「オリゴデンドロサイト」の版間の差分

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== 付録 ==
== 付録 ==
 
 
 網膜とオリゴデンドロサイト・ミエリン形成;網膜と視神経は前脳胞に由来する構造であることから、中枢神経系に含まれる。視神経は、解剖学では便宜上脳神経のひとつとして、末梢神経といっしょに扱われることがあるが、厳然として中枢神経の一部である。したがって視神経における髄鞘形成細胞はオリゴデンドロサイトである。一方、マウスやヒトを含む多くの哺乳動物網膜にはオリゴデンドロサイトは無く、網膜の視神経線維層の軸索は無髄線維である。一方、哺乳動物でもウサギや、鳥類以下の脊椎動物の網膜にはオリゴデンドロサイトが存在し、視神経線維層の軸索もコンパクトなミエリンにより髄鞘化されている。視神経や網膜のオリゴデンドロサイトは、末梢神経の髄鞘形成細胞(Schwann細胞)では発現しないPLPを強く発現し、またそれ以外のミエリンタンパク質の発現も見られる<ref name=ref15><pubmed>21872683</pubmed></ref><ref name=ref16><pubmed>7691736</pubmed></ref>。網膜のオリゴデンドロサイトは、前脳に由来し視神経を通って網膜に移動してくる<ref name=ref17><pubmed>9714145</pubmed></ref><ref name=ref18><pubmed>20371817</pubmed></ref>。主に視神経線維層と[[神経節細胞層]]に位置し、少数のものは[[内網状層]]にもみられる。ニワトリの網膜のミエリンは、脳や脊髄のものと比べると層板形成が薄い傾向にある。このような種差は、視神経の網膜側末端の構造的・分子的な違いに由来すると考えられているが、詳細は明らかにされていない。またその存在の意義についても、不明な点が多い。
 '''網膜とオリゴデンドロサイト・ミエリン形成''':網膜と視神経は[[前脳胞]]に由来する構造であることから、[[中枢神経系]]に含まれる。視神経は、解剖学では便宜上[[脳神経]]のひとつとして、[[末梢神経]]といっしょに扱われることがあるが、厳然として中枢神経の一部である。したがって視神経における髄鞘形成細胞はオリゴデンドロサイトである。一方、マウスや[[wikipedia:ja:ヒト|ヒト]]を含む多くの[[wikipedia:ja:哺乳類|哺乳動物]]網膜にはオリゴデンドロサイトは無く、網膜の視神経線維層の軸索は[[無髄線維]]である。一方、哺乳動物でも[[wikipedia:ja:ウサギ|ウサギ]]や、[[wikipedia:ja:鳥類|鳥類]]以下の[[wikipedia:ja:脊椎動物|脊椎動物]]の網膜にはオリゴデンドロサイトが存在し、視神経線維層の軸索もコンパクトなミエリンにより髄鞘化されている。視神経や網膜のオリゴデンドロサイトは、末梢神経の髄鞘形成細胞(シュワン細胞)では発現しないPLPを強く発現し、またそれ以外のミエリンタンパク質の発現も見られる<ref name=ref15><pubmed>21872683</pubmed></ref><ref name=ref16><pubmed>7691736</pubmed></ref>。網膜のオリゴデンドロサイトは、前脳に由来し視神経を通って網膜に移動してくる<ref name=ref17><pubmed>9714145</pubmed></ref><ref name=ref18><pubmed>20371817</pubmed></ref>。主に視神経線維層と[[神経節細胞層]]に位置し、少数のものは[[内網状層]]にもみられる。ニワトリの網膜のミエリンは、脳や脊髄のものと比べると層板形成が薄い傾向にある。このような種差は、視神経の網膜側末端の構造的・分子的な違いに由来すると考えられているが、詳細は明らかにされていない。またその存在の意義についても、不明な点が多い。
 
 最近になって、ミエリン様構造が海産[[wikipedia:JA:無脊椎動物|無脊椎動物]]にも存在することが報告されており、驚異的な伝導速度の形成にかかわると考えられている<ref name=ref19><pubmed>21674501</pubmed></ref>。
 最近になって、ミエリン様構造が海産[[wikipedia:JA:無脊椎動物|無脊椎動物]]にも存在することが報告されており、驚異的な伝導速度の形成にかかわると考えられている<ref name=ref19><pubmed>21674501</pubmed></ref>。