「P2X受容体」の版間の差分

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===P2X7受容体===
===P2X7受容体===
 以前はP2Zとも呼ばれていた。他のP2X受容体に比べて細胞内のC末端が非常に長いのが特徴的であり、他のタンパク質と物理的に相互作用することが報告されている<ref name=ref61><pubmed>11707406</pubmed></ref>。作動薬としてBzATP、拮抗薬としてPPADSやBBGが知れているが、最近では、多くの選択的拮抗薬(A-317491、A-438079、AZ11645373など)が開発されている<ref name=ref62><pubmed>21737531</pubmed></ref>。P2X7受容体は、マクロファージやミクロ[[グリア]]、単球、肥満細胞、リンパ球および表皮ランゲルハンス細胞など主に免疫系の細胞で多く発現している<ref name=ref63><pubmed>19812374</pubmed></ref>。P2X7受容体はサイトカイン産生やアポトーシスを制御することが知られ、[[アルツハイマー病]]やパーキンソン病、[[多発性硬化症]]、骨粗しょう症、神経障害性疼痛など様々な病態に関与する<ref name=ref63 /> <ref name=ref64><pubmed>22234152</pubmed></ref> <ref name=ref65><pubmed>19205927</pubmed></ref> <ref name=ref66><pubmed>15777864</pubmed></ref>。また、P2X7受容体をコードする遺伝子のコーディング配列内の変動が、マウスとヒトの両方で慢性疼痛の感受性に影響を及ぼすことも報告されている<ref name=ref67><pubmed>22447075</pubmed></ref>。P2X7受容体機能は複数の研究グループにより樹立されたP2X7遺伝子欠損マウスで解析されているが、P2X7受容体機能が完全に欠失していないものもあり、表現型の解釈には注意が必要である<ref name=ref36 />。
 以前はP2Zとも呼ばれていた。他のP2X受容体に比べて細胞内のC末端が非常に長いのが特徴的であり、他のタンパク質と物理的に相互作用することが報告されている<ref name=ref61><pubmed>11707406</pubmed></ref>。作動薬としてBzATP、拮抗薬としてPPADSやBBGが知れているが、最近では、多くの選択的拮抗薬(A-317491、A-438079、AZ11645373など)が開発されている<ref name=ref62><pubmed>21737531</pubmed></ref>。P2X7受容体は、マクロファージやミクロ[[グリア]]、単球、肥満細胞、リンパ球および表皮ランゲルハンス細胞など主に免疫系の細胞で多く発現している<ref name=ref63><pubmed>19812374</pubmed></ref>。P2X7受容体はサイトカイン産生やアポトーシスを制御することが知られ、[[アルツハイマー病]]やパーキンソン病、[[多発性硬化症]]、骨粗しょう症、神経障害性疼痛など様々な病態に関与する<ref name=ref63 /> <ref name=ref64><pubmed>22234152</pubmed></ref> <ref name=ref65><pubmed>19205927</pubmed></ref> <ref name=ref66><pubmed>15777864</pubmed></ref>。また、P2X7受容体をコードする遺伝子のコーディング配列内の変動が、マウスとヒトの両方で慢性疼痛の感受性に影響を及ぼすことも報告されている<ref name=ref67><pubmed>22447075</pubmed></ref>。P2X7受容体機能は複数の研究グループにより樹立されたP2X7遺伝子欠損マウスで解析されているが、P2X7受容体機能が完全に欠失していないものもあり、表現型の解釈には注意が必要である<ref name=ref36 />。
{| class="wikitable" style="text-align:left"
| align="center" style="background:#f0f0f0;"|'''受容体'''
| align="center" style="background:#f0f0f0;"|'''遺伝子'''
| align="center" style="background:#f0f0f0;"|'''Allen Brain Atlas'''
| align="center" style="background:#f0f0f0;"|'''アゴニスト'''
| align="center" style="background:#f0f0f0;"|'''アンタゴニスト'''
| align="center" style="background:#f0f0f0;"|'''アロステリック調節薬'''
|-
| P2X1||{{gene|P2RX1}}||[http://mouse.brain-map.org/experiment/show/75889827 75889827]||[[BzATP]]<br>[[αβ-meATP]]<br>[[L-&beta;&gamma;-meATP]]
|[[TNP-ATP]]<br>[[Ip5I]]<br>[[NF023]]<br>[[NF449]]
|[[MRS 2219]] (活性化)
|-
| P2X2||{{gene|P2RX2}}||[http://mouse.brain-map.org/experiment/show/69860986 69860986]||||||
|-
| P2X3||{{gene|P2RX3}}||[http://mouse.brain-map.org/experiment/show/73834463 73834463]||BzATP<br>αβ-meATP
|TNP-ATP<br>[[AF353]]<br>[[A317491]]<br>[[RO3]]||
|-
| P2X4||{{gene|P2RX4}}||[http://mouse.brain-map.org/experiment/show/69860987 69860987]||||||[[イバーメクチン]] (活性化)
|-
| P2X5||{{gene|P2RX5}}||[http://mouse.brain-map.org/experiment/show/69863245 69863245]||||||
|-
| P2X6||{{gene|P2RX6}}||[http://mouse.brain-map.org/experiment/show/72183007 72183007]||||||
|-
| P2X7||{{gene|P2RX7}}||[http://mouse.brain-map.org/experiment/show/81600560 81600560]||||[[デカバナジン酸]]<br>[[A804598]]<br>[[brilliant blue G]]<br>[[A839977]]<br>[[A740003]]<br>[[A438079]]||[[チェレリスリン]] (抑制) <br>イバーメクチン (活性化)<br>[[AZ11645373]] (抑制)<br>[[KN62]]
|}


==関連項目==
==関連項目==
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*[[P1受容体]]
*[[P1受容体]]
*[[P2Y受容体]]
*[[P2Y受容体]]
==参考文献==
==参考文献==
<references />
<references />