「前頭側頭型認知症」の版間の差分

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| Ⅱ. 支持的特徴(すべての患者には必須ではない)<br><br> A. 行動障害<br>  1. 自己の衛生や身繕いの低下<br>  2. 精神的硬直と柔軟性の低下<br>  3. 易転導性と維持困難(飽きっぽい)<br>  4. 過剰摂食と食事嗜好の変化<br>  5. 保続と常同的行動<br>  6. 道具の強迫的使用<br> B. 発語と言語<br>  1. 発語の変化<br>   a. 自発語の減少, 発語の省略<br>   b. 言語促迫(多弁で止まらない)<br>  2. 常同的発語<br>  &nbsp; 3. 反響言語<br>  4. 保続<br>  5. 無言<br> C. 身体徴候<br>  1. 原始反射<br>  2. 失禁<br>  3. 無動, 筋強剛, 振戦<br>  4. 低く不安定な血圧<br> D. 検査<br>  1. 神経心理学的検査:前頭葉機能検査では顕著な障害がみられるが、高度な健忘、失語、知覚や空間的認知障害はない。<br>  2. 脳波検査:臨床的に明らかな認知症がみられるにも関わらず、 通常の脳波で正常<br>  3. 形態的・機能的画像検査:前頭葉や側頭葉前方部優位の異常
| Ⅱ. 支持的特徴(すべての患者には必須ではない)<br><br> A. 行動障害<br>  1. 自己の衛生や身繕いの低下<br>  2. 精神的硬直と柔軟性の低下<br>  3. 易転導性と維持困難(飽きっぽい)<br>  4. 過剰摂食と食事嗜好の変化<br>  5. 保続と常同的行動<br>  6. 道具の強迫的使用<br> B. 発語と言語<br>  1. 発語の変化<br>   a. 自発語の減少, 発語の省略<br>   b. 言語促迫(多弁で止まらない)<br>  2. 常同的発語<br>  &nbsp; 3. 反響言語<br>  4. 保続<br>  5. 無言<br> C. 身体徴候<br>  1. 原始反射<br>  2. 失禁<br>  3. 無動, 筋強剛, 振戦<br>  4. 低く不安定な血圧<br> D. 検査<br>  1. 神経心理学的検査:前頭葉機能検査では顕著な障害がみられるが、高度な健忘、失語、知覚や空間的認知障害はない。<br>  2. 脳波検査:臨床的に明らかな認知症がみられるにも関わらず、 通常の脳波で正常<br>  3. 形態的・機能的画像検査:前頭葉や側頭葉前方部優位の異常
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| Ⅲ. FTLDに共通する支持的特徴<br><br>A. 65歳以前の発症. 一親等に同症の家族歴<br> B. 球麻痺, 筋力低下と筋萎縮, 筋線維束性収縮(一部の患者にみられる運動ニューロン疾患関連症状)
| Ⅲ. FTLDに共通する支持的特徴<br><br> A. 65歳以前の発症. 一親等に同症の家族歴<br> B. 球麻痺, 筋力低下と筋萎縮, 筋線維束性収縮(一部の患者にみられる運動ニューロン疾患関連症状)
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| Ⅳ. FTLDに共通する除外項目<br><br>A. 病歴と臨床所見<br>  1. 発作性事象を伴う突然の発症<br>  2. 発症に関連した頭部外傷<br>  3. 初期からみられる高度の健忘症<br>  4. 空間的見当識障害<br>  5. 思考の連続性を欠いた語間代的で加速的な話し方<br>  6. ミオクローヌス<br>  7. 皮質脊髄路性の筋力低下<br>  8. 小脳性運動失調<br>  9. 舞踏アテトーシス<br> B. 検査<br>  1. 脳画像:中心溝より後方の病変または機能低下や, CTやMRIでの多巣性の病変<br>  2. 代謝性あるいは炎症性疾患を示唆する検査データ(例えば, 多発性硬化症, 梅毒, AIDS, 単純ヘルペス脳炎)
| Ⅳ. FTLDに共通する除外項目<br><br> A. 病歴と臨床所見<br>  1. 発作性事象を伴う突然の発症<br>  2. 発症に関連した頭部外傷<br>  3. 初期からみられる高度の健忘症<br>  4. 空間的見当識障害<br>  5. 思考の連続性を欠いた語間代的で加速的な話し方<br>  6. ミオクローヌス<br>  7. 皮質脊髄路性の筋力低下<br>  8. 小脳性運動失調<br>  9. 舞踏アテトーシス<br> B. 検査<br>  1. 脳画像:中心溝より後方の病変または機能低下や, CTやMRIでの多巣性の病変<br>  2. 代謝性あるいは炎症性疾患を示唆する検査データ(例えば, 多発性硬化症, 梅毒, AIDS, 単純ヘルペス脳炎)
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| Ⅴ. FTLDに共通する相対的な除外項目<br><br>A. 慢性アルコール症の典型的な病歴<br> B. 持続性高血圧<br> C. 血管性疾患の病歴(例えば狭心症, 間欠性跛行)
| Ⅴ. FTLDに共通する相対的な除外項目<br><br> A. 慢性アルコール症の典型的な病歴<br> B. 持続性高血圧<br> C. 血管性疾患の病歴(例えば狭心症, 間欠性跛行)
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<br> <br> 臨床症候:早期からの行動障害[自己や社会に対する無関心(自己に無頓着で社会的意識の喪失)、脱抑制的徴候(自己中心的で、性的脱抑制、暴力的行動など)、口運び傾向(oral tendency)、常同的および保続的行動(マンネリ化した行動)など]、感情障害(抑うつ、不安、希死念慮、固定観念、妄想、心気症、感情的な無関心、感情移入や共感の欠如、感情鈍麻、自発性低下など)、言語障害[発話量減少、常同言語(同じ単語や句の反復)、反響言語と保続、後期には無言症]を特徴とし、緩徐な進行を示す。早期から高度の健忘、空間的失見当識、失行はみられず、ADとは対照的である。  
<br> 臨床症候:早期からの行動障害[自己や社会に対する無関心(自己に無頓着で社会的意識の喪失)、脱抑制的徴候(自己中心的で、性的脱抑制、暴力的行動など)、口運び傾向(oral tendency)、常同的および保続的行動(マンネリ化した行動)など]、感情障害(抑うつ、不安、希死念慮、固定観念、妄想、心気症、感情的な無関心、感情移入や共感の欠如、感情鈍麻、自発性低下など)、言語障害[発話量減少、常同言語(同じ単語や句の反復)、反響言語と保続、後期には無言症]を特徴とし、緩徐な進行を示す。早期から高度の健忘、空間的失見当識、失行はみられず、ADとは対照的である。  


検査:頭部CT、MRIで特徴的な前頭側頭葉の限局性萎縮がみられる。局所脳血流および糖代謝の低下がSPECTやPETで鋭敏に検出される。家族例、時に孤発例でタウタンパク質他の遺伝子(図1)に変異を認める場合がある。  
検査:頭部CT、MRIで特徴的な前頭側頭葉の限局性萎縮がみられる。局所脳血流および糖代謝の低下がSPECTやPETで鋭敏に検出される。家族例、時に孤発例でタウタンパク質他の遺伝子(図1)に変異を認める場合がある。