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==認知的錯覚==
==認知的錯覚==
 認知的錯覚とは、思い違い、勘違い、記憶違い、誤解のことである。認知的錯覚には、透明性の錯覚(illusion of transparency)<ref>自分の心の中が他者に読まれているという錯覚で、それを妄想ほど強く確信しているわけではない状態を指す。</ref><ref>Gilovich, T., Savitsky, K., & Medvec, V. H. (1998). The illusion of transparency: Biased assessments of others' ability to read one's emotional states. Journal of Personality and Social Psychology, 75(2), 332–346.</ref>、デジャビュ現象(déjà vu phenomenon)<ref>初めての場所を訪ねる、初めての人に会うといった場面において、それが以前に経験したことのあるような強い懐かしさを伴う印象が生じる現象。既視感ともいう。</ref><ref>Kusumi, T. (2006). Human metacognition and the deja vu phenomenon. In K. Fujita & S. Itakura (Eds.),Diversity of cognition: Evolution, development, domestication, and pathology. Kyoto: Kyoto University Press, pp.302-314.</ref>、連言錯誤(conjunction fallacy)<ref>たとえば、「ウェブ検索をするときは、検索ワードを増やした方が、ヒット件数が増えると思う」(池田まさみ・森津太子・高比良美詠子・宮本康司 錯思コレクション100 https://www.jumonji-u.ac.jp/sscs/ikeda/cognitive_bias/cate_d/d_33.html 2023年6月12日アクセス)といった誤謬である。</ref><ref>Tversky, A., & Kahneman, D. (1983). Extensional versus intuitive reasoning: The conjunction fallacy in probability judgment. Psychological Review, 90(4), 293–315. https://doi.org/10.1037/0033-295X.90.4.293</ref>、錯誤相関(illusory correlation)<ref>相関がないデータに相関があると思い込んでしまう現象。少数派グループに対して、稀でネガティブな性質を不当に関連付けるという形でよく見られる。</ref><ref>Chapman, L. J. (1967). Illusory correlation in observational report. Journal of Verbal Learning and Verbal Behavior, 6, 151-155. https://doi.org/10.1016/S0022-5371(67)80066-5</ref><ref>Hamilton, D. L., & Gifford, R. K. (1976). Illusory correlation in interpersonal perception: A cognitive basis of stereotypic judgments. Journal of Experimental Social Psychology, 12, 392-407. https://doi.org/10.1016/S0022-1031(76)80006-6</ref>などがある。難問として知られるモンティ・ホール問題(Monty Hall problem)<ref>モンティ・ホール問題を簡潔に記述すると、以下の通りである。3つの選択肢があって1つは当たりである。プレーヤーがどれか1つの選択肢を選んだ後、ホストが残り2つのうち1つを開けてハズレであることを教えてくれる。この時、プレーヤーは選択を残っている選択肢に変更してもよいと言われる。ここでプレーヤーは選択を変更すべきだろうか? 確率で考えると、残っている選択肢が当たりである確率はプレーヤーが最初に選んだ選択肢が当たりである確率の2倍である(プレーヤーが選んだ選択肢が当たる確率は3分の1で、選ばなかった2つの選択肢が当たる確率は合わせて3分の2なので、ホストが1つにしてくれた残りの選択肢が当たる確率は3分の2で変わらない)から変更した方が合理的なのであるが、確率は変わらないように錯覚して変更しない人の方が多い、という現象である。 </ref><ref>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB%E5%95%8F%E9%A1%8C (2023年7月20日アクセス)</ref>も認知的錯覚の例と言える。歪んだ知覚を求める行動や態度を錯覚のカテゴリーに含めるのであれば、セルフ・サービング・バイアス(self-serving bias)<ref>成功した時は自分の能力や努力のおかげと考え、失敗した時は他者や環境のせいにするといった、ご都合主義的で自己防御的な思考・行動傾向のこと。</ref><ref>Miller, D. T., & Ross, M. (1975). Self-serving biases in the attribution of causality: Fact or fiction? Psychological Bulletin, 82(2), 213–225. https://doi.org/10.1037/h0076486</ref>、行為者-観察者バイアス(actor-observer bias)<ref>行動の原因としては、その場面における状況という外的要因が十分考えられるが、行為者のパーソナリティや態度が原因であると認識することを、特性帰属と呼ぶ。他者の行動に対しては、特性に帰属する傾向が強い。これを、対応バイアス(correspondence bias)あるいは基本的帰属エラー(fundamental attribution error)という。