「蝸牛」の版間の差分

12 バイト除去 、 2015年4月15日 (水)
編集の要約なし
編集の要約なし
編集の要約なし
16行目: 16行目:
[[Image:Cochlea Fig.jpg|thumb|right|300px|<b>図1.蝸牛の構造</b><br />A,B ヒトの内耳「Gray's Anatomy」から転載。C 蝸牛管の断面「古河太郎:現代の生理学、第2版、1987、p254 図IV-6 蝸牛管の断面」から許可を得て転載]]  
[[Image:Cochlea Fig.jpg|thumb|right|300px|<b>図1.蝸牛の構造</b><br />A,B ヒトの内耳「Gray's Anatomy」から転載。C 蝸牛管の断面「古河太郎:現代の生理学、第2版、1987、p254 図IV-6 蝸牛管の断面」から許可を得て転載]]  


{{box|text=
 蝸牛は蝸牛軸を中心に2¾回転するらせん状の管構造で,引き延ばすとヒトでは約35mmの長さになる。骨により形成された[[骨迷路]]と,その内部の膜迷路からなる。膜迷路は3層に仕切られ,上層から[[前庭階]](scala vestibuli),[[中心階]](scala media),[[鼓室階]](scala tympani)と呼ばれる。前庭階と中心階は[[ライスネル膜]]で仕切られ,中心階と鼓室階はコルチ器官をのせた基底膜で仕切られている。前庭階と鼓室階は[[外リンパ液]]で満たされ,中心階は[[内リンパ液]]で満たされている。外リンパ液は通常の細胞外液と類似のイオン組成をもつのに対して,内リンパ液は高K<sup>+</sup>,低Na<sup>+</sup>,低[[カルシウム|Ca<sup>2+</sup>]]濃度のイオン組成をもち,これは中心階の外側壁を構成する上皮組織である血管条により生成される。また,前庭階と鼓室階は蝸牛基底部でそれぞれ[[卵円窓]](別名,前庭窓)と[[正円窓]]の2枚の膜構造により中耳腔と隔てられ,蝸牛頂部にある[[蝸牛孔]]で互いに交通している。卵円窓には[[耳小骨]]([[アブミ骨]])が付着し,耳小骨の振動が膜迷路へと伝えられる。
 蝸牛は蝸牛軸を中心に2¾回転するらせん状の管構造で,引き延ばすとヒトでは約35mmの長さになる。骨により形成された[[骨迷路]]と,その内部の膜迷路からなる。膜迷路は3層に仕切られ,上層から[[前庭階]](scala vestibuli),[[中心階]](scala media),[[鼓室階]](scala tympani)と呼ばれる。前庭階と中心階は[[ライスネル膜]]で仕切られ,中心階と鼓室階はコルチ器官をのせた基底膜で仕切られている。前庭階と鼓室階は[[外リンパ液]]で満たされ,中心階は[[内リンパ液]]で満たされている。外リンパ液は通常の細胞外液と類似のイオン組成をもつのに対して,内リンパ液は高K<sup>+</sup>,低Na<sup>+</sup>,低[[カルシウム|Ca<sup>2+</sup>]]濃度のイオン組成をもち,これは中心階の外側壁を構成する上皮組織である血管条により生成される。また,前庭階と鼓室階は蝸牛基底部でそれぞれ[[卵円窓]](別名,前庭窓)と[[正円窓]]の2枚の膜構造により中耳腔と隔てられ,蝸牛頂部にある[[蝸牛孔]]で互いに交通している。卵円窓には[[耳小骨]]([[アブミ骨]])が付着し,耳小骨の振動が膜迷路へと伝えられる。