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                石龍徳(東京医科大学組織・神経解剖学分野)
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NCAM(neural cell adhesion molecule;神経[[細胞接着分子]];別名CD56)は[[免疫グロブリンスーパーファミリー]]に属する細胞[[接着分子]]である。3つのサブタイプがあり、140/180kD分子は膜貫通型、120kD分子はGPIアンカー型である。発生期の発達中の組織では、[[翻訳]]後に長鎖の糖鎖であるポリシアル酸(polysialic acid, PSA)によって修飾される(PSA-NCAMと呼ばれる)。主に神経組織や筋組織に発現しているが、その他感覚器や内[[分泌]]器など多様な組織で発現している。癌組織でも発現が見られ、癌転移との関係が報告されている。NCAMはホモフィリックな結合の他、[[細胞外基質]]のヘパリンなどとヘテロフィリックな結合をする。また、細胞接着分子の[[L1]]やFGF受容体などとcis型の結合をする。糖鎖のPSAは負の電荷と大きさにより立体障害的にNCAMの結合能を低下させる。NCAMは細胞接着を介して、神経発生、筋発生に重要な役割を果たしている。また、学習・記憶、[[精神疾患]]などとの関係が報告されている。
NCAM(neural cell adhesion molecule;神経[[細胞接着分子]];別名CD56)は[[免疫グロブリンスーパーファミリー]]に属する細胞[[接着分子]]である。3つのサブタイプがあり、140/180kD分子は膜貫通型、120kD分子はGPIアンカー型である。発生期の発達中の組織では、[[翻訳]]後に長鎖の糖鎖であるポリシアル酸(polysialic acid, PSA)によって修飾される(PSA-NCAMと呼ばれる)。主に神経組織や筋組織に発現しているが、その他感覚器や内[[分泌]]器など多様な組織で発現している。癌組織でも発現が見られ、癌転移との関係が報告されている。NCAMはホモフィリックな結合の他、[[細胞外基質]]のヘパリンなどとヘテロフィリックな結合をする。また、細胞接着分子の[[L1]]やFGF受容体などとcis型の結合をする。糖鎖のPSAは負の電荷と大きさにより立体障害的にNCAMの結合能を低下させる。NCAMは細胞接着を介して、神経発生、筋発生に重要な役割を果たしている。また、学習・記憶、[[精神疾患]]などとの関係が報告されている。
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1研究の歴史
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