特性帰属とは対照的に、自分自身の行動については状況に帰属する傾向が強い。両者をあわせて、行為者―観察者バイアスという。</ref><ref>Jones, E. E., & Nisbett, R. E. (1972). The actor and the observer: Divergent perceptions of the causes of behavior. In E. E. Jones et al. (Eds.), Attribution: Perceiving the causes of behavior (pp. 79-94). Morristown, NJ: General Learning.</ref>、確証バイアス(confirmation bias)<ref>仮説や信念を検証する際に、それらを支持する情報ばかりを集め、都合の悪い情報を無視する、あるいは集めようとしない態度あるいは行動の傾向のこと。</ref><ref>Confirmation bias. Wikipedia https://en.wikipedia.org/wiki/Confirmation_bias (2023年6月24日アクセス)</ref>、正常性バイアス(normalcy bias)<ref>認知バイアスの一種で、自分にとって都合の悪い情報を無視したり過小評価したりすることである。災害心理学や社会心理学などの分野で取り上げられる。「正常化バイアス」、「正常化の偏見」、「正常という偏見」、「正常への偏向」、「恒常性バイアス」ともいう。</ref><ref>矢守克也 (2008-2009). 再論―正常化の偏見 実験社会心理学研究, 48(2), 137-149. https://doi.org/10.2130/jjesp.48.137</ref><ref>広瀬弘忠 (1984). 生存のための災害学 : 自然・人間・文明 新曜社</ref>なども例となる。
 認知的錯覚とは、思い違い、勘違い、記憶違い、誤解のことである。認知的錯覚には、透明性の錯覚(illusion of transparency)<ref>自分の心の中が他者に読まれているという錯覚で、それを妄想ほど強く確信しているわけではない状態を指す。</ref><ref>Gilovich, T., Savitsky, K., & Medvec, V. H. (1998). The illusion of transparency: Biased assessments of others' ability to read one's emotional states. Journal of Personality and Social Psychology, 75(2), 332–346.</ref>、デジャビュ現象(déjà vu phenomenon)<ref>初めての場所を訪ねる、初めての人に会うといった場面において、それが以前に経験したことのあるような強い懐かしさを伴う印象が生じる現象。既視感ともいう。</ref><ref>Kusumi, T. (2006). Human metacognition and the deja vu phenomenon. In K. Fujita & S. Itakura (Eds.),Diversity of cognition: Evolution, development, domestication, and pathology. Kyoto: Kyoto University Press, pp.302-314.</ref>、連言錯誤(conjunction fallacy)<ref>たとえば、「ウェブ検索をするときは、検索ワードを増やした方が、ヒット件数が増えると思う」(池田まさみ・森津太子・高比良美詠子・宮本康司 錯思コレクション100 https://www.jumonji-u.ac.jp/sscs/ikeda/cognitive_bias/cate_d/d_33.html 2023年6月12日アクセス)といった誤謬である。</ref><ref>Tversky, A., & Kahneman, D. (1983). Extensional versus intuitive reasoning: The conjunction fallacy in probability judgment. Psychological Review, 90(4), 293–315. https://doi.org/10.1037/0033-295X.90.4.293</ref>、錯誤相関(illusory correlation)<ref>相関がないデータに相関があると思い込んでしまう現象。少数派グループに対して、稀でネガティブな性質を不当に関連付けるという形でよく見られる。</ref><ref>Chapman, L. J. (1967). Illusory correlation in observational report. Journal of Verbal Learning and Verbal Behavior, 6, 151-155. https://doi.org/10.1016/S0022-5371(67)80066-5</ref><ref>Hamilton, D. L., & Gifford, R. K. (1976). Illusory correlation in interpersonal perception: A cognitive basis of stereotypic judgments. Journal of Experimental Social Psychology, 12, 392-407. https://doi.org/10.1016/S0022-1031(76)80006-6</ref>などがある。難問として知られるモンティ・ホール問題(Monty Hall problem)<ref>モンティ・ホール問題を簡潔に記述すると、以下の通りである。3つの選択肢があって1つは当たりである。プレーヤーがどれか1つの選択肢を選んだ後、ホストが残り2つのうち1つを開けてハズレであることを教えてくれる。この時、プレーヤーは選択を残っている選択肢に変更してもよいと言われる。ここでプレーヤーは選択を変更すべきだろうか? 