「エフリン」の版間の差分

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 エフリンの受容体であるEph受容体も、構造上A型とB型に分類され、一般にA型エフリンは広くA型のEph受容体に結合し、B型エフリンは広くB型のEph受容体に結合する。ただし、エフリンA5はB型Eph受容体であるEphB2にも結合し、エフリンB1~B3はA型Eph受容体であるEphA4にも結合するという例外が知られている。また、EphB4のリガンド分子はエフリンB2のみである。
 エフリンの受容体であるEph受容体も、構造上A型とB型に分類され、一般にA型エフリンは広くA型のEph受容体に結合し、B型エフリンは広くB型のEph受容体に結合する。ただし、エフリンA5はB型Eph受容体であるEphB2にも結合し、エフリンB1~B3はA型Eph受容体であるEphA4にも結合するという例外が知られている。また、EphB4のリガンド分子はエフリンB2のみである。


 エフリンがEph受容体に結合すると、Eph受容体は二量体化し、お互いに相手の細胞内領域の特定の[[wikipedia:ja:チロシン|チロシン]]残基を[[リン酸化]]することによって活性化する。エフリンは細胞膜に結合した状態でのみリガンド分子としての活性を有しており、遊離したエフリンはEph受容体には結合するが受容体の活性化を誘導しない。Eph受容体はエフリンに対して逆にリガンド分子としても働くことが知られており、エフリンを発現する細胞とEph受容体を発現する細胞が接触すると、両細胞に双方向性の情報伝達が生じる。Eph受容体を発現する細胞内への[[シグナル]]を順行性シグナル(forward signal)と呼び、エフリンを発現する細胞内へのシグナルを逆行性シグナル(reverse signal)と呼ぶ。このエフリンを受容体とする逆行性シグナルの伝達には、[[チロシンリン酸化#.E9.9D.9E.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93.E5.9E.8B.E3.83.81.E3.83.AD.E3.82.B7.E3.83.B3.E3.82.AD.E3.83.8A.E3.83.BC.E3.82.BC|Srcファミリーチロシンキナーゼ]]の活性化が関与している。A型エフリンは[[インテグリン]]や[[神経栄養因子]]の受容体等と複合体を形成することにより、一方、B型エフリンは[[アダプタータンパク質]]の[[Grb4]]や、PDZタンパク質の[[シンテニン]]等と複合体を形成することにより、それぞれ特異的な逆行性シグナルを伝達すると考えられている。
 エフリンがEph受容体に結合すると、Eph受容体は二量体化し、お互いに相手の細胞内領域の特定の[[wikipedia:ja:チロシン|チロシン]]残基を[[リン酸化]]することによって活性化する。エフリンは細胞膜に結合した状態でのみリガンド分子としての活性を有しており、遊離したエフリンはEph受容体には結合するが受容体の活性化を誘導しない。Eph受容体はエフリンに対して逆にリガンド分子としても働くことが知られており、エフリンを発現する細胞とEph受容体を発現する細胞が接触すると、両細胞に双方向性の情報伝達が生じる。Eph受容体を発現する細胞内への[[シグナル]]を順行性シグナル(forward signal)と呼び、エフリンを発現する細胞内へのシグナルを逆行性シグナル(reverse signal)と呼ぶ。このエフリンを受容体とする逆行性シグナルの伝達には、[[チロシンリン酸化#.E9.9D.9E.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93.E5.9E.8B.E3.83.81.E3.83.AD.E3.82.B7.E3.83.B3.E3.82.AD.E3.83.8A.E3.83.BC.E3.82.BC|Srcファミリーチロシンキナーゼ]]の活性化が関与している。A型エフリンは[[インテグリン]]や[[神経栄養因子]]の受容体等と複合体を形成することにより、一方、B型エフリンは[[アダプタータンパク質]]の[[Grb4]]や、[[PDZドメイン]]タンパク質の[[シンテニン]]等と複合体を形成することにより、それぞれ特異的な逆行性シグナルを伝達すると考えられている。


== 生理機能 ==
== 生理機能 ==