Kazuhiroishii

2012年1月18日 (水)に参加
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===その他の構造物===
===その他の構造物===
ネコの胎児における観察で、皮質板が出現するよりも早期に、プレプレート内を脳表面に対して平行な方向に皮質求心性線維が投射することが報告されている(Marin-Padilla 1978)。ヒトでも同様にプレプレート内に皮質求心性線維の投射を認め、当初はモノアミン神経線維(monoaminergic fiber)の投射と推測された。しかし、カテコールアミン合成系酵素であるチロシン水酸化酵素(TH: tyrosine hydroxylase)による免疫染色の結果、皮質板出現後においてはTH陽性の線維を皮質第I層とサブプレートに認めたものの、プレプレート期においては認めなかったとの報告もある(Zecevic 1995,1999)。
ネコの胎児における観察で、皮質板が出現するよりも早期に、プレプレート内を脳表面に対して平行な方向に皮質求心性線維が投射することが報告されている(Marin-Padilla 1978)。ヒトでも同様にプレプレート内に皮質求心性線維の投射を認め、当初はモノアミン神経線維(monoaminergic fiber)の投射と推測された。しかし、カテコールアミン合成系酵素であるチロシン水酸化酵素(TH: tyrosine hydroxylase)による免疫染色の結果、皮質板出現後においてはTH陽性の線維を皮質第I層とサブプレートに認めたものの、プレプレート期においては認めなかったとの報告もある(Zecevic 1995,1999)。
==プレプレートの分割とリーリン==
マウスでは胎生13日頃より、将来皮質板第VI層となる神経細胞がプレプレート内に進入する。その結果、胎生13日頃よりプレプレートの分割が起こる(図1)。リーリンを欠損したリーラーマウスでは、プレプレートの分割が起きず軟膜直下にカハールレチウス細胞、サブプレートニューロン、一部のⅥ層ニューロン等が入り混じった層であるスーパープレート(superplate)を形成する。更に後続の移動細胞はinside-out様式の層構造を形成できず層構造が概ね逆転したoutside-in構造となる(Honda 2011)。また、脳室帯に異所性にリーリンを発現させたマウスとリーラーマウスとをかけ合わせて作成したマウスでは、プレプレートの分割が部分的にレスキューされること(Magdaleno 2002)、リーリンの下流分子のグアニンヌクレオチド交換因子(GEF:  guanine nucleotide exchange factor)である C3Gのノックアウトマウスではプレプレートの分割が起きないこと(Voss 2008)等、プレプレートの分割にリーリンシグナルが必要であることを示唆する研究結果が多数報告されている。
==関連項目==
リーリン
カハールレチウス細胞
サブプレート
Dab1
大脳皮質の発生
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