神経節

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大石高生、*高田 昌彦
京都大学 霊長類研究所統合脳システム分野
DOI:10.14931/bsd.6048 原稿受付日:2015年6月1日 原稿完成日:2015年月日
担当編集委員:一戸 紀孝(国立精神・神経医療研究センター 神経研究所)
*:責任著者

英語名 ganglion

 神経節とは、末梢神経系における神経細胞体の集合である。その機能により、感覚神経節と自律神経節に大別される。

神経節とは

 神経節とは、末梢神経系における神経細胞体の集合である。その機能により、感覚神経節と自律神経節に大別される。この項では脊椎動物の神経節を取り上げ、無脊椎動物の中枢神経系をなす神経節については扱わない。

感覚神経節

 感覚神経節には、末梢で感覚刺激を受容した場合に、その情報を中枢に伝達する感覚ニューロンの細胞体が集合している。感覚ニューロンは、形態学的には双極性ニューロンあるいは偽単極性ニューロンである。偽単極性ニューロンは、一本の軸索が細胞体から出てしばらくしたところで二本に分かれ、、末梢端が樹状突起となる。感覚神経節には、三叉神経節、実神経節、前庭神経節、螺旋神経節、舌咽神経の上神経節と下神経節、迷走神経の上神経節と下神経節、脊髄後根神経節が含まれる。

自律神経節

 自律神経節内では、中枢神経系に細胞体がある節前ニューロンと、末梢の筋肉や線などを支配する節後ニューロンがシナプスを形成している。自律神経節には交感神経系のものと、副交感神経系のものとがある。交感神経節前ニューロン、副交感神経節前ニューロン、副交感神経節後ニューロンおよび汗腺を支配する交感神経節後ニューロンでは、アセチルコリンが神経伝達物質として用いられる。それ以外の交感神経節後ニューロンでは、ノルアドレナリンが神経伝達物質として用いられる。交感神経系の神経節には、交感神経幹神経節、自律神経叢神経節が含まれる。副交感神経系の神経節には、網様体神経節、翼口蓋神経節、顎下神経節、耳神経節と内臓を支配する副交感神経節(終末神経節、壁内神経節)が含まれる。

関連項目

参考文献

  1. R.A. Harvey, C. Krebs, J. Weinberg, E. Akesson 著、監訳 白尾智明
    イラストレイテッド神経科学
    丸善出版、2013.
  2. P. F. A. Martinez Martinez 著、水野 昇、岩堀修明、小西 昭 訳
    神経解剖学
    南光堂、1982.
  3. 平澤興、岡本道雄 著
    解剖学 2 脈管学・神経系 改訂第10版
    金原出版、1969.