松波宏明先生
この度は、脳科学辞典「フェロモン受容体」の項目にご解説をお寄せいただき有り難うございました。内容を拝見し、大変勉強になりました。今後非常に有用な項目になると思います。
いくつかお願いがございます。
辞典という性質を鑑み、特定の蛋白質を扱う項目では、なるべく • 構造 • サブファミリー • 発現(組織分布、細胞内分布) • 機能 という順番で記述する様にしております(前後しても構いません)。
なるべくそれにそった形で御記述いただけると大変助かります。
内容を拝見したところ、だいたい揃っているように思えましたので、私の方で整理させて頂きました。
サブファミリーについてはそれぞれの遺伝子の個数などについて、マウスとヒトとで書き加えて頂ければと思います。
構造に関しては、既に御記述の内容に加えて各サブファミリー間での構造の差異や、他のGPCRとの相同性、2量体形成などについて触れて頂ければと思います。
また、発現は当然鋤鼻器官上皮に発現する事は文脈からは明らかなのですが、初学者のためには改めて触れて頂ければと思います。また嗅覚受容体のように軸索にも発現しているのでしょうか、またゾーン構造V1RとV2Rの投射先におけるゾーン構造についても触れて頂ければと思います。
機能としてはタンパク質そのものの機能と、動物個体における機能がございますが、タンパク質としての機能についてがあまり書いてありませんのでお願い出来ればと思います。やはりどれかのGタンパク質を介してcyclic nucleotide-gated cation channelにカップルするのでしょうか?この点、ご教示いただければ幸いです。
個体としての機能に関しては、ヒト、カイコ、酵母と挙げて頂きましたが、最も良く判っているマウス・ラットでどのような知見があるか御記述いただけると幸いです。例えば、3種のサブファミリー間での機能の差といったものはあるのでしょうか。リガンドについてはどの程度判っているのでしょうか。
本辞典には、フェロモン、副嗅覚系、嗅覚系、嗅覚受容体の項目がありますので、副嗅球系やフェロモン自体については、これ以上の内容は必要なく、現在の記述で十分な情報が得られるかと思います。
ご参考までに、今井先生の書かれた嗅球の項目は以下の通りです(最新版を見るのにはパスワードが必要です)。
http://bsd.neuroinf.jp/wiki/嗅球
また、ゾーン構造については既に項目が完成しており、そちらにもフェロモン受容体と副嗅球に関する記載がございます。
http://bsd.neuroinf.jp/wiki/ゾーン構造
重なること自体は、読者にとって有用と思われますので、お気になさらないでください。その他の項目は今の所、原稿を頂いておりません。
先生におかれましては、早々と御原稿いただいたのに関わらず、編集作業が滞ってしまい、大変失礼致しました。お忙しいところ恐縮ではございますが、御改訂を頂ければ大変ありがたく存じます。
--Yasunori Hayashi 2012年12月7日 (金) 00:41 (JST)