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試料の前処理として、摘出した脳組織にすみやかに5〜10倍量の0.2 M[[wikipedia:JA:過塩素酸|過塩素酸]](PCA)(100 μM [[wikipedia:JA:EDTA|EDTA]]・2Na含有)を加え、超音波で30秒間ホモジナイズした。次に、除タンパクを完全にするため氷中で30分間放置した後、4 ℃で10,000 rpm × 15分間遠心し、上清を採取した。上清は20倍に希釈し、15 μlを HPLCサンプルとした。サンプルは、オートサンプラー内にてOPA試薬と反応し、HPLCで分析した。すなわち蛍光誘導化のため反応型のオートサンプラーのサンプルラックを12 ℃に冷却、蛍光誘導化試薬15 μl、サンプル15 μl、100 mM ホウ酸緩衝液(pH 10.0)20 μlを加え30 ℃で2分間インキュベートし、誘導体化されたサンプル35 μlをHPLCにインジェクションした。<br > 分析例として、図2に0.5~20 pmol/μlのスタンダード(C)と脳組織をホモジネートしたサンプル(D)を分析したクロマトグラフを示した。定量限界は、0.5 pmol/μlであった。このクロマト条件においては、脳内のグルタミン酸とGABAの濃度は充分な測定感度範囲に入り、その他の生体アミノ酸([[アスパラギン酸]]、[[wikipedia:JA:セリン|セリン]]、[[wikipedia:JA:アスパラギン|アスパラギン]]、[[wikipedia:JA:アルギニン|アルギニン]]、[[グリシン]]、[[wikipedia:JA:アラニン|アラニン]]、[[wikipedia:JA:タウリン|タウリン]])も同時一斉分析を行うことが可能である。 | 試料の前処理として、摘出した脳組織にすみやかに5〜10倍量の0.2 M[[wikipedia:JA:過塩素酸|過塩素酸]](PCA)(100 μM [[wikipedia:JA:EDTA|EDTA]]・2Na含有)を加え、超音波で30秒間ホモジナイズした。次に、除タンパクを完全にするため氷中で30分間放置した後、4 ℃で10,000 rpm × 15分間遠心し、上清を採取した。上清は20倍に希釈し、15 μlを HPLCサンプルとした。サンプルは、オートサンプラー内にてOPA試薬と反応し、HPLCで分析した。すなわち蛍光誘導化のため反応型のオートサンプラーのサンプルラックを12 ℃に冷却、蛍光誘導化試薬15 μl、サンプル15 μl、100 mM ホウ酸緩衝液(pH 10.0)20 μlを加え30 ℃で2分間インキュベートし、誘導体化されたサンプル35 μlをHPLCにインジェクションした。<br > 分析例として、図2に0.5~20 pmol/μlのスタンダード(C)と脳組織をホモジネートしたサンプル(D)を分析したクロマトグラフを示した。定量限界は、0.5 pmol/μlであった。このクロマト条件においては、脳内のグルタミン酸とGABAの濃度は充分な測定感度範囲に入り、その他の生体アミノ酸([[アスパラギン酸]]、[[wikipedia:JA:セリン|セリン]]、[[wikipedia:JA:アスパラギン|アスパラギン]]、[[wikipedia:JA:アルギニン|アルギニン]]、[[グリシン]]、[[wikipedia:JA:アラニン|アラニン]]、[[wikipedia:JA:タウリン|タウリン]])も同時一斉分析を行うことが可能である。 | ||
[[ファイル:HPLC 図3_横.jpg|thumb|600px|'''図 3. (A) HPLCのフローチャート. (B) 2 pmol/μlのスタンダード. (C) 脳組織ホモジネートのサンプル.'''<br />[分析条件] 装置:ポンプHITACHI L-2130,検出器:EICOM L7480とGL Sciences GL-7453A,カラムオーブン:EICOM CTC-100,デガッサー:EICOM DG-100,オートサンプラー:EICOM,ソフトウェア:PowerChrom EPC-500,トラップカラム:COSMOSIL Guard 5C18-MS-II(4.6ID×10 mm), 分離用カラム:COSMOSIL 5C18-MS-II(4.6ID×150 mm), 流速:1.1 ml/min, カラム温度:36 ℃, 励起波長:340 nm, 蛍光波長:440 nm.]] | |||
====測定例2(スイッチングバルブ法)==== | ====測定例2(スイッチングバルブ法)==== | ||
図3-Aに示したHPLCの構成で、アイソクラティック法を用いて脳組織のホモジネートを分析した。<br />移動相は2種類あり、移動相Aに[[wikipedia:JA:クエン酸|クエン酸]]−リン酸緩衝液 pH 5.8, 12%アセトニトリル、移動相Bにクエン酸−リン酸緩衝液 pH 6.2, 25%アセトニトリルを用い15分間で1分析を行った。スイッチングバルブは、インジェクションから1分30秒で切り替わり、12分後に元の流路に戻るセッティングをした。蛍光誘導化試薬は、OPA試薬5 mgをメタノール200 μlで溶解した後、2メルカプトエタノール5 μl、0.1 M Na<sub>2</sub>CO<sub>3</sub>溶液800 μl加え、調製した。試料の前処理は、測定例(1)と同様に行い、上清を1200倍に希釈して15 μlをHPLCサンプルにした。蛍光誘導化のため、オートサンプラーのサンプルラックを12 ℃に冷却、蛍光誘導化試薬15 μl、サンプル15 μlを加え30 ℃で2分間インキュベートし、誘導体化されたサンプル10 μlをインジェクションした。 | 図3-Aに示したHPLCの構成で、アイソクラティック法を用いて脳組織のホモジネートを分析した。<br />移動相は2種類あり、移動相Aに[[wikipedia:JA:クエン酸|クエン酸]]−リン酸緩衝液 pH 5.8, 12%アセトニトリル、移動相Bにクエン酸−リン酸緩衝液 pH 6.2, 25%アセトニトリルを用い15分間で1分析を行った。スイッチングバルブは、インジェクションから1分30秒で切り替わり、12分後に元の流路に戻るセッティングをした。蛍光誘導化試薬は、OPA試薬5 mgをメタノール200 μlで溶解した後、2メルカプトエタノール5 μl、0.1 M Na<sub>2</sub>CO<sub>3</sub>溶液800 μl加え、調製した。試料の前処理は、測定例(1)と同様に行い、上清を1200倍に希釈して15 μlをHPLCサンプルにした。蛍光誘導化のため、オートサンプラーのサンプルラックを12 ℃に冷却、蛍光誘導化試薬15 μl、サンプル15 μlを加え30 ℃で2分間インキュベートし、誘導体化されたサンプル10 μlをインジェクションした。 | ||
===アセチルコリンおよびコリン(電気化学検出法)=== | ===アセチルコリンおよびコリン(電気化学検出法)=== |