確率で考えると、残っている選択肢が当たりである確率はプレーヤーが最初に選んだ選択肢が当たりである確率の2倍である(プレーヤーが選んだ選択肢が当たる確率は3分の1で、選ばなかった2つの選択肢が当たる確率は合わせて3分の2なので、ホストが1つにしてくれた残りの選択肢が当たる確率は3分の2で変わらない)から変更した方が合理的なのであるが、確率は変わらないように錯覚して変更しない人の方が多い、という現象である。 </ref><ref>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB%E5%95%8F%E9%A1%8C (2023年7月20日アクセス)</ref>も認知的錯覚の例と言える。歪んだ知覚を求める行動や態度を錯覚のカテゴリーに含めるのであれば、セルフ・サービング・バイアス(self-serving bias)<ref>成功した時は自分の能力や努力のおかげと考え、失敗した時は他者や環境のせいにするといった、ご都合主義的で自己防御的な思考・行動傾向のこと。</ref><ref>Miller, D. T., & Ross, M. (1975). Self-serving biases in the attribution of causality: Fact or fiction? Psychological Bulletin, 82(2), 213–225. https://doi.org/10.1037/h0076486</ref>、行為者-観察者バイアス(actor-observer bias)<ref>行動の原因としては、その場面における状況という外的要因が十分考えられるが、行為者のパーソナリティや態度が原因であると認識することを、特性帰属と呼ぶ。他者の行動に対しては、特性に帰属する傾向が強い。これを、対応バイアス(correspondence bias)あるいは基本的帰属エラー(fundamental attribution error)という。特性帰属とは対照的に、自分自身の行動については状況に帰属する傾向が強い。両者をあわせて、行為者―観察者バイアスという。</ref><ref>Jones, E. E., & Nisbett, R. E. (1972). The actor and the observer: Divergent perceptions of the causes of behavior. In E. E. Jones et al. (Eds.), Attribution: Perceiving the causes of behavior (pp. 79-94). Morristown, NJ: General Learning.</ref>、確証バイアス(confirmation bias)<ref>仮説や信念を検証する際に、それらを支持する情報ばかりを集め、都合の悪い情報を無視する、あるいは集めようとしない態度あるいは行動の傾向のこと。</ref><ref>Confirmation bias. Wikipedia https://en.wikipedia.org/wiki/Confirmation_bias (2023年6月24日アクセス)</ref>、正常性バイアス(normalcy bias)<ref>認知バイアスの一種で、自分にとって都合の悪い情報を無視したり過小評価したりすることである。災害心理学や社会心理学などの分野で取り上げられる。「正常化バイアス」、「正常化の偏見」、「正常という偏見」、「正常への偏向」、「恒常性バイアス」ともいう。</ref><ref>矢守克也 (2008-2009). 再論―正常化の偏見 実験社会心理学研究, 48(2), 137-149. https://doi.org/10.2130/jjesp.48.137</ref><ref>広瀬弘忠 (1984). 生存のための災害学 : 自然・人間・文明 新曜社</ref>なども例となる。そのほか、病的な体験である既視感(déjà vu)<ref>その対象を一度も見たことがないのに、すでにどこかで見たことがあるように(懐かしく)感じられる現象。</ref><ref>「心理学ってなんだろう デジャビュ現象はなぜ起こるのですか?」 https://psych.or.jp/interest/ff-14/ (2023年7月20日アクセス)</ref><ref>Kasper, B.S., Kasper, E.M., Pauli, E., & Stefan, H. (2010). Phenomenology of hallucinations, illusions, and delusions as part of seizure semiology. Epilepsy & Behavior, 18, 13-23. https://doi.org/10.1016/j.yebeh.2010.03.006</ref>も認知的錯覚に分類できる。


==その他の錯覚==
==その他の錯覚==
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 錯覚に類似した概念に、幻覚(hallucination)がある。幻覚は外部に対象が存在しない状態で起こる(おもに病的な)知覚であり、錯覚は外部の対象を刺激として引き起こされる(おもに健常な)知覚である。幻覚の例としては、幻肢(phantom limb)<ref>手や足を失った人が存在しないはずの手足をそこに存在するかのように感じる現象。幻影肢ともいう。その部位に痛みを感じることがあり、幻肢痛(phantom limb pain)と呼ばれる。喪失部位は手足以外の身体部位でも起こる。先天的に手や足を持たない人にも幻肢は起こる。</ref><ref>Melzack R. (1990). Phantom limbs and the concept of a neuromatrix. Trends in Neurosciences, 13(3), 88-92. https://doi.org/10.1016/0166-2236(90)90179-E</ref><ref>Hill, A. (1999). Phantom limb pain: A review of the literature on attributes and potential mechanisms.Journal of Pain and Symptom Management, 17(2), 125-142. https://doi.org/10.1016/s0885-3924(98)00136-5</ref><ref>V. S. ラマチャンドラン、サンドラ・ブレイクスリー(著)、山下篤子(訳) (1999). 脳のなかの幽霊 角川書店</ref>、体外離脱体験(out-of-body experience)等がある。
