「基底膜」の版間の差分

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 基底膜は組織に高度に組み込まれた構造であるため生化学的な調製が難しく、その研究はなかなか進展しなかった。70年代後半になり、マウス肉腫 (Engelbreth-Holm-Swarm sarcoma) が種々の基底膜成分を含むゲル(マトリゲルmatrigel) を産生することがわかり、これによって個々の分子について研究が進展した<ref><pubmed> 15975825 </pubmed></ref>。また、マトリゲルやそれから精製されたラミニン111をもちいることにより初代培養を含む様々の神経系細胞のin vitro研究が格段に進んだ。近年、ヒト ES 細胞をマトリゲル上で培養し、ROCK 阻害剤 Y-27632 で処理することにより、中枢神経系細胞であるドーパミン作動性ニューロンへ高い効率で誘導することが可能であることが示されている<ref><pubmed> 17529971 </pubmed></ref>。  
 基底膜は組織に高度に組み込まれた構造であるため生化学的な調製が難しく、その研究はなかなか進展しなかった。70年代後半になり、マウス肉腫 (Engelbreth-Holm-Swarm sarcoma) が種々の基底膜成分を含むゲル(マトリゲルmatrigel) を産生することがわかり、これによって個々の分子について研究が進展した<ref><pubmed> 15975825 </pubmed></ref>。また、マトリゲルやそれから精製されたラミニン111をもちいることにより初代培養を含む様々の神経系細胞のin vitro研究が格段に進んだ。近年、ヒト ES 細胞をマトリゲル上で培養し、ROCK 阻害剤 Y-27632 で処理することにより、中枢神経系細胞であるドーパミン作動性ニューロンへ高い効率で誘導することが可能であることが示されている<ref><pubmed> 17529971 </pubmed></ref>。  


<br>執筆者:吉川大和、門谷裕一、野水基義;担当編集委員:河西春郎


== 参考文献  ==
== 参考文献  ==


<references />
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<br>(執筆者:吉川大和、門谷裕一、野水基義;担当編集委員:河西春郎)
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