「副嗅覚系」の版間の差分

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 図2左はラットの鋤鼻器の横断面概略図である。内側に位置し細胞層の厚い感覚上皮と、外側に位置し細胞層が薄く、血管に接するように存在する非感覚上皮がはっきり区別され、両者により鋤鼻腔を形成している。感覚上皮がフェロモンを受容する鋤鼻受容細胞が存在する部位である。
 図2左はラットの鋤鼻器の横断面概略図である。内側に位置し細胞層の厚い感覚上皮と、外側に位置し細胞層が薄く、血管に接するように存在する非感覚上皮がはっきり区別され、両者により鋤鼻腔を形成している。感覚上皮がフェロモンを受容する鋤鼻受容細胞が存在する部位である。


 他に分泌腺([[鋤鼻腺]])と[[自律神経系]]の有髄線維が存在する。自律神経は[[wikipedia:ja:血管|血管]]の脈動や分泌腺からの分泌を制御し、血管の周囲には[[wikipedia:ja:筋|筋]]組織があり、血管の収縮を制御する。[[wikipedia:ja:齧歯類|齧歯類]]などではこの血管がフェロモンを受容するのに重要な役割をしている。血管が脈動により拡大・縮小するのにともない鋤鼻腔も拡大・縮小を繰り返すといわれている。つまり、閉じた状態から拡大するときに鋤鼻腔内が陰圧になる(鋤鼻腔は毛管で尾端が閉じている)、この陰圧を利用して鋤鼻腔のなかにフェロモン物質が侵入しやすくしている。いわゆる“鋤鼻ポンプ”と呼ばれている現象で、興奮して血管の脈動がより激しくなるとフェロモンは鋤鼻腔に入りやすくなる。
 他に分泌腺([[鋤鼻腺]])と<u>[[自律神経系]]の有髄線維</u>(編集部コメント:自律神経の特に節後繊維は無髄のものが一般的ですが、この場合有髄で正しいかご確認ください)が存在する。自律神経は[[wikipedia:ja:血管|血管]]の脈動や分泌腺からの分泌を制御し、血管の周囲には[[wikipedia:ja:筋|筋]]組織があり、血管の収縮を制御する。[[wikipedia:ja:齧歯類|齧歯類]]などではこの血管がフェロモンを受容するのに重要な役割をしている。血管が脈動により拡大・縮小するのにともない鋤鼻腔も拡大・縮小を繰り返すといわれている。つまり、閉じた状態から拡大するときに鋤鼻腔内が陰圧になる(鋤鼻腔は毛管で尾端が閉じている)、この陰圧を利用して鋤鼻腔のなかにフェロモン物質が侵入しやすくしている。いわゆる“鋤鼻ポンプ”と呼ばれている現象で、興奮して血管の脈動がより激しくなるとフェロモンは鋤鼻腔に入りやすくなる。


=== 鋤鼻受容細胞 ===
=== 鋤鼻受容細胞 ===