 錯覚に類似した概念に、幻覚(hallucination)がある。幻覚は外部に対象が存在しない状態で起こる(おもに病的な)知覚であり、錯覚は外部の対象を刺激として引き起こされる(おもに健常な)知覚である。幻覚の例としては、幻肢(phantom limb)<ref>手や足を失った人が存在しないはずの手足をそこに存在するかのように感じる現象。幻影肢ともいう。その部位に痛みを感じることがあり、幻肢痛(phantom limb pain)と呼ばれる。喪失部位は手足以外の身体部位でも起こる。先天的に手や足を持たない人にも幻肢は起こる。</ref><ref>Melzack R. (1990). Phantom limbs and the concept of a neuromatrix. Trends in Neurosciences, 13(3), 88-92. https://doi.org/10.1016/0166-2236(90)90179-E</ref><ref>Hill, A. (1999). Phantom limb pain: A review of the literature on attributes and potential mechanisms.Journal of Pain and Symptom Management, 17(2), 125-142. https://doi.org/10.1016/s0885-3924(98)00136-5</ref><ref>V. S. ラマチャンドラン、サンドラ・ブレイクスリー(著)、山下篤子(訳) (1999). 脳のなかの幽霊 角川書店</ref>、体外離脱体験(out-of-body experience)等がある。


 病的な体験である既視感(déjà vu)と体外離脱体験(out-of-body experience)を錯覚に分類する文献がある<ref>Kasper, B.S., Kasper, E.M., Pauli, E., & Stefan, H. (2010). Phenomenology of hallucinations, illusions, and delusions as part of seizure semiology. Epilepsy & Behavior, 18, 13-23. https://doi.org/10.1016/j.yebeh.2010.03.006</ref>。既視感は知覚としては正常なので認知的錯覚と考えてよいが、体外離脱体験は外部に対象が存在しない状態で起こる知覚なので、幻覚に分類するところである。その考え方を推し進めると、夢は幻覚ということになる。しかし、夢は病的な現象ではないので、幻覚にも病的なものと健常なものがあることがわかる。
 錯覚に類似した概念に、妄想(delusion)がある。妄想は「誤った想像、信念あるいは思考」である。根拠のない主観的な想像・信念・思考であり、統合失調症などの病的原因によって起こり、事実の経験や他者からの論理的な説得によって容易に訂正されることがない。誇大妄想、被害妄想、関係妄想などがある。妄想は認知的錯覚に類似しているが、妄想は病的であって、訂正が容易ではない(非可逆的である)という点が、認知的錯覚とは異なる。
 
 、体外離脱体験は外部に対象が存在しない状態で起こる知覚なので、幻覚に分類するところである。その考え方を推し進めると、夢は幻覚ということになる。しかし、夢は病的な現象ではないので、幻覚にも病的なものと健常なものがあることがわかる。


 もう一つ、錯覚に類似した概念に、妄想(delusion)がある。妄想は「誤った想像、信念あるいは思考」である。根拠のない主観的な想像・信念・思考であり、統合失調症などの病的原因によって起こり、事実の経験や他者からの論理的な説得によって容易に訂正されることがない。誇大妄想、被害妄想、関係妄想などがある。妄想は認知的錯覚に類似しているが、妄想は病的であって、訂正が容易ではない(非可逆的である)という点が、認知的錯覚とは異なる。


ただし、外部に対象のない知覚ではあるが、幻覚ではなく錯覚とされる現象もある。一例として、主観的輪郭(subjective contour)<ref>Kanizsa, G. (1976). Subjective Contours. Scientific American, 234(4), 48-53.</ref>がある。それらを引き起こす文脈刺激が周囲に存在することと、現象は誰にでも起きることから、一般的にはこれらを幻覚には分類しない。その逆に、対象はあるのに知覚されない錯覚という現象もある。たとえば、トロクスラー効果(Troxler effect)<ref>Clarke, F.J.J. (1960). A Study of Troxler's Effect, Optica Acta: International Journal of Optics, 7(3), 219-236,</ref>などの消失錯視群(extinction illusions)(図1)である。
ただし、外部に対象のない知覚ではあるが、幻覚ではなく錯覚とされる現象もある。一例として、主観的輪郭(subjective contour)<ref>Kanizsa, G. (1976). Subjective Contours. Scientific American, 234(4), 48-53.</ref>がある。それらを引き起こす文脈刺激が周囲に存在することと、現象は誰にでも起きることから、一般的にはこれらを幻覚には分類しない。その逆に、対象はあるのに知覚されない錯覚という現象もある。たとえば、トロクスラー効果(Troxler effect)<ref>Clarke, F.J.J. (1960). A Study of Troxler's Effect, Optica Acta: International Journal of Optics, 7(3), 219-236,</ref>などの消失錯視群(extinction illusions)(図1)である。
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