トーク:コネクトーム

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2016年6月28日 (火) 23:50時点におけるMasahitoyamagata (トーク | 投稿記録)による版 (→‎査読への対応)
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コネクトーム研究の歴史と現状がわかりやすく解説された素晴らしい総説だと思います。以下、マイナーなコメントです。

1. 「コネクトームは、神経系のすべての神経細胞が接続することでできた神経回路の全体を意味する。」 最近は、グリアと神経細胞のコミュニケーションも重要視されているようですが、コネクトームの定義としてはグリアは含めないということでよろしいでしょうか?

2. 「デジタル画像として大規模なデータの保存と解析が扱えるようになってきた。」-> 「デジタル画像として大規模なデータの保存と解析が行われるようになった。」

3. 「線虫の場合、体のサイズが小型で、神経細胞の数が少なく(雌雄同体で302個)、その結合性も個体差が少なくステレオタイプである(75%再現性があると言われる)ので」 これらの数値の出ている文献を引用ください([13]にもし記載があるということでしたら、結構です)。

4. 「このレベルのコネクトーム構築のもう一つのアプローチとしては、このような形態学的なアプローチとともに、電気生理学的アプローチ、更に光遺伝学、神経活動を間接的あるいは直接的に観察する細胞、組織レベルのアプローチ(カルシウム、活動電位、血流変化など)もある。」 これらの研究例を引用いただけないでしょうか。

5. 「上述した大規模生理学的な方法」が具体的に何を指しているのか、わかりにくいように思います。「上述したxxxのような大規模生理学的な方法」のように加筆いただくとよいのではないでしょうか。

6. 「そして遺伝子情報を活用した精密医療」のところで、precision medicineに関する文献を引用していただいたほうがよろしいのではないかと思います。精密医療という言葉を聞いたことのない読者が多いかと思いますので。

7. Functional connectivity とdefault mode network について、少し述べられたほうが良いのではないでしょうか。統合失調症自閉症などの精神疾患などの精密医療にこれの解析を活用できるであろうという研究が出始めており、そのような論文などにも言及・引用していただけるとより親切であるように思います。

8. 「コネクトームの知見を活用することで、心理学、言語学、経済学、商業、犯罪、保険、教育、政治、芸術、倫理学などのヒトの脳活動が関係した分野に、神経回路の観点から、これまでにない概念が提供されることも考えられ、その社会的な影響も大きいとの予想もある」 これにつきましても、そのような予想を述べている文献やウェブサイトなどの引用をお願いします。


9. (これは脳科学辞典の編集方針の問題であるように思われますが)リンク先のない用語にリンクがはってあるものが多すぎるように思います。これはどのような方針でしょうか?例えば、CRISPR・CAS9法 は、日本語Wikiにはないかもしれませんが、英語のWikipediaには該当するものがあります。リンク先がないリンクというのは最小限に抑えたほうがよいように思いますが、いかがでしょうか?>古屋様、林先生

査読への対応

迅速な査読をありがとうございました。以下の通り修正させていただきました。

  • # 1

「コネクトームは、神経系のすべての神経細胞が接続することでできた神経回路の全体を意味する。」 最近は、グリアと神経細胞のコミュニケーションも重要視されているようですが、コネクトームの定義としてはグリアは含めないということでよろしいでしょうか?

確かに、グリア細胞が神経細胞のコミュニケーションに影響を与えるというのは、Markramらの研究などが発表された時も議論の一つとなっていました。ただ、定義に含めるのは、本来の神経回路の方を弱めることになってしまうので、「細胞レベルのコネクトームとコネクトミクス 」の冒頭で、この点について言及することにしました。


  • # 2

「デジタル画像として大規模なデータの保存と解析が扱えるようになってきた。」-> 「デジタル画像として大規模なデータの保存と解析が行われるようになった。」

修正しました。

  • # 3

「線虫の場合、体のサイズが小型で、神経細胞の数が少なく(雌雄同体で302個)、その結合性も個体差が少なくステレオタイプである(75%再現性があると言われる)ので」 これらの数値の出ている文献を引用ください([13]にもし記載があるということでしたら、結構です)。

[13]もその根拠となっているようですが、明確に議論しているChklovskiiらの論文を引用しておきました。


  • # 4

「このレベルのコネクトーム構築のもう一つのアプローチとしては、このような形態学的なアプローチとともに、電気生理学的アプローチ、更に光遺伝学、神経活動を間接的あるいは直接的に観察する細胞、組織レベルのアプローチ(カルシウム、活動電位、血流変化など)もある。」 これらの研究例を引用いただけないでしょうか。

次項の「細胞レベルのコネクトームとコネクトミクス 生理学的方法」で説明しているので、ここでは簡単に記述することにしました。

  • # 5

「上述した大規模生理学的な方法」が具体的に何を指しているのか、わかりにくいように思います。「上述したxxxのような大規模生理学的な方法」のように加筆いただくとよいのではないでしょうか。
ご指摘のとおりにしました。

  • # 6

「そして遺伝子情報を活用した精密医療」のところで、precision medicineに関する文献を引用していただいたほうがよろしいのではないかと思います。精密医療という言葉を聞いたことのない読者が多いかと思いますので。

脳関連のプロジェクトも説明しているNIHのサイトを引用しておきました。

  • # 7

Functional connectivity とdefault mode network について、少し述べられたほうが良いのではないでしょうか。統合失調症や自閉症などの精神疾患などの精密医療にこれの解析を活用できるであろうという研究が出始めており、そのような論文などにも言及・引用していただけるとより親切であるように思います。

「マクロスケールのコネクトーム」の項にご指摘の記述を設けました。

  • # 8

「コネクトームの知見を活用することで、心理学、言語学、経済学、商業、犯罪、保険、教育、政治、芸術、倫理学などのヒトの脳活動が関係した分野に、神経回路の観点から、これまでにない概念が提供されることも考えられ、その社会的な影響も大きいとの予想もある」 これにつきましても、そのような予想を述べている文献やウェブサイトなどの引用をお願いします。
当初、投稿した原稿では、3つの成書を引用してあったつもりなのですが、編集の過程で消去されてしまったようです。更に1点追加して引用しておきました。

  • (#9)

私も宮川先生のご指摘のように感じました。ただ、一部の語句については、是非、脳科学辞典の追加項目として取り扱っていただきたいものがあると思います。よろしくお願いします。

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