「語彙」の版間の差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
サイズ変更なし 、 2012年4月26日 (木)
編集の要約なし
編集の要約なし
編集の要約なし
32行目: 32行目:
 ことばを見聞きしたとき,われわれは苦も無く語彙情報にアクセスして意味を理解する.こうした単語認知研究の初期における重要なモデルとして,Mortonのロゴジェン・モデル(logogen model)がある.このモデルではメンタル・レキシコンの構成ユニットはロゴジェンと呼ばれ,個々の単語に対応する.ロゴジェンは感覚入力(たとえば単語の視覚刺激)に対して応答するが,この応答値がある閾値を超えたときにのみ「対応する単語が認識された」ものとする.さらに,ロゴジェンは単語の使用頻度や文脈の効果を受け,それによって閾値が低下するという特徴を持つ.以上がロゴジェン・モデルの概要である.このモデルは出現頻度効果や文脈効果による語彙アクセスへの影響をある程度定量的に説明することができる.
 ことばを見聞きしたとき,われわれは苦も無く語彙情報にアクセスして意味を理解する.こうした単語認知研究の初期における重要なモデルとして,Mortonのロゴジェン・モデル(logogen model)がある.このモデルではメンタル・レキシコンの構成ユニットはロゴジェンと呼ばれ,個々の単語に対応する.ロゴジェンは感覚入力(たとえば単語の視覚刺激)に対して応答するが,この応答値がある閾値を超えたときにのみ「対応する単語が認識された」ものとする.さらに,ロゴジェンは単語の使用頻度や文脈の効果を受け,それによって閾値が低下するという特徴を持つ.以上がロゴジェン・モデルの概要である.このモデルは出現頻度効果や文脈効果による語彙アクセスへの影響をある程度定量的に説明することができる.


 ロゴジェン・モデルより約10年遅れて,単語の視覚的認知に関する相互作用活性化(interactive activation: IA)モデルが提案された.IAモデルは特徴レベル・文字レベル・単語レベルの3つの階層から成る[[ニューラルネットワーク・モデル]]である.提示された単語の視覚刺激はまず特徴レベルで分析され,それから文字レベル,単語レベルへと進む.ロゴジェン・モデルとは異なり,IAモデルには上述のレベルごとに構成ユニットが存在する.たとえば“A”の文字ユニット,“CAT”の単語ユニットなどがそれぞれの層を構成するのである.IAモデルの構成ユニットはレベル内・レベル間の双方において全てのユニットと相互結合している.
 ロゴジェン・モデルに10年以上遅れて,単語の視覚的認知に関する相互作用活性化(interactive activation: IA)モデルが提案された.IAモデルは特徴レベル・文字レベル・単語レベルの3つの階層から成る[[ニューラルネットワーク・モデル]]である.提示された単語の視覚刺激はまず特徴レベルで分析され,それから文字レベル,単語レベルへと進む.ロゴジェン・モデルとは異なり,IAモデルには上述のレベルごとに構成ユニットが存在する.たとえば“A”の文字ユニット,“CAT”の単語ユニットなどがそれぞれの層を構成するのである.IAモデルの構成ユニットはレベル内・レベル間の双方において全てのユニットと相互結合している.




113

回編集

案内メニュー