「チロシンリン酸化」の版間の差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
編集の要約なし
編集の要約なし
102行目: 102行目:
=== 受容体型チロシンキナーゼ===
=== 受容体型チロシンキナーゼ===
 受容体型チロシンキナーゼは、細胞外にリガンド結合ドメイン、細胞内にチロンシンキナーゼドメインを持つ。神経系で重要な役割を果たすものとして、[[trk|TrkA]]、TrkB、TrkC、[[wikipedia:Fibroblast_growth_factor_receptor|FGF受容体]]、[[wikipedia:Insulin_receptor|インスリン受容体]]、[[Eph受容体]]などがある。リガンド結合ドメインへのリガンド結合により、チロシンキナーゼが活性化され、さらに下流のシグナル伝達を制御している。キナーゼドメイン中には自己リン酸化部位およびATP結合部位を含み、自己リン酸化によりキナーゼ活性を調節している。
 受容体型チロシンキナーゼは、細胞外にリガンド結合ドメイン、細胞内にチロンシンキナーゼドメインを持つ。神経系で重要な役割を果たすものとして、[[trk|TrkA]]、TrkB、TrkC、[[wikipedia:Fibroblast_growth_factor_receptor|FGF受容体]]、[[wikipedia:Insulin_receptor|インスリン受容体]]、[[Eph受容体]]などがある。リガンド結合ドメインへのリガンド結合により、チロシンキナーゼが活性化され、さらに下流のシグナル伝達を制御している。キナーゼドメイン中には自己リン酸化部位およびATP結合部位を含み、自己リン酸化によりキナーゼ活性を調節している。
(詳細は「受容体型チロシンキナーゼ」の項に記載)
(詳細は「受容体型チロシンキナーゼ」の項に記載)


116行目: 117行目:


 チロシンフォスファターゼには、107種が存在する。チロシンキナーゼと同様に、チロシンフォスファターゼは、膜貫通領域を持つ受容体型および膜貫通領域を持たない非受容体型に大別される<ref><pubmed>17057753</pubmed></ref>。神経系で重要な役割を果たすものとして、受容体型では[[wikipedia:PTPRF|LAR]]、[[wikipedia:PTPRS|PTP&sigma;]]、[[wikipedia:PTPRD|PTP&delta;]]、[[wikipedia:PTPRZ1|PTP&zeta;]]、非受容体型では[[wikipedia:PTEN_(gene)|PTEN]]、[[wikipedia:PTPN11|SHP-2]]などがある。チロシンキナーゼ同様に、チロシンフォスファターゼも、受容体型は細胞膜上に、非受容体型は細胞質に存在する。 (この項目でチロシンフォスファターゼをカバーすることになりましたので、受容体型、非受容体型に分けて詳しくご解説頂ければと思います。どのような受容体があるか、受容体からチロシンフォスファターゼにどのように情報が伝わるかが判っていたら御記述下さい)
 チロシンフォスファターゼには、107種が存在する。チロシンキナーゼと同様に、チロシンフォスファターゼは、膜貫通領域を持つ受容体型および膜貫通領域を持たない非受容体型に大別される<ref><pubmed>17057753</pubmed></ref>。神経系で重要な役割を果たすものとして、受容体型では[[wikipedia:PTPRF|LAR]]、[[wikipedia:PTPRS|PTP&sigma;]]、[[wikipedia:PTPRD|PTP&delta;]]、[[wikipedia:PTPRZ1|PTP&zeta;]]、非受容体型では[[wikipedia:PTEN_(gene)|PTEN]]、[[wikipedia:PTPN11|SHP-2]]などがある。チロシンキナーゼ同様に、チロシンフォスファターゼも、受容体型は細胞膜上に、非受容体型は細胞質に存在する。 (この項目でチロシンフォスファターゼをカバーすることになりましたので、受容体型、非受容体型に分けて詳しくご解説頂ければと思います。どのような受容体があるか、受容体からチロシンフォスファターゼにどのように情報が伝わるかが判っていたら御記述下さい)
チロシンフォスファターゼはチロシンキナーゼと違いその基質特性は低く、それぞれ多くのリン酸化チロシンを含むタンパク質を脱リン酸化する。


=== 受容体型チロシンフォスファターゼ===
=== 受容体型チロシンフォスファターゼ===
全ての受容体型チロシンフォスファターゼは、細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、細胞内の2つのフォスファターゼドメイン(D1およびD2)を持つ。D1およびD2ドメインは、活性中心配列の(I/V)HCXAGXXR(S/T)Gを含む280程のアミノ酸残基からなり、高度に保存されているが、膜に近い側のD1ドメインが主としてフォスファターゼ活性を担い、C末端側のD2ドメインは様々な結合タンパク質と会合する。チロシンフォスファターゼはチロシンキナーゼを違い、その基質特性は低く、それぞれ多くのチロシンリン酸化タンパク質を脱リン酸化する。
全ての受容体型チロシンフォスファターゼは、細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、細胞内の2つのフォスファターゼドメイン(D1およびD2)を持つ。D1およびD2ドメインは、280程のアミノ酸残基からなり、活性中心配列は(I/V)HCXAGXXR(S/T)Gである。これらのドメインは高度に保存されているが、膜に近い側のD1ドメインが主としてフォスファターゼ活性を担い、C末端側のD2ドメインは様々な結合タンパク質と会合する。


=== 非受容体型チロシンフォスファターゼ===
=== 非受容体型チロシンフォスファターゼ===
145

回編集

案内メニュー