「全反射顕微鏡」の版間の差分

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英:Total Internal Reflection Fluorescence Microscopy、英略語:TIRF microscopy, TIRFM<br/>
英:Total Internal Reflection Fluorescence Microscopy、英略語:TIRF microscopy, TIRFM<br/>
同義語:Evanescent Wave Microscopy、エバネッセント場顕微鏡
同義語:Evanescent Wave Microscopy、エバネッセント場顕微鏡<br/>


全反射蛍光顕微鏡は、細胞とカバーガラスとの接着面のごく近傍で起こる分子・細胞内器官の動態や基板表面における1分子蛍光の観察に広く用いられる手法である。この顕微鏡は、光が屈折率の異なる界面において全反射するときに、反対側にわずかにしみ出す光(エバネッセント光)を励起光として利用し、界面のごく近傍のみを照明する手法である。したがって、照明領域以外に存在する蛍光分子の励起を避け、背景光を極めて低減させることが可能となる。
全反射蛍光顕微鏡は、細胞とカバーガラスとの接着面のごく近傍で起こる分子・細胞内器官の動態や基板表面における1分子蛍光の観察に広く用いられる手法である。この顕微鏡は、光が屈折率の異なる界面において全反射するときに、反対側にわずかにしみ出す光(エバネッセント光)を励起光として利用し、界面のごく近傍のみを照明する手法である。したがって、照明領域以外に存在する蛍光分子の励起を避け、背景光を極めて低減させることが可能となる。
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===全反射===
===全反射===
 屈折率の異なる2つの媒質(媒質1、媒質2)の界面に対し斜めに光を入射させると、屈折光と反射光が発生する。2つの媒質の屈折率をそれぞれn1、n2、入射角をθ1、屈折角をθ2としたとき、スネルの法則
 屈折率の異なる2つの媒質(媒質1、媒質2)の界面に対し斜めに光を入射させると、屈折光と反射光が発生する。2つの媒質の屈折率をそれぞれn1、n2、入射角をθ1、屈折角をθ2としたとき、スネルの法則
<math>\dfrac{\sin \theta_1}{\sin \theta_2} = \dfrac{n_2}{n_1}
(sinθ_1)/(sinθ_2 )=n_2/n_1  
(sinθ_1)/(sinθ_2 )=n_2/n_1  
が成立する(図1A)。屈折角θ2が90°になるときの入射角を特に臨界角(critical angle)といい、
が成立する(図1A)。屈折角θ2が90°になるときの入射角を特に臨界角(critical angle)といい、
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