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====発達期および傷害回復期におけるGABA・グリシンに対する応答変化====
====発達期および傷害回復期におけるGABA・グリシンに対する応答変化====
[[image:抑制性シナプス3.png|thumb|350px|'''図3.発達に伴う細胞内塩化物イオン濃度とGABA応答の変化'''<br>
[[image:抑制性シナプス3.png|thumb|350px|'''図3.発達に伴う細胞内塩化物イオン濃度とGABA応答の変化'''<br>発達に伴ってNa<sup>+</sup>-K<sup>+</sup>-Cl<sup>-</sup>共輸送体1([[NKCC1]]) による塩化物イオン(Cl<sup>-</sup>)の細胞内汲み入れが減少する一方、K<sup>+</sup>-Cl<sup>-</sup>共輸送体2([[KCC2]]) による細胞外への汲み出しが増加する。そのため、GABA<sub>A</sub>受容体の活性化は、未成熟な神経細胞において細胞外へ塩化物イオンの流出をもたらし、脱分極応答となる。一方、成熟した神経細胞では細胞内への塩化物イオンの流入を引き起こし、過分極応答となる。(<ref name=ref30><pubmed>17928584</pubmed></ref>を改変)]]
 
発達に伴ってNa<sup>+</sup>-K<sup>+</sup>-Cl<sup>-</sup>共輸送体1([[NKCC1]]) による塩化物イオン(Cl<sup>-</sup>)の細胞内汲み入れが減少する一方、K<sup>+</sup>-Cl<sup>-</sup>共輸送体2([[KCC2]]) による細胞外への汲み出しが増加する。そのため、GABA<sub>A</sub>受容体の活性化は、未成熟な神経細胞において細胞外へ塩化物イオンの流出をもたらし、脱分極応答となる。一方、成熟した神経細胞では細胞内への塩化物イオンの流入を引き起こし、過分極応答となる。(<ref name=ref30><pubmed>17928584</pubmed></ref>より)]]


 GABA<sub>A</sub>受容体やグリシン受容体のチャネルを流れる塩化物イオンの向きと量は、細胞内外における塩化物イオンの[[濃度勾配]]と[[膜電位]]に依存している<ref name=ref29><pubmed>11733521</pubmed></ref>。そのため、細胞内塩化物イオン濃度が高い状態である幼若期のニューロンでは、GABA<sub>A</sub>受容体(もしくはグリシン受容体)の活性化に伴って塩化物イオンの流出をもたらし、[[脱分極]]することも知られている<ref name=ref30 />(図3)。
 GABA<sub>A</sub>受容体やグリシン受容体のチャネルを流れる塩化物イオンの向きと量は、細胞内外における塩化物イオンの[[濃度勾配]]と[[膜電位]]に依存している<ref name=ref29><pubmed>11733521</pubmed></ref>。そのため、細胞内塩化物イオン濃度が高い状態である幼若期のニューロンでは、GABA<sub>A</sub>受容体(もしくはグリシン受容体)の活性化に伴って塩化物イオンの流出をもたらし、[[脱分極]]することも知られている<ref name=ref30 />(図3)。
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