「ロドプシン」の版間の差分

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== 翻訳後修飾 ==
== 翻訳後修飾 ==
 視細胞の[[wikipedia:JA:ER|ER]]で生合成されたオプシンは外節につながる繊毛部分に輸送され、外節の根元から生成する新たな円盤膜に取り込まれていく。前述したように、光受容体であるロドプシンは翻訳後にレチナールを取り込む必要があるが、それ以外にも円盤膜に運ばれるまでにいくつかの翻訳後修飾を受ける。ロドプシンの大きな特徴の一つがC110とC187の間に形成される[[wikipedia:JA:S−S結合|S−S結合]]である(図2参照)。このジスフィルド結合は多くの[[Gタンパク質共役型受容体]](GPCR)でも保存されておりECL2とH3を架橋することによって構造安定化に寄与している。  
 視細胞の[[wikipedia:JA:ER|ER]]で生合成されたオプシンは外節につながる繊毛部分に輸送され、外節の根元から生成する新たな円盤膜に取り込まれていく。前述したように、光受容体であるロドプシンは翻訳後にレチナールを取り込む必要があるが、それ以外にも円盤膜に運ばれるまでにいくつかの翻訳後修飾を受ける。ロドプシンの大きな特徴の一つが[[システイン]]110(この配列の動物種は?)とシステイン187の間に形成される[[wikipedia:JA:S−S結合|S−S結合]]である(図2参照)。このジスフィルド結合は多くの[[Gタンパク質共役型受容体]](GPCR)でも保存されておりECL2とH3を架橋することによって構造安定化に寄与している。  


 また、ロドプシンのN2/N15は[[wikipedia:JA:糖鎖修飾|糖鎖修飾]]を受ける。このためロドプシンのN2/N15は生物種を超えて良く保存されている。このようなタンパク質の[[wikipedia:JA:N結合型糖鎖付加|N結合型糖鎖付加]]は、修飾されるアミノ酸残基の位置は異なるが、オプシン類そしてファミリー1のGPCRにも見られる。一般に、糖鎖修飾はタンパク質の輸送やフォールディングに関わると考えられている。これ以外にもN末端の[[wikipedia:JA:メチル基|メチル基]][[wikipedia:JA:アセチル化|アセチル化]]され、前述のC末端のC322/C322のシステイン残基はパルミトイル化(脂質修飾)されている。
 また、ロドプシンのアスパラギン2/アスパラギン15は[[wikipedia:JA:糖鎖修飾|糖鎖修飾]]を受ける。このためロドプシンのアスパラギン2/アスパラギン15は生物種を超えて良く保存されている。このようなタンパク質の[[wikipedia:JA:N結合型糖鎖付加|N結合型糖鎖付加]]は、修飾されるアミノ酸残基の位置は異なるが、オプシン類そしてファミリー1のGPCRにも見られる。一般に、糖鎖修飾はタンパク質の輸送やフォールディングに関わると考えられている。これ以外にもN末端の[[wikipedia:JA:メチル基|メチル基]](メチオニンの間違い?)は[[wikipedia:JA:アセチル化|アセチル化]]され、前述のC末端のシステイン322/システイン322(御確認下さい)の残基はパルミトイル化(脂質修飾)されている。


[[Image:Rhodopsin structure.png|thumb|right|300px|'''図2:ロドプシンの立体構造モデル'''<br />'''a''':基底状態のロドプシンの立体構造(PDBID:1U19)。H1を青色で示しH8をオレンジ色で示している。7本の膜貫通ヘリックスに加えて膜面に平行なH8が特徴的である。H3は大きく傾いていて細胞質側はH4とH5の間に入り込んでいる。上が円板膜内側、下がGタンパク質と相互作用する細胞質側である。手前のH7にレチナール(11−シス)とその結合部位であるK296、そしてシッフ塩基の対イオンとして機能するH3のE113のアミノ酸、C110-C187のジスフィルド結合、細胞質側にはH3にERYモチーフH7にはNPXXYモチーフのアミノ酸を示している。<br />'''b''':活性化に伴う構造変化。[[wikipedia:JA:基底状態|基底状態]](緑色PDBID:1U19)と較べて[[wikipedia:JA:活性状態|活性状態]]は(オレンジ色PDBID:3PQR)H6が大きく外側に動きH5も細胞質側に伸びるている。また基底状態ではH3とH6間のイオニックロックの相互作用が活性状態では解除されR135はNPXXYモチーフやY223等と新たな相互作用を形成する。]]
[[Image:Rhodopsin structure.png|thumb|right|300px|'''図2:ロドプシンの立体構造モデル'''<br />'''a''':基底状態のロドプシンの立体構造(PDBID:1U19)。H1を青色で示しH8をオレンジ色で示している。7本の膜貫通ヘリックスに加えて膜面に平行なH8が特徴的である。H3は大きく傾いていて細胞質側はH4とH5の間に入り込んでいる。上が円板膜内側、下がGタンパク質と相互作用する細胞質側である。手前のH7にレチナール(11−シス)とその結合部位であるK296、そしてシッフ塩基の対イオンとして機能するH3のE113のアミノ酸、C110-C187のジスフィルド結合、細胞質側にはH3にERYモチーフH7にはNPXXYモチーフのアミノ酸を示している。<br />'''b''':活性化に伴う構造変化。[[wikipedia:JA:基底状態|基底状態]](緑色PDBID:1U19)と較べて[[wikipedia:JA:活性状態|活性状態]]は(オレンジ色PDBID:3PQR)H6が大きく外側に動きH5も細胞質側に伸びるている。また基底状態ではH3とH6間のイオニックロックの相互作用が活性状態では解除されR135はNPXXYモチーフやY223等と新たな相互作用を形成する。]]

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