「認知症」の版間の差分

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=== 診断基準 ===
=== 診断基準 ===
 認知症の診断基準のうち、国際的に広く用いられているものとしては世界保健機関によるICD-10や、米国精神学会によるDSM-Ⅲ、DSM-Ⅳ-TRおよび2013年5月に公開されたDSM-5などが挙げられる。
 認知症の診断基準のうち、国際的に広く用いられているものとしては世界保健機関によるICD-10や、米国精神学会によるDSM-Ⅲ、DSM-Ⅳ-TRおよび2013年5月に公開されたDSM-5などが挙げられる。
 ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems)」第10版であり、Dementiaを「脳疾患により慢性(6ヶ月以上)あるいは進行性に記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、言語、判断を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を表1に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。
 ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems)」第10版であり、Dementiaを「脳疾患により慢性(6ヶ月以上)あるいは進行性に記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、言語、判断を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を表1に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。<br>  
 
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'''表1:血管性認知症のNINDS-AIREN診断基準'''  
'''表1:血管性認知症のNINDS-AIREN診断基準'''  
{| cellspacing="1" cellpadding="1" border="1" style="width: 949px; height: 494px;"
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| G4.診断確定にはG1症状が6ヶ月以上存在していることが必要。それより短い期間の場合は暫定診断とする。
| G4.診断確定にはG1症状が6ヶ月以上存在していることが必要。それより短い期間の場合は暫定診断とする。
 
|}
 DSM-Ⅲは1980年出版の「精神障害の診断統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を表2に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を表3に示す。
 DSM-Ⅲは1980年出版の「精神障害の診断統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を表2に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を表3に示す。
 これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。
 これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。
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