「モノアミン系」の版間の差分

編集の要約なし
編集の要約なし
編集の要約なし
1行目: 1行目:
'''モノアミン系'''
英語名 monoamine system
英語名 monoamine system


5行目: 4行目:




1) '''ノルアドレナリン'''[ノルエピネフリン]  noradrenaline system (norepinephrine)
 
== 1) '''ノルアドレナリン'''[ノルエピネフリン]  noradrenaline system (norepinephrine) ==


 ノルアドレナリンを神経伝達物質とする神経(ノルアドレナリン作動性神経)の細胞体は中枢神経系では主として橋中心灰白質内の青班核にあり、そこから脳全体に投射する。
 ノルアドレナリンを神経伝達物質とする神経(ノルアドレナリン作動性神経)の細胞体は中枢神経系では主として橋中心灰白質内の青班核にあり、そこから脳全体に投射する。
15行目: 15行目:
 ノルアドレナリンとアドレナリンが作用する受容体はアドレナリン受容体と呼ばれる(なお、中枢神経系ではアドレナリン作動性神経はノルアドレナリン作動性神経に比べてはるかに数は少ない)。アドレナリン受容体のサブタイプはα1がA,B, Dの3種類、α2がA, B, Cの3種類、βが1,2,3の3種類あり、計9種類ある。そのうち、脳に多いのはα1A、α1B、α1D、α2A、α2C、β1といわれている。抗うつ薬服用によって増えた細胞外ノルアドレナリンがどの受容体サブタイプを介して抗うつ効果を惹起しているのかについてはまだわかっていない。
 ノルアドレナリンとアドレナリンが作用する受容体はアドレナリン受容体と呼ばれる(なお、中枢神経系ではアドレナリン作動性神経はノルアドレナリン作動性神経に比べてはるかに数は少ない)。アドレナリン受容体のサブタイプはα1がA,B, Dの3種類、α2がA, B, Cの3種類、βが1,2,3の3種類あり、計9種類ある。そのうち、脳に多いのはα1A、α1B、α1D、α2A、α2C、β1といわれている。抗うつ薬服用によって増えた細胞外ノルアドレナリンがどの受容体サブタイプを介して抗うつ効果を惹起しているのかについてはまだわかっていない。


2) '''ドパミン''' dopamine
 
== 2) '''ドパミン''' dopamine ==


 ドパミン作動性神経の長い投射系は大きく3つに分けることができる。起始核はいずれも脳幹部にあり、黒質(A9)から線条体(尾状核、被殻)に投射する黒質線条体系ドパミン投射、腹側被蓋ドパミン細胞(腹側被蓋野A10)から辺縁系皮質(前頭前野、帯状回、嗅内領野)に投射する中脳皮質系ドパミン投射、腹側被蓋ドパミン細胞(赤核後野A8, 腹側被蓋野A10)からそれ以外の辺縁系(側坐核、中隔野、嗅結節、扁桃体、梨状葉皮質)に投射する中脳辺縁系ドパミン投射がある。黒質線条体系は運動系に、中脳皮質系は作業記憶などの認知機能に、中脳辺縁系は報酬系などに関連しているといわれている。
 ドパミン作動性神経の長い投射系は大きく3つに分けることができる。起始核はいずれも脳幹部にあり、黒質(A9)から線条体(尾状核、被殻)に投射する黒質線条体系ドパミン投射、腹側被蓋ドパミン細胞(腹側被蓋野A10)から辺縁系皮質(前頭前野、帯状回、嗅内領野)に投射する中脳皮質系ドパミン投射、腹側被蓋ドパミン細胞(赤核後野A8, 腹側被蓋野A10)からそれ以外の辺縁系(側坐核、中隔野、嗅結節、扁桃体、梨状葉皮質)に投射する中脳辺縁系ドパミン投射がある。黒質線条体系は運動系に、中脳皮質系は作業記憶などの認知機能に、中脳辺縁系は報酬系などに関連しているといわれている。
29行目: 30行目:
 ドパミンが作用する受容体はドパミン受容体と呼ばれ、D1, D2、D3、D4、D5の5種類の受容体サブタイプがある。
 ドパミンが作用する受容体はドパミン受容体と呼ばれ、D1, D2、D3、D4、D5の5種類の受容体サブタイプがある。


3)'''セロトニン'''  serotonin
 
== 3)'''セロトニン'''  serotonin ==
 


 セロトニン作動性神経の細胞体は橋や脳幹にある縫線核群(B1〜B9)から大脳・小脳・脊髄全体に軸索を投射している。大脳皮質、扁桃体には背側縫線核から、海馬には正中縫線核から投射があり、それぞれの起始核は異なる。
 セロトニン作動性神経の細胞体は橋や脳幹にある縫線核群(B1〜B9)から大脳・小脳・脊髄全体に軸索を投射している。大脳皮質、扁桃体には背側縫線核から、海馬には正中縫線核から投射があり、それぞれの起始核は異なる。
48

回編集