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これまで、Wnt遺伝子は哺乳動物において19種類が同定されている<ref name="pmid15702249"><pubmed>15702249</pubmed></ref>。種々の発生段階において固有の空間的・時間的発現があり、それぞれの特異的な機能を発揮すると考えられる。ヒトWnt遺伝子ファミリーは独立した遺伝子座に存在するが、[[Wnt3]]と[[ | これまで、Wnt遺伝子は哺乳動物において19種類が同定されている<ref name="pmid15702249"><pubmed>15702249</pubmed></ref>。種々の発生段階において固有の空間的・時間的発現があり、それぞれの特異的な機能を発揮すると考えられる。ヒトWnt遺伝子ファミリーは独立した遺伝子座に存在するが、[[Wnt3]]と[[Wnt9b]]は17q21、[[Wnt3A]]と[[Wnt9A]]は1q42、[[Wnt2]]とWnt16は7q31の同一染色体上に存在する。さらに、[[Wnt1]]と[[Wnt10B]]は12q13、[[Wnt6]]と[[Wnt10]]は2q35にそれぞれ隣接して存在し、これらの遺伝子の発現は協調的に調節される可能性がある。 | ||
*[[Wnt1]] | *[[Wnt1]] | ||
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古くから知られており、canonical(古典的)経路とも呼ばれる(図)。 | 古くから知られており、canonical(古典的)経路とも呼ばれる(図)。 | ||
転写促進因子として機能するβ-カテニンのタンパク質レベルを調節することにより、シグナル伝達が制御される。Wntの非存在下では[[Axin]]と[[wj:癌抑制遺伝子|癌抑制遺伝子]]産物[[APC]]([[adenomatous polyposis | 転写促進因子として機能するβ-カテニンのタンパク質レベルを調節することにより、シグナル伝達が制御される。Wntの非存在下では[[Axin]]と[[wj:癌抑制遺伝子|癌抑制遺伝子]]産物[[APC]]([[adenomatous polyposis coil]])の複合体中で、β-カテニンは[[カゼインキナーゼ]]Iα(casein kinase Iα; CKIα)とGSK-3βによる[[リン酸化]]と[[ユビキチン化]]による分解が促進され、β-カテニンの細胞内レベルは低く保たれている。WntがFzと共役受容体のLRP5/6に結合するとDvlを介してGSK-3βにシグナルが伝達され、β-カテニンのリン酸化と分解が抑制される。細胞質に蓄積したβ-カテニンは核内に移行した後、[[転写因子]]Tcf/[[Lef]](T-cell factor/lymphoid enhancer binding factor)と複合体を形成して[[cyclin D1]]や[[c-myc]]などの遺伝子発現を促進することによって、細胞の増殖や分化を制御する。 | ||
==== β-カテニン非依存性経路 ==== | ==== β-カテニン非依存性経路 ==== | ||