105
回編集
Yutakafurutani (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
Yutakafurutani (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
||
33行目: | 33行目: | ||
=== 軸索ガイダンス === | === 軸索ガイダンス === | ||
神経細胞はその軸索を、周囲に存在する様々な軸索[[誘引因子]]や軸索[[反発因子]] | 神経細胞はその軸索を、周囲に存在する様々な軸索[[誘引因子]]や軸索[[反発因子]]を認識しながら伸長させ、[[Image:Yutakafurutani fig 4.jpg|thumb|right|500px|図4 脊髄における交連神経細胞の軸索誘導]]最終的に正しい標的細胞と機能的なシナプスを形成する。この軸索ガイダンス機構には多くのIgSF分子群が関与している。その代表例として脊髄における交連神経細胞の軸索投射が挙げられる(図4)。脊髄の背側部に存在する交連神経細胞の軸索は、NgCAM及びaxonin-1の作用によって束状化されながら、底板(floor plate)から分泌される誘引因子ネトリン(netrin)の濃度勾配に従って腹側方向へと伸長する。この時、ネトリンの受容体であるDCCが交連軸索に発現して機能している。次に、交連軸索に発現するaxonin-1と底板に発現するNrCAMの相互作用によって、軸索の底板への侵入が起こる。いったん正中線を横切って反対側へと到達した軸索は、吻側方向へと脳へと向けて伸長し、二度と同側に戻ることはない。これは底板から分泌される軸索反発因子スリット(slit)と軸索に発現するその受容体Roboの相互作用によるものである<ref><pubmed>7758116</pubmed></ref><ref><pubmed>17029581</pubmed></ref><ref><pubmed>9568394</pubmed></ref>。これら脊髄交連軸索のガイダンス機構において機能する分子群のうち、NgCAM、axonin-1、DCC、NrCAM及びRoboがIgSFに属する。 | ||
軸索ガイダンスにおいてIgSF分子群が機能する別の例として、嗅上皮から[[嗅球]]へと至る一次嗅覚神経回路の構築メカニズムが挙げられる。特定の[[嗅覚受容体]]を発現する嗅細胞群は、それらの軸索を嗅球の同じ糸球体へと集束させる。これは脳における匂い情報コーディングおよびプロセシングの基盤となっており、Kirrel 2、Kirrel 3、BIG-2(Contactin 4)などのIgSF分子群が標的糸球体への軸索集束過程において重要な役割を果たしている<ref><pubmed>18367085</pubmed></ref><ref><pubmed>17129788</pubmed></ref>。 | 軸索ガイダンスにおいてIgSF分子群が機能する別の例として、嗅上皮から[[嗅球]]へと至る一次嗅覚神経回路の構築メカニズムが挙げられる。特定の[[嗅覚受容体]]を発現する嗅細胞群は、それらの軸索を嗅球の同じ糸球体へと集束させる。これは脳における匂い情報コーディングおよびプロセシングの基盤となっており、Kirrel 2、Kirrel 3、BIG-2(Contactin 4)などのIgSF分子群が標的糸球体への軸索集束過程において重要な役割を果たしている<ref><pubmed>18367085</pubmed></ref><ref><pubmed>17129788</pubmed></ref>。 |
回編集