 8493538 </pubmed></ref><ref><pubmed> 11160508 </pubmed></ref><ref ><pubmed> 8833438 </pubmed> </ref>。  


== 体性感覚系の受容野  ==
== 体性感覚系の受容野  ==
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