76
回編集
Shigeyukikan (トーク | 投稿記録) |
Shigeyukikan (トーク | 投稿記録) 細 (→入眠時心像(入眠時幻覚)) |
||
65行目: | 65行目: | ||
入眠期に幾何学模様や人物、風景が見えたり、その音や声が聞こえたりする現象を入眠時心像 (hypnagogic imagery) あるいは入眠時幻覚 (hypnagogic hallucination) という。 | 入眠期に幾何学模様や人物、風景が見えたり、その音や声が聞こえたりする現象を入眠時心像 (hypnagogic imagery) あるいは入眠時幻覚 (hypnagogic hallucination) という。 | ||
Horiらは、覚醒から睡眠段階2までを9段階に細分し、入眠時心像の発生率を検討している。その結果、α波が連続して出現する時期から入眠時心像は出現し、θ波が連続する時期に最も発生率が高くなり、睡眠紡錘波が出現する時期になると発生率が減少するという逆U字の傾向を報告している<ref name="ref17">'''T Hori, M Hayashi, T Morikawa T'''<br>Topographical EEG changes and the hypnagogic experience.<br>''Sleep Onset: Normal and Abnormal Pocesses (Ogilvie RD, Harsh JR eds)'': 1994, American Psychological Association, Washington DC, pp. 237-253</ref>。 | |||
入眠時心像に関する知見は非常に少ないが、入眠時心像の内容については、視覚的な内容(視覚心像)が最も多く、出現率は80%以上であり<ref name="ref18"><pubmed>14341704</pubmed></ref>、この視覚心像の多くは静止映像であり、ストーリー性のある動的映像は少ない<ref>'''広重佳治'''<br>入眠期の主観的体験.<br>''生理心理学と精神生理学'': 1995, 16; 66-76</ref>との報告がある。 | |||
入眠時心像と記憶の関係として、健忘症患者を対象とした研究より、興味深い知見が報告されている。コンピュータゲーム(テトリス)を健常者(テトリスの熟練者と未経験者)と海馬の損傷による健忘症患者に数日間集中的に行わせ、ゲーム後の睡眠時の入眠時幻覚を聴取したところ、テトリス未経験者ではテトリスの入眠時幻覚が出現した被験者ほど成績が向上した。また健忘症患者では前日にテトリスを行ったことを覚えていないにもかかわらずテトリスの入眠時幻覚が出現し、どのようにテトリスのゲームを行うかは覚えていた。これらの結果は、入眠時に出現する幻覚はいわゆる陳述的記憶よりも(declarative memory),手続き記憶(procedural memory)と関連が深いことを示唆している<ref><pubmed>11030656</pubmed></ref>。 | |||
=== 明晰夢 === | === 明晰夢 === |
